これも、30年くらい前に発売されていたものと思いますが、maxellから発売されていた「NF-112」という「ノイズフィルター」で、おそらく数千円くらいで発売されていたのでは?と思います。
「AC OUTLET」が3つあり、12Aまで取れるようです。
このグラフを見ると、「0.5MHz~100MHz」のノイズを低減するのには有効なようですが、「電源周波数 (50/60Hz) の数倍」といった周波数帯については述べられていません。
「電圧波形 (1)」のページなどで調べていた、電源波形の周波数分析では、電源周波数50Hz以外に、その3倍波の「150Hz」、5倍波の「250Hz」、7倍波の「350Hz」などが現れています。
フィルターの入力部に低周波発振器で電源周波数の10倍の「600Hz」正弦波を印加したときの出力波です。
上がフィルターへの入力波形、下がフィルターからの出力波形で、殆ど減衰していないように見えますが、「5%くらい」は下がっているようにも見えますから「20*log(0.95) ≒ -0.5dB」くらいは下がっているかもしれませんが、製品本体に記載されている「0.5MHz~100MHz」帯のような「20dB以上」の低減は期待できないように思います。
100倍波の「6kHz」でも、同様です。
「ノイズフィルター」と称される機器では、「電源周波数の数倍」の周波数領域についての減衰効果は、僅かしかないのかもしれません。
大きな減衰効果が期待できるのは、0.5MHz~100MHzのノイズなのでしょうね。
上記の測定結果と、製品上に記載されている特性から、0.5MHz以下の特性を推測すると、こんな特性になっているのかもしれませんが、あくまで管理人の推測です。
「ネットワーク・アナライザー」とかあれば、簡単に求められるのかもしれませんが.....
ノイズフィルターといったものは、「電源周波数よりも遥かに高い周波数」(これは「ノイズ」ですね) を抑えるのには有効ですが、「電源周波数の数倍あたり」の周波数 (これは「ノイズ」というよりは「波形歪み」でしょうか?) を抑えることは出来ないように思い、「ノイズフィルター (1) 」で紹介した「Hi-Fi LINE NOISE FILTER」と称する「AV-P25」でも同様では?と思います。
「AV-P25 の内部」は、こういった感じです。
コイルとコンデンサーで構成されたフィルターかと思われます。
一方で、最近発売されている「ノイズフィルター」より遥かに大型の「クリーン電源」というのは、「高周波をフィルターでカットする」のではなく、電源出力波形を作り直していると思われ、電源周波数の数倍の周波数も抑えることが出来るようですが、値段は「2ケタ弱くらい」違います。
オーディオ機器って、交流電源波形をそのまま使うのではなく、トランス/ダイオード/コンデンサーで適切な直流電圧にして使っていると思われますので、「クリーン電源」の効果は管理人には疑問ですが、耳の肥えた方が高価な機器で聴くと「明らかな違い」があるのかもしれません。