レコード針の寿命のこと

 レコード針には寿命があって、JICO (日本精機宝石工業株式会社) さんのWebサイトを見ると、針先の形状によっても異なりますが、「150時間~500時間程度」が寿命のようです。

 

 

 管理人が現在常用しているオーディオテクニカの「AT33EV」(楕円針) の場合、針交換価格 (本体交換) は、「¥47,600 (税抜) 」ですが、JICOさんが云うように「楕円針の寿命が150時間」とすれば、LPを1枚 (46分) 演奏する毎に、針先は「\47,600 / 150 / 60 x 46 ≒ ¥240程度」消耗していることになります。
 経験的には「もう少し持つ」ような気もしますが、管理人は、CDが登場する以前、LPレコードに収められている楽曲をBGM的に聴くときには、カセットテープにダビングした音を聴いていました。

 一方、MCカートリッジの中には、大変高価なものもあり、例えば ortofon から「世界限定100個」で発売されている 「The MC Century」の価格は¥1,260,000 (税別) 、その針交換価格は¥600,000 (税別) です。
 そのカートリッジの針の寿命が、仮に500時間として、LP1枚を再生すると、針先の消耗分として「¥1,000 程度のコスト」が発生することになり、数回再生すれば「針先の消耗分」は、そのLPを購入した費用よりも高いコストになってきます。

 「アナログレコードの高音質再生」というのは、「初期導入コスト」だけでなく「ランニングコスト」についても、とてもお金が掛かり、「CD」の登場は、そのような状況も「大きく変えた」と管理人は思っています。

 

 

 でも、「針先の身になって?」考えてみると.....

 

 LPの盤面を1周 (最内周と最外周の平均) したときのトレース距離は、
   (6.5 cm + 14 cm) /2 x 2 x 3.14 ≒ 64 cm 。(半径 x 2 x 円周率)

 1分間に33.3回転するので、1分間演奏したときのトレース距離は、
   64 cm x 33.3 rpm ≒ 2,131 cm = 21.31 m

 寿命が150時間の針でも、寿命が来るまでには、
   21.31 m x 60 min x 150 h = 191,790 m ≒ 192km。

 

 

 また「針圧」について考えてみると.....

 管理人が現在常用しているオーディオテクニカの「AT33EV」(楕円針) の標準の針圧は「2g」ですが、「1平方mm」当たりの圧力を考えると、およそ 「2g / 0.0076mm x 0.0178mm ≒ 15kg / mm^2」にもなり、レコード盤も局所的には、「瞬間的に、多少は変形しているのでは?」と思います。

 

 

 

 針先が性能を発揮できなくなるまでには、フルマラソンよりも遥かに長い距離を、15kg / mm^2 (1平方cmで云うと、1.5t / cm^2 ですよ) でトレースしているのですから、さすがは「ダイヤモンド」ですね。
 また、1秒間にトレースする距離 (最内周と最外周の平均) は 、64cm x 33.3 / 60 ≒ 35.5cm で、カセットテープの 4.75cm/sec を大きく上回りますが、「あの小さな針先で」ですよ。

 

 そういった考え方をすると、「150時間~500時間程度」という寿命は、管理人にとっては十分に納得ですが、「針交換に¥600,000」を要し、「LP1枚を再生すると、針先の消耗分として¥1,000 程度のコストが発生する」ようなカートリッジは、管理人には永遠に購入できそうもありません。
 管理人の場合は、そこまでカートリッジにお金を掛ける前に、アンプ / スピーカー / プレーヤー / 部屋に、もちょっとお金を掛けた方が、バランスが取れて、良い結果が得られるように思っています。
 カートリッジに限りませんけど、オーディオ機器を購入する際には、所有するオーディオシステム全体のバランスを考えて.....と思います。

 ちなみに管理人の場合、新品購入時の価格で言うと、アナログプレーヤー ( ターンテーブル + トーンアーム + カートリッジ ) ≒ アンプ ( プリ + パワー ) ≒ スピーカー (ペア) になっています。
 あ..... 中古で「お安く」購入したものが多いですけどね.....

 

 なお、「慌てもので、おっちょこちょい」の管理人は、これまでに不注意で針を曲げてしまったり、折ってしまったりしたことはありますが、寿命を全うして針交換したことは、まだ一度もありません。 てひひひひ~~

 

 

 

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