ここでも、アナログレコードを、より愉しむための「アクセサリ類」を紹介しています。
これは、レコードプレーヤーを水平にセッティングするための「水準器」で、オーディオ・テクニカさんから発売されていた「AT615」。
上の写真だと、「随分大きなもの」に見えてしまうかもしれませんが、こういった写真があると、実際の大きさが判り易いでしょうね。
現在は後継機種として「AT615a」が発売されています。
上部から見たとき、中心部の「○」と「気泡」とが「同心円状」になれば、「水平がとれています」ということなのですが、管理人の持っているプレーヤーだと..........
キャビネットの手前右部分で水平に調整しても.....
(今までは、大抵いつも「ここら辺」において、水平を確認していました。)
あれれ???
キャビネットの手前左部分では、やや傾いて見えます。
元々なのか、重量による経年変化 (製造から35年以上経過しています) なのかは判りませんが、「キャビネットの中心部が沈んで、端が持ち上がるような方向に反っている」ということなのでしょうか?
Amazonさんで入手した別の水準器でも同じことで、これはキャビネットの手前右部分に置いたとき。
なお「¥1,000」程度のものですので、目盛りの絶対値はそんなに信用していません (笑) 。
見易くする為に、裏面に白いシールを貼っていますが、周辺のエッジ部分の高さより十分に薄いので、測定に影響はないと思っています。
これはキャビネットの手前左部分に置いたとき。
この水準器の目盛りに拠れば、「ひと目盛り」( 1° の 1/4 :0.25° ) くらい傾いているように見えます。
今まで管理人は「水準器は、ソリッドな場所に置いて測るべき」と考えていましたが、「プレーヤーのキャビネットが真っ平らでなく、歪んでいる」となると、話は「まるっきり」変わってきます。
ゴムの上にはなってしまいますが、「ターンテーブル上で合わせる」のが最適なのでしょうかね?
プレーヤーの端から端まで (全幅は約530mmあります) 糸を張ってみると、中央部付近では、糸がキャビネットから「約1mm」離れていることが判りますので、やはり「キャビネットの中心部が沈んで、端が持ち上がるような方向に反っている」ものと思われます。
横から見ると、中央あたりで糸が浮いているのがわかります。
糸が僅かに浮いているので、キャビネット表面に映った糸とは離れて見えます。
レコードプレーヤーのキャビネットが反っているなんて、今まで考えたこともなく、もうちょっと調べてみると、これがキャビネットの右端。
これがキャビネットの左端。
う~む、この写真を見るとキャビネット全体が一様に反っているのではなく、左端の方が反りが大きいように見えますが.....
そこで、ターンテーブル上で水平を確保した上で、もう一度キャビネットの前縁上の何箇所かで確認してみます。
まずこれがキャビネットの右端で、右側がやや上がっています。
「半目盛り」くらいのズレですから、目盛りを信用するとすれば、0.125°程度の傾きでしょうか?
これが、アームの回転中心あたりですが、同様に右側がやや上がっていて、ここの傾きも、0.125°程度
繰り返しますが「目盛りを信用するとすれば」の話で、場所ごとに比較するための目安の数値です。
これがキャビネットの中央。ほぼ水平ですね。
これが、ターンテーブルのシャフトのあるあたり、ここもほぼ水平です。
これが左端から1/4程度の場所。今後は左側が持ち上がっています。
「半目盛り」よりは、やや少なく見え、傾きは、0.1°程度?
これが左端。更に左側が持ち上がっています。
「半目盛り」よりはやや大きい傾きに見え、0.15°程度?
管理人が使っているこのプレーヤーは「MICRO」の「BL-91」で、全幅は約530mm、シャフトから左側は約210mm、右側は約320mmあります。
仮にシャフトのある場所から左右に「V字型」に変形しているとすると、先ほどの糸を張ったときの結果から、左側はtanθ = 1/210ですから、θを求めると0.27°、右側はtanθ
= 1/320ですから、θを求めると0.18° 傾いていることになります。
水準器の示す傾きとは異なりますが、安価な水準器が示す数字よりも、こちらの方が真値に近いのかもしれません。
(水準器の方ですが、今のところ管理人には、精度を確認する方法がありませんので.....)
この結果から考えると、管理人の使っているこのプレーヤーの場合、ターンテーブル上で水平を合わせても、アーム取り付け部分は、内側に向かって「0.1
~ 0.3° 程度」傾いていると思われます。
もちろん、管理人の耳には「何の違和感もない、良好な音」に聴こえますけどね.....
なお「MICRO」製のものでも、もっと上位の機種では、振動対策のため「シャフトアッセンブリーとアームマウントが金属フレームで一体化」されていたようなのですが、30年以上かかって自重により進行するキャビネットの反りに対しても有効だったのかもしれませんし、他社の製品でも高級なプレーヤーはキャビネットが「もっと」分厚かったりする場合もあるようです。
管理人の耳には「何の違和感もない、良好な音」に聴こえるんですが、「とても単純な狂い」が見える化されてしまうと、何かやりたくなってしまうんです。
「そ~ゆ~トコ」に拘るのが、好きな人なんですよ (笑) 。
まずは、もうちょっと精度の高い水準器 (精度が0.1°未満) を入手し、アームのベースを6箇所で「ネジ留め」している部分に、ワッシャーを挟んで、水平に近づけるとか.....
「シャフトの軸受け部」と「ラック」の間に何か挟んで、反ったキャビネットを矯正できないか?とか.....
(これが出来れば、「ベスト」です)
いずれ試してみる予定ですが、え?誰も興味ない?
ま、それはともかく、今後の「ネタ」が、またひとつ見つかりました (笑) 。
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余談ですが、最近では「100均」でも、水準器が販売されています。
でも精度は「100円なりのもの」のような気がします。
「気泡管」を取り付けている部分の精度が十分ではなく、「なんちゃって水準器」なのでしょうかね。
商品パッケージにも、その旨の記載があります。