20kHz以上が入ってる?

 まずは、ラインレベルの信号に着目し、「ハイレゾ」と称されるものに、20kHz以上の音がホントに入っているのか確認しようと試みました。

 同じタイトル (Stievie Wonderの "Key of Life" です)で、LP / CD / ブルーレイディスク・オーディオで比較してみます。同じ曲で比較していますが、完全に同じタイミングでキャプチャリングすることはできませんし、傾向的にどうなのかという程度の比較しか出来ません。
 また、Max値をHoldさせた場合、レコード盤を再生したときに「ゴミ」や「キズ」などにより「プチッ」という音を拾ってしまうと、一気に跳ね上がってしまい、何を見ているのか判らなくなってしまいますので、ここではそういった方法は見送りました。

 

 これはLP、発売は1976年で、CDが登場する前に購入したものです。
「Digital Recording」とは記載されていないので、おそらく業務用のマルチトラックのオープンリールデッキで収録されていると思います。
 「30センチのLPが2枚」と、ボーナスレコードとして「17cmのEPが1枚」という変則的な構成のアルバムでした。

 

 

 次にCD。「24-bit Digitally Remastered」と記載されたもので、2000年頃にHMVで見つけて買った記憶がありますが、日本語表記が全くないので、輸入盤のようです。LPのボーナスレコード分は2枚目のCDに収録されています。
 LPと比べると、20kHzあたりから上が切れているのが判りますが、聴いている限り別に違和感はありませんし、もしこの音を否定してしまったら、今持っている大量のCDはどうなっちゃうの?っていう感じです.....
 また、サンプリング周波数である44.1kHzの音が少し漏れてきているのがわかります。

 

 

 

 最後はブルーレイディスク・オーディオで、96kHz/24bitのもの (ブルーレイ・レコーダーで再生しています)。
 20kHzあたりから上がバッサリ切れている感じはせず、20kHz以上が含まれていることについては確認できます。
 「LPでは収録できて、CDで収録できなかった帯域が、ブルーレイ・ディスク・オーディオでは収録できるようになった」ということなのでしょうけど、96kHzサンプリングではカバーできない48kHz以上はLPのほうが出ている気がします。
 但し、「聴いて違いが判るの?」となると、耳の肥えていない管理人には、残念ながら違いは判りませんでした。

 

 なお、ハイレゾ配信サイトには、192kHz/24bitのものが登録されています、これだと48kHz以上も含まれる信号になっているのかもしれませんが、管理人には違いは判らないだろうと思います。
 LPを持っていますので、それで十分ですね (笑) 。

 

 

これは「おまけ」ですが.....

 ブルーレイディスク・オーディオを同じプレーヤーで再生したものですが、プレーヤーの「音声設定画面」で「音声出力設定」を「HDMI」あるいは「デジタル音声」に変更したもの。そうするとプレーヤーのアナログ音声出力はCD相当 (あるいは、48kHzサンプリングでしょうか?) になるようです。
 96kHzサンプリングの音声信号は、「アナログ」「デジタル音声」「HDMI」のうちの「ひとつにしか割り当てられない」ということですね。
 この状態でも音は出ているので、これを聴いて「やっぱり、CDとは違うよね」なんて思っている方は.....いらっしゃいませんよね?

 

 

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 これは参考ですが、地上波デジタルの音声。
 15kHzあたりから上が切れています。でも管理人には、「レンジが狭い」と感じる様な音ではありませんけどね。
 番組によっては、20kHzまで伸びている場合もあります。 

 

 

 これは、FMの音。19kHzのパイロット信号が少し現れています。
 「元々このくらいは出ているもの」なのか、「経年変化で漏れが大きくなっている」のかは判りませんが、実家にあるチューナーでも同様にパイロット信号が確認できました。なお、「キー」といった音は、管理人にはもちろん聴こえません。

 

 

 パイロット信号による「DOLBYの誤動作」を防ぐための「MPX FILTER」というのは聞いたことがありますが、パイロット信号の「キー音が耳障り」といった話は、聞いた記憶がないように思います。
 FM放送では、原理的に19kHz以上は含まれないはずなのですが、Deviation Meter 付きのチューナーで見ていると判りますが、トークなどでは過変調になることがあり、その際に波形歪みが発生し、歪みによる高調波が発生することで20kHz以上が出ているようにも見えることがあるのでは?と思います。

 

 

 

 

 これは、iPhoneの音声出力。
 管理人はいつも「iTunes Plus」設定 (256kbps/ステレオ) で取り込んでいて、耳の肥えた方にはオリジナルから大きく劣化して聴こえる音質なのかもしれませんが、20kHzまで出ています。
 いつもはゼンハイザーのHD-414で聴くことが多いですが、「もっと良い音で聴きたい」と思うときは、SONY の MDR-CD900ST などで聴くようにしています。

 

 

 

 これはAM放送のスペクトラムですが、3kHzあたりから大きく落ちていて、この音なら耳の肥えていない管理人にも「CDとは大きく異なる音」と判ります。
 20kHz以上の信号が常時出ていますが、ラジオの電源を落とすと消えるので、ラジオから出ている雑音と考えられます。

 

 

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