ラインコンタクト針

 これは、余談ですが.....

 Goldring というメーカーの MC カートリッジ (ELITE-MC) に、ラインコンタクト針で「5 x 120 μm」という仕様の針を見つけました。 

 

 でも「音溝の拡大写真」で示したように、音溝の幅は 50 ~ 100 μm 程度です。

 

 

 肉眼で容易に確認できるような方法で話をすると.....

 一般的なLP片面の演奏時間は23分くらい、最外周から最内周までは80mmくらい、回転数は「33.3rpm」であることを考慮すると、音溝のピッチは、80mm / 23 / 33.3 ≒ 「100μm程度」ということになり、音溝の幅はそれ未満のはずです。

 

 

 

 

 仮に針先の断面がこういった形状だったとすると、その部分は音溝には入りませんので、音溝には接触していない部分 (音質に影響を与えないと考えられる部分) の寸法を表していることになります。

 

 「5μm」や「120μm」というのが「直径」だったとしても同様で、音溝には入らないように思いますが、メーカーのカタログに記載されているのですから、「誤記ではない」と思います。

 

 

 「どゆこと?」って、しばらく考えていたのですが、下図のような針先形状になっていて、「5 x 120 μm」とは、楕円の「短いほうの半径」と「長いほうの半径」ではなく、「カーブが急峻な方の曲率半径」と「カーブが緩い方の曲率半径」なのではないか?と推測します。

 

 針先の断面がこのような形状なら、針先の幅は30~40μm程度ですから、音溝に入りますね。

 

 

 楕円は「 (x/a)^2 + (y/b)^2 = 1」の式で表すことができ、「楕円針」と称したものは「a」と「b」で形状を表すのでしょうが 「ラインコンタクト針」は「2種類の曲線」で構成されているので、それぞれの曲率半径で表すのでしょうかね?
(管理人が見る限り、「楕円針」と称する針でも、断面は「楕円」になっていないような気もしますけどね.....)

 

 でも、針の前後の曲面は音溝には接触していないわけで、接触していない部分の曲率半径を示すのは「あまり意味がない」ようにも思います。
 そもそも「ラインコンタクト」というのは、「線接触」という意味ですが、上の図で針先の前後方向の曲面の曲率半径が大きくなっても、線接触に近づくような気がしません。

 

 

 そこで、別の形状を考えたのが下に示すもので、これは針先を前後方向から見た場合を想定した図。 

 

 これなら音溝に接触する部分の曲率半径を示していることになりますし、「曲率半径が大きい程、音溝と接触する幅が増す」「カッティングマシンのカッター形状に近づいている」と言えそうです。

 

 

 音溝に接触する部分は、いっそ完全に直線にして、直角にしてしまえば?とも思えます。
 でもその場合、針先がちょっとでも傾いていると (カートリッジを完璧に水平に取り付けていても、カンチレバーが僅かに傾いている、スタイラスチップが僅かに傾いて付いている、といったことも有り得ます) ちゃんとトレース出来ないばかりか、音溝を傷めますので、「直線にはせず、針先の傾きに対して尤度を持たせるような形状にしている」ものと推測しています。

 なお「ortofon」には「Replicant 100 : r/R 5/100μm」や、「FG80 :r/R 5/80μm」といった針先があり、「オーディオテクニカ」にも、「1.5 x 0.28 mil」(≒ 38 x 7μm) というラインコンタクト針があります (VM760SLC)。
 これらも、このページで示すような曲率半径を示しているのかもしれません。
 針先を前後方向から見たらこんな感じで、左右方向から見たら「Hyper Elliptical針 (1) 」「Hyper Elliptical針 (2) 」、あるいは「シバタ針 (1) 」「シバタ針 (2) 」のような様子か?と推測しています。

 

 「ホントにそんな形状になってるの?」という興味はありますけど、「ラインコンタクト針」を採用したカートリッジは「お高いものばかり」ですので、「針先の形状や寸法を確認する」目的だけで購入するわけには参りません。
 オーディオ機器にも「サブスク / Subscription」が導入されれば、色々な機器を「安価に試せる」のですが....

 

 また、何か新しいことに気が付いたり、もっと管理人の意図が伝わり易いような図など思いつけば、追記や変更をするカモですが、この先も「想像」ってゆうか、「妄想」だけで終わっちゃいそうです、ゴメンナサイ m(_ _)m 。

 

 

 

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