カセットテープ (1)

 最近では、使われなくことが少なくなった「カセットテープ」ですが、1ページ目では、外観に特徴があるものを載せています。

 

 これは、Nationalから発売されていた「オングローム」というカセットテープです。
 当時松下電器産業は、日本国内では「National」ブランドを使い、海外で「Panasonic」プランドを使っていたのですが、今は日本でも「Panasonic」、でも高級オーディオ機器は今も昔も「Technics」ですね。

 カセットテープは、通常は横向きにした状態で左右対称にデザインされているものですが、これはそうではなく縦にデザインされています。
 同梱されているインデックスシートに拠れば、カセットハーフと内部のシートは、「オングロームのために新しく開発したもの」とのことです。
 磁性体を蒸着していて磁性層が大変薄いので、Å(オングストローム、10のマイナス10乗メートル)から付けたネーミングだと思います。

 

 裏はどうなっているのかというと、こんな感じです。
 (上の写真の状態から、上下をひっくり返すように裏返しています)

 このカセットテープは、見た目がユニークで、貼り付けるラベルも、凹型にすることで穴の部分をよけて貼り付けるようになっています。(「Side2」だけ、ラベルを貼りつけました)
 「今までのカセットテープとは全く違う、新時代のカセットテープです!」ということを強くアピールしたのだと思いますが、このデザインは初代だけで、後のものでは通常に近い横型のデザインになっていたと記憶しています。
 カセットテープの表裏の識別は「Side A」「Side B」が多かったと思いますが、National製のテープは「Side 1」「Side 2」になっていたように記憶しています。

 

 

 「左右対称でない」といえば、こういったカセットテープもありました。
 「大きな三角形」にはインパクトがありますね。

 

 

 裏画はお察しの通りです。

「That's」というのは、太陽誘電(株)のブランドで、1970年代には無かったブランドかと思います。最近まではCD-Rなどの記録メディアを発売していました。

 

 「左右対称でない」カセットテープは、他にはこういったものもありましたが、「National」と「That’s」のものが印象に残っています。

 

 

 

 

 

 これは、Sony の「Metal Master」と「UX Master」。カセットハーフがセラミックのようで、重量が約66gあります。
 ちなみに管理人が持っている Sony Duad (46min) では約38gですから、「一般的なカセットテープに比べ、1.7倍以上の重さ」ということになります。

 

 

 外観上の特徴として、窓の幅が狭くテープが僅かしか見えません。
 このカセットをデッキにセットしたとき、この窓の奥にくるデッキ側のランプが暗いと、テープの残量が確認しにくいですが、当時このメーカーで性能を突き詰めた結果、こういった形になったのでしょうね。

 このテープは1980年代後半頃の発売かと思いますが、同じメーカーのデッキでも、管理人が持っているような古いデッキには、いまひとつ似合わないような気がしています。
 「デッキが発売された年代」の「テープ」を選ぶというのも、「見た目」的には重要なことなのかもしれませんし、楽曲についても同じことが言えて、今時の楽曲よりも昔の楽曲が好きな管理人には、昔の機器のほうが合っているのかもしれません。

 

 

 

 これはTDK製のMA-R。

 

 メタルテープが登場して暫くは (1980年頃だったと思います)、多くのカセットデッキのカタログや広告の中でこの「MA-R」が使われていたので、当時カセットデッキを買おうとして、このテープを見たことがない方は少ないと思います。

 

 重量は約78gあり、上の Matal Master より更に重く、Duadテープ(約38g)の倍以上の重量です。
 テープの回る様子が良く見えて、ハーフを極限まで高精度化したカセットテープとしては、Metal Master とは対照的な外観ですね。

 

 

 

 この金色のテープは、市販品ではありません。
 榊原郁恵さんがTDKカセットのイメージキャラクターをされていた頃(1970年代後半頃かと思います、その前が、キャンディーズだったような)、テープの中にある「TDKマーク」を何枚か集めて応募すると、抽選で当たったもので、中のテープは「AD」相当だったと思います。(外観は「これが、ホントのメタルテープ!」といった感じですが)
 未開封のままで保管しておけば、少しは値打ちが出たのでしょうかね?