楕円針 (3)

 これも、楕円針と呼ばれているものです。

 まずは斜め前方から、針先とカンチレバー全体を捉えたもの。

 

 

 

 針先を更に拡大。

 

 こちらは「ムク針」と呼ばれるものです。
 この針も、丸く削り出した円錐の先端部分の前方と後方を削って、音溝と接触するあたりの針先の断面を楕円にしているのだと思いますが、確認しにくいです。

 

 

 これは、斜め後方から見た様子。

 

 

 前方から見ると、面取りされているのがわかります。

 

 

 後方も面取りされているようです。

 

 

これは、真横から見た様子。

 

 

これは、正面から見た様子。
上の写真と比べると、こちらのほうが先端が丸く見えます。

 

これは、上から見た様子。

 

 

 これは倍率を上げて、正面から見た様子。

 

 

 これは側面から見た様子。

 

 

 正面 (左側の写真) と、側面 (右側の写真) を比較したもの。

 

 

 

 これは、動画で捉えたもの。
 これも円錐状の針先の前後で「面取り」されているように見えます。

 

 

 もっとクリアな動画が撮れたら差し替えます。

 

 

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 この針ですが、1970年代からのオーディオファンであれば、多くの方が「見たことがある」のではないかと思われる「SHURE」の「V15 TYPE Ⅲ」のもので、スケールの無いものは「デジカメ」で撮影したものです。

 

 

 

 裏面には「SHURE」と「V15 TYPE Ⅲ」が印字されています。

 

 

 これが針先

 

 

 これは、カンチレバー全体にフォーカスが合う様、レンズ側から見て、カンチレバー全体が奥行き方向に等距離になるようにセッティングして撮影したものです。

 

 

 これは、真横から見たところ。
 カートリッジ全体が水平になるような角度にセッティングして撮影しています。

 

 

 これは、針を取り付けた部分を拡大したもの。

 

 これも、カンチレバー先端を上下方向に潰し、上方に曲げ、そこに穴を設け針を貫通させて、カンチレバー上部で黄色い樹脂のようなもの?で固着しているように見えます。
 右上部に見える「黒いもの」にどんな意味があるのかは不明ですが、針先の固着に使われているものとは別のもののように見えますので、「作業不良」といったものではなくて、もしかしたら、カンチレバーの「共振 / 鳴き」を低減させる為のもの?

 

 

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 管理人がオーディオに興味を持った頃は、「V15 TYPE Ⅳ」が発売されたばかりで、「TYPE Ⅲ」と「TYPE Ⅳ」が併売されていたように記憶しています。
 当時は「TYPE Ⅳ」よりも「TYPE Ⅲ」の方が安価だったので、まだ学生でお金のない管理人は「TYPE Ⅲ」を選びました。
 今思うと、この選択も「アリ」だったように思います。
 また「V15 TYPEⅢの廉価版?」とも思えるような「V15 TYPEⅢ」と外観が似た「M75HE」というカートリッジも発売されていました。

 ちなみに「V15」とは、カッティングマシンが垂直方向から15度傾いた角度でカッティングしているため、カートリッジもそれに合わせてトレースするというアピールで、当時は画期的だったようです。
 また、カートリッジの性能を表す言葉の一つである「トラッカビリティ (追従性) 」というのは「Track ability」を縮めた造語で、他社のカートリッジでは追従できないような音溝の大きな振幅にも「SHUREのカートリッジなら、音溝にダメージを与えることなく追従できますよ」といった広告を、当時発行されていたFM誌のひとつ「FM fan」で見たように記憶しています。
 スタイラスガードには、「TYPE Ⅱ」では「SUPER-TRACK」と記され、「TYPE Ⅲ」ではそれを超える意味で「SUPER-TRACK "PLUS"」が記されていました。

 CDが登場する前のアナログレコードの全盛期に「MM型カートリッジ」といえば、「SHURE」の「V15シリーズ」が語られないことはなかったのでは?と思われます。
 当時の「SHURE」というブランドは、「MM型カートリッジのリーディングカンパニー」と管理人は思っていましたが、「SHURE」社は2018年の8月で「フォノ製品の生産」を終了しています。

 「V15 TYPE Ⅲ / TYPE Ⅳ」が発売されていた頃に比べると、現在のカートリッジの需要はとても少ないものになってしまい、「SHURE」社にとって「経営の柱のひとつ」となるような事業ではなくなってしまったので、より需要の多い「マイクロフォン」や「イヤホン」に注力することになったのでしょうね?

 

 

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