フィルムカメラ (1)

 昔のフィルム式のカメラで、YASHICA の 「J-3」というものです。ベルトは最近のものに交換しています。

 

 性能的には大したことはないですし、当時のこのクラスのカメラとしては、PENTAXの「SP」の方が多くの人の記憶に残っていると思われ、大抵の方にとってこのカメラは「修理して使う程のものではない」と思います。
 ただ、このカメラは、管理人が生まれたときに父親が買ったもので、昔はこれで家族の写真を撮っていました。

 

 30年以上も前のことですが、管理人が就職した後、新入社員向けの課題に対して自分で決めたテーマをこなすのにカメラが必要になり、当時は貯金も僅かでしたので、父親から借りましたが、その後も「借りパク」状態で何年も経過しました。
 その後、ちょっとはお金が使えるようになった管理人は、オートフォーカスなどに対応したフィルムカメラ (Canon EOS 5) を買い、この旧式のカメラは使わなくなりましたが、ある日、シャッタースピードの制御が壊れていることに気がつきました。(シャッター速度を1/2秒にまで落としても、シャッター幕の動作が全く変わりません)

 メーカーでも直してもらえないだろうと思いましたが、捨てる気にはなれず、ずっと放置でしたが、最近直してもらえる業者さんがあることを知りました。
 オークションに出品されていた「J-3」のジャンク品を部品取り用に落札し、これで修理してもらうことが出来て使えるようになりました。
 Nikon や Canon の「最新最上位デジタル一眼+最新大三元レンズと換えてあげる」と言われても断ります。(ホントかなぁ?)

 

 このカメラのマウントは「M42」というスクリュータイプのもので、レンズをくるくると数回転させないと交換できず、今主流の「バヨネット式」に比べるとレンズ交換がしにくいですが、当時は「YASHICA」以外に「PENTAX」などのカメラメーカーにも採用されていました。

 

 そのため「M42」マウントのレンズは、オークションでもよく出品されていて、入手は容易です。(但し、「AUTO」機能といって、普段は絞りを開放し、レリーズ時のみ設定した絞りにする機能は、このカメラではうまく動作しないので、そこは「MANUAL」に設定しています)
 父親が50年以上前から使っていた「AUTO YASHINON 1:2 f= 5cm」に加え、焦点距離の異なる中古レンズを何本か集め、現行のレンズも1本入手しました。

 よく「焦点距離50mmのレンズ」が、ヒトの視野角に近いと云われますが、管理人には「焦点距離55mmのレンズ」でファインダーから覗いた画角のほうが、よりヒトの視野角に近い気がしていて、55mmのレンズも持っています。でも「50mmのレンズ」のほうが圧倒的に多く、選択の幅も広いですね。

 

 

 

 この頃のカメラは、オートフォーカスが無いのはもちろんですが、露出もマニュアル調整です。
 この受光窓を被写体の方向に向け、明るさを検出します。(水銀電池で動いています)
 それでちゃんと測れるの?と心配になってきますが、当時はまだ TTL (Through The Lens) 測光にはなっていないんです。

 

 

 

 明るさに応じて、左下のメーターが振れます。
 目盛りは、シャッター速度の設定に応じてスライドし、針の指す数値に絞りを設定すれば露出が合うわけです。
又は、先に絞りを設定しておいて、その絞り値が針のところに来るように、シャッター速度を設定します。
 但し万能ではなくて、露出補正を考えなくてはいけない場合もあり、そこは今のカメラと同様です。
 フィルム感度も自動検出ではなく、ここでは左下のダイヤルで「400」にセットしていますが、これを動かしてもメーターの目盛り全体がスライドします。当時の感度表示は「ISO」ではなく「ASA」という単位が使われていました。
 こういったカメラを使うと、「露出とはどういうことなのか」が、よく理解できると思います。

 

 もう少し後のフィルムカメラだと、こういった情報がファインダーの中に表示されるようになり、ファインダー越しに被写体を見ながら、露出調整が出来るようになりました。

 

 

 

 この頃のカメラは、金属製のボディに製造番号が刻印されていて、このカメラの場合はファインダーの横に刻印されています。
 これだけでも手間の掛かる作業だったと思います。今のデジカメは高級機種でもシール上に印刷されているものが殆どだと思います。

 

 

 あと、このカメラで特に好きなのは、レリーズ音。
 このカメラは本体が金属製であるためなのか、シャープで切れの良いレリーズ音がします。
 本機に限らず、当時は多くが金属製のボディーだったでしょうから、そういった音がしたのではないか?と思いますが、その後ボディーがプラスチック製になったもの、例えば Canon の EOS 5 (デジカメの「5D」ではなく、フィルムカメラの方です) では、カメラとしての性能は大きく向上しているんでしょうけど、シャープな音はしません。
 極端な言い方をすると、本機は「カシャッ」、EOS 5だと「パカッッ」って感じ。
 Nikonの「F5」「F6」なんかは、もっと良い音がしていたように思いますけど、シャッタ音だけの為に「レンズを買い直す」というのも、ちょっとね.....

 最近のデジカメでは、「あらかじめ用意しておいた、シャッター音っぽく聴こえる音声データ」を内蔵スピーカーから出しているものもありますが、これは反則ですよね?

 管理人は、耳が肥えていないのに、こういうところは、気になっちゃうんですよねぇ.....

 

 

 

前ページへ <   > 次ページへ

「その他 トップページ」へ