これは、楕円針と呼ばれているものです。
まずは斜め前方から、針先とカンチレバー全体を捉えたもの。
(この写真は、後述する「針交換後」に撮影したものです。)
針先を更に拡大。
「楕円針」といっても、針全体の断面が楕円になっているのではありません。
この針の場合、針全体は角柱で、先端を丸く削っているようです。
角柱の太さは一辺が0.1mm程度と思われ、丸く削った先端部について、更に前方と後方を削って、レコード盤と接触する先端部分の断面を楕円にしているのだと思います。
楕円にするメリットは、 前後方向の厚みを減らすことで、音溝上の間隔の短い振幅にも追従でき、高域特性が向上するということであろうか、と理解していますが、管理人が聴いて判るのかというと、???です。
これは、斜め後方から見た様子。
前面で面取りがされているのがわかります。
後面も、前面と同様に面取りされています。
これは真横からみた様子。
これは、正面から見た様子。
これは真上から見た様子。
以下は更に倍率を上げたもので、これは正面。
これが側面。
正面 (左側の写真) と、側面 (右側の写真) を比較したものですが、前後方向が薄くなっているのがわかります。
正面からみると針先端部に変曲点があり(矢印部分)、左右chの音溝が90度になっていることを考慮すると、先端から矢印のあたりまでが音溝に接していると考えられます。
カタログに拠れば、カートリッジの針先形状は「0.3 x 0.7 mil」で、「SI単位」に直すと「7.6μm (右側の写真) x 17.8μm
(左側の写真)」ですので、概ね上記写真と合っているように思います。
でも「面取り」しているということは、音溝と接触する部分の断面は、下図の左に示すような「楕円のような断面」ではなく、下図の右に示すような断面になっている気もします。
そうは云っても、どこのメーカーのカートリッジでも、昔からこの形状が「楕円針」と称されてきたので、今更変えるわけにもいかないのでしょうかね?
これは、動画で捉えたもの。