ここでは、ユニークなコンセプトで発売されたものなどを載せています。
これは、SONYのカセットテープで「Pops用」「Classic用」「Rock用」と「音楽ジャンル別カセット」というコンセプトで発売されたものです。
録音対象とする音楽ジャンルを、ここまではっきり示しているカセットテープというのは、管理人は他に記憶がありません。
テープとかカセットデッキの場合は、「再生される音が元の音と等しい」ことが理想であって、「○○用なんて、なんか変?」と、当時管理人は思っていました。
でも「理想通りのもの」というのは出来ないので、「特定の音楽ジャンルに的を絞って最適化したもの」ということなのでしょうね。
これは富士フィルムから発売されていた「カーステレオ用」というカセットテープで、「クルマ特有の音響特性を考慮、及び耐熱性能を向上させた」というものでした。
写真手前の「GT-I」は、おそらく「初代」のものでノーマルポジション用、写真奥の「GT-II」は「AXIA」ブランドになってからのものでハイポジション用のものです。
これは、「LUXMAN」から発売されていたカセットテープですが、よく見ると、カセットハーフの下部に「ネジ」があります。
これは、「アジマスのズレを補正するためのもの」とのことですが、他のメーカーには広がっていかなかったようです。
これは、TDKの初代メタルテープ「MA」が発売になったときのデモンストレーションテープ。
「見本品」と書かれていますが、どのように入手したのかは覚えていません。
昔、テープヒスノイズを低減させる「Noise Reduction」といえば、「DOLBY」しかなかったので、上のカセットテープには「IN」「OUT」の表示しかありません。
「DOLBY」といっても、「B」タイプなのですが、当時の民生用のノイズリダクションシステムは、「DOLBY-B」しかなく、業務用の「A」タイプもありましたが、「B」タイプのことを「B」とも言わず、「DOLBY
SYSTEM」と呼んでいて、「IN」「OUT」だけの表示で十分でした。
「DOLBY」以外には、Victorの「Super ANRS」とかAurexの「adres」などもありましたが、複数のメーカーに採用されていたのは「DOLBY」だけだったように思います。
その後に「DOLBY」の「C」タイプや「S」タイプが登場、「dbx」を内蔵させたデッキも発売され、下の写真のように、「NRのタイプ」を記入できるようなラベルも現れました。
これは、LPの予約特典でもらったカセットテープだと思いますが、30年も前のことですので覚えていません。
昔は、こういったものが貰える事がありました。
これは maxell の 「UD」 ですが、6万本限定で復刻され、2016年11月25日に発売されたもの。
「UD」と書かれていますが、中に入っているテープは現行の「UR」相当で、1972年に発売された「UD」のデザインを復刻したものです。
maxellのWebサイトによれば、2016年はmaxellが日本で初めてカセットテープを製品化し50周年の年だそうです。
管理人がFMから録音するようになった頃のカセットテープは、プラスチック製のハーフに「紙」のレーベルを貼ったものが殆どだったので、このタイプのカセットテープは懐かしいです。
「UD」は、その後「UD-XL」、「UD-XL I」、「UD-XL II」、「XL I-S」、「XL II-S」などに高性能化されていったmaxellの音楽用カセットテープの原点にあたるものです。(「UD」は、Ultra-Dynamic
の略です。)
46分で¥370でしたが、当時もこのくらいの値段だったと思います。
その後、C10/C60/C90も買ってしまいました。オリジナル版に「C10」は無かったと思いますが.....
これは、オーディオ用ではなく、パソコン用。
このテープには「PERSONAL COMPUTER CASETTE」と記載されていますが、NECがPC-8001を発売した頃は、「パソコン」ではなく「マイコン」と呼ばれることもありました。(「マイクロ
コンピューター」とか「マイ コンピューター」 の略)
当時のパソコンでは、「フロッピーディスクドライブ」は標準装備ではなく別売品で、まだ8インチのフロッピーディスクしかありませんでした。
ディスクもドライブも大きく、「業務用の大変高価なもの」といった感じで、庶民には高嶺の花でしたから、こういったテープを使ってBASICや機械語で作ったプログラムを専用のレコーダーで保存していました。
「ピーー キュル キュル キュル .....」といった、電話回線に繋ぐモデムのような音がしていたように記憶していて、当時は「フロッピーだと、読み書きがメチャクチャ速いらしいよ」と言われていました
(笑).....
音声用テープと比べて特性がどう違うのかは良くわかりませんが、「記録時間が短い」「リーダーテープが短く、頭から記録可能」という特徴を持っているようです。
その後、5.25インチや3.5インチのフロッピーディスクが登場し、一般家庭にまで普及していきましたが、管理人が初めてフロッピーディスクを入手した頃は、ワープロ専用機で作った文書を保存するだけでしたから、1年間に作った文書がフロッピ-1枚に余裕で保存できました。
その後デジカメが登場し、ワープロ文書に写真を貼り付けるようになってからは、フロッピーディスクでは容量が足りなくなり、最近では殆ど使われなくなりましたね。
これは「エンドレスカセット」と呼ばれるもの。
写真のものは録音時間はわずかに3分ですが、3分といってもテープ長は 4.75cm × 60 × 3 = 855cm あり、内部で迷路のようにしても、855cmを確保するのはちょっとムリそうです。
よくご覧になると判ると思いますが、左側にはハブがありません。右側のハブの最内周部からテープを引き出して左側に送ってループにしているものと思われ、巻き戻しは出来ませんし、裏面は使えません。
当時は、選挙演説とかスーパーの宣伝とかに使われていたと考えますが、いかにもアナログ的な手法だったと思います。
「クリーニングカセット」や「パソコン用カセット」は、いくつかのメーカから発売されていたように思いますが、「エンドレスカセット」というのは、多くのノウハウが必要だったのか、需要が多くなかったのか、TDKしか発売していなかったように記憶していて、「ヤフオク」で探しても他社製の出品はないようです。
こうして見ると、その後に登場した「ミニディスク」や「CD-R」といった録音メディアに比べ、カセットテープには色々とユニークなものがあったように思え、これはLPとCDを比較した場合と似ています。