音溝の拡大写真

 レコード針の針先の形状には、丸針、楕円針、シバタ針などが知られています。

 でも、実際のところ、針の種類によってどのあたりがどのように違うのか、カートリッジメーカーのカタログやWebサイトなどにある図や写真を見ても、いまひとつ良く判らず、管理人の頭の中には、いろいろな方向から見たときの形状や、どこがどのくらいの寸法なのかが浮かんできません。
 そこで、管理人が持っているいくつかの針で違いを確認できないか?と試みたわけです。
 でも、まずその前に、「レコード盤の音溝って、どの位の寸法のものなのか?」を確認しておく必要があると考え、撮影してみたのが下の写真です。

 

 これは33.3RPMのレコードの例 (ピンクのカラーレコードです)。やや暗い部分が溝です。
 このLPのA面上で音溝が記録されている最外周から最内周までの幅は約85mmあり、演奏時間を測ってみたところ約16分15秒でしたから、音溝のピッチを計算すると、85mm/16.25/33.3 = 157μmとなり、下の写真と概ね合っています。

 

 

 

 これは45RPMのレコードの例です (グリーンのカラーレコードです)。やや暗い分が溝です。
 このLPも、A面上に音溝が記録されている最外周から最内周までの幅は約85mmあり、演奏時間を測ってみたところ約11分30秒でしたので、音溝のピッチは85mm/11.5/45 = 164μmとなりますが、このLPの場合、音量 (録音レベル) によって音溝のピッチを大きく変えているようです。

 音量の大きい場所では、ピッチは200μm程度確保されています。

 

 一方で、音量の小さい場所では、100μm程度にまでピッチが狭められています。

 

 

 これは、倍率を下げて、上の写真よりも広い範囲を捉えたもの。
 写真左上に見える特にピッチの広い箇所は「曲間部分」ですが、写真中心部と写真右下部では音溝のピッチが変わっているのが判ります。

 

 

 

 これはシングル盤 (「ドーナツ盤」とも呼ばれます) の例。(「イエロー」のカラーレコードです)
 音溝が記録されている最外周から最内周までの幅は約26mmあり、演奏時間を測ってみたところ約3分20秒でしたので、音溝のピッチは26mm/3.33/45 = 173μmとなり、実際のピッチもそのくらいに見えます。

 

 

 これも先ほどと同様に、倍率を下げて、上の写真よりも広い範囲を捉えたものですが、音溝のピッチは先ほどのディスクほど大きくは変えていないようです。

 

 

 

 ベートーベンの第9交響曲を1枚に収録したLPなどでは、両面で1時間以上収録されていて、こういったLPでは音溝の幅や間隔はもっと狭くなりますし、音の小さいところでは間隔を更に詰めているようです。

 

 

 

 

 これらのLPを見る限り、音溝全体の幅は概ね50~100μm程度、Lch/Rchの音溝が水平に対して斜め45°、互いに直角になっていることを考えると、音溝の深さは25~50μm程度と考えられます。
  また、音溝のピッチは80~200μm程度のようです。

 

 

 

 

 音溝がおよそこの寸法ですから、これを針先側で考えれば、針先がどのような形状をしていても、針先が横方向に音溝に接触している幅は、最大でも「針先の先端部分」の50μm~100μm程度、鉛直方向に接触している高さは、最大でも「針先の先端部分」の25~50μm程度ということになりますね。
 別の言い方をすると、「それより外の部分は音溝には触れていないので、その部分がどのような形状であっても、拾い上げる音には影響しない」と考えられます。
 下の写真は、 先ほどの45RPMのレコードの上に針を落としたときの写真です。

 

 これを抑えた上で、次のページからは実際の針先を観察しています。

 

 

 

 参考に、同じ倍率でスケールを撮影したものが下の写真ですが、黒線の間隔は0.5mm(500μm)です。黒線の幅は150μmくらいですかね。
 (このスケールを使って、デジタル顕微鏡の画面上の「スケール表示」を校正しています。)

 

 

 

 

これはSP盤 (78RPM) 、音溝の幅は200μm近くあり、SP盤専用の針があるのも判る気がします。

 

 

 

 

 これはレコード盤でなくCDの写真ですが、何やら模様のようなものが見えます。
 幅が1μm程度で同心円方向に並んでいることから、CDのピットが見えているものと思われます。CDプレーヤーは、これを読み取っているわけです。

 

 

 

 ところで最近気がついたのですが、「音溝」って「おんこう」と読むのが一般的らしいですね。管理人はずっと「おとみぞ」だとばかり思っていました。
 「おんこう」だと、「温厚」とか「御校」など色々あって、「レコード盤のことを話している」と判ってもらえる人は、今のご時世では少ないと思いますけどね。

 

 

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