CDにも、「SHM-CD (Super High Material CD)」(ユニバーサル ミュージック)、「BlueSpec-CD (ソニー・ミュージックエンタテインメント)」、HQ
CD (High Quality CD)」(メモリーテック(株) )と、高音質であることをセールスポイントにしたものがあります。
また、CDが出始めた頃に発売されたものより、後にリマスタリングしたもののほうが音質が良いという話も聞きますが、耳の肥えていない管理人にも判るものなのか試してみました。
試したのは、スティービー・ワンダーのアルバム 「IN SQUARE CIRCLE」。
デジタルレコーディングされたもので、最初のものは1985年に発売 (ビクター音楽産業 VDP-1064)、その後1992年にリマスタリングしたもの
(ポリドール POCT-1818) が発売、2012年にはSHM-CD版 (ユニバーサル ミュージック UICY-20359) が発売されていて、比較してみるのには丁度いいかと.....
でもその間に、アメリカの「モータウン」レーベルを扱う日本側の会社が2度も変わっているんですね。管理人が持っているスティービーワンダーのLPは、全てビクターからの発売でした。
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試聴方法ですが、2台のCDプレーヤーを使って、同時に再生させ切り替えながら、冒頭から数曲を通して聴いてみました。アンプやスピーカーはもちろん同じです。
管理人の持っている機器は高価なものではありませんが、プレーヤーによる差やケーブルの差もあり得ますので、試聴後はCDを入れ替えて再度聴いています。
ここでは、すべてCDフォーマット (16bit/44.1kHz) での比較ですので、周波数分析は行わず、耳で聴いて違いを感じるかどうかを確認しようとしています。
管理人が聴いてみた結果ですが.....
最初に発売されたCD (1985年発売) と、その後リマスタリングされたCD (1992年発売) との差はあるような気がしました。後者の方が僅かに「太い音」「重心の低い音」という印象で、2台のプレーヤーに入っているCDを入れ替えても、違いはプレーヤーではなく、ディスクについて回るように感じました。
でも、ディスクが違うことを知った上で、敢えて違いを云うとすれば.....の話であって、ブラインドテストをして確実に当てられる自信はありませんし、最初に発売されたCDの音も普通に聴いていられる音だと思います。また曲によっては違いが判りにくいこともありました。
次に、リマスタリングされたCD (1992年発売) と、SHM-CD版 (2012年発売) との差ですが、これについては全曲通して聴いても、管理人には違いを感じることが出来ませんでした。
但し、「耳の肥えていない管理人は、そう感じた」ということで、耳の肥えた方、加齢で高域が聴こえにくくなっていない方、高価な機器をお持ちの方は、容易に違いを感じるかもしれません。
更には、コンテンツを出す側のアーティストやレコーディングエンジニアの方にとっては、僅かな違いであったとしても、それはとても「重要なこと」なのかもしれません。
なお、音質とは関係ない話ですが、「目で見て明らかに判る違い」がありました。
最初に発売されたCD (1985年発売)に比べ、後のものは演奏時間が若干短くなっている曲があり(曲間の長さが違うだけなのかもしれませんが)、2つのCDを同時に聴いていると、曲が進むに連れズレが増えていくのがわかりました。
進んでいる側に時々PAUSEを掛けながら試聴しましたが、何もせずに全曲再生させると7秒くらいズレてきます。
リマスタリングのときに変わったのでしょうけど、更に最後の10曲目は、最初に発売されたCD (1985年発売)では6分53秒の演奏時間に対し、リマスタリング版では3分26秒になっています。
ちなみにLP (ビクター音楽産業:VIL-28001) では収録時間は表示されませんが、演奏してみると3分26秒程度の長さのようです。1985年発売のCDだけが「ロングバージョン」になっているようです。
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さて、管理人が持っているCDで、もう1タイトル、比較できそうなものがありました。
スティービー・ワンダーの"Key of Life" で、1976年にLPが発売されており、その後1992年に発売されたCD
(ポリドール:POCT-1812, 1813) と、2000年頃発売された "24-bit Digitally Remastered"
版 (MOTOWN 157 582-2) を聴き比べてみましたが、これは先ほどの「IN SQUARE CIRCLE」より大きな差があるように思いました。
前者 (1992年発売) に比べると、後者 (2000年発売) のほうがやや高域が良く出ている (シンバルの音が大きく聞こえ、全体的にクリアに聴こえる)
気がしました。
でも、比較して聴くと差が感じられるものの、前者も「変だ」と感じるような音ではありませんでした。
更にLPとも比べてみました。
CDプレーヤーは2台使い、演奏開始直後にPAUSEをかけておいた状態でLPを再生、タイミング良くCDプレーヤーのPAUSEを解除して比較開始です。
LPの音については、カートリッジやプレーヤー、アンプ内のフォノイコライザでも大きく変わりそうですので、あくまで管理人宅での話ですが、前者 (1992年発売)
のCDの音のほうがLPの音に近い気がしました。
「LPの音に近い音」といえば、前者 (1992年発売) ですが、「よりクリアに聴こえる音」といえば、後者 (2000年発売) です。
「どちらが正しい」という話ではなく、聞く側からすれば好みの問題とも言えますし、リリースする側の意向が変わった、あるいはマスタリングする機器などの性能が向上したということなんですかね?
どちらかを選べと言われれば後から出たCDの方が、「管理人的には好み」ですが、初期のCDの音も管理人にとっては、十分に「聴ける音」で、聴き比べると「あ、ちょっと違う」と思う程度です。
ちなみに、最初に比較したアルバム 「IN SQUARE CIRCLE」でも、最初に発売されたCD (1985年発売) が、最もLPの音に近い気がしました。
初期のCDの音は「デジタルっぽい硬い音」と言われることが多く、熟成の進んだ頃のCDの方が音が滑らかになってLPの音に近い聴こえ方をするのかと予想していましたが、意外な結果でした。
耳の肥えた方に話したら「失笑されちゃう」カモですけど、2つのタイトルを聞き比べた限り、管理人の耳にはそのように聴こえたのですから、しょうがないです。管理人個人の見解です (笑)。
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2タイトルだけの試聴結果で言うのは、かなり乱暴なのかもしれませんが.....
CDが登場 (1982年) して間もない頃に買ったCDを持っている場合、後に発売されたCDを再購入すれば、もっと良い音で聴ける可能性はあると思います。
しかしながらその差は、判り易い場合もあれば、微妙な場合もあり、更には「潰れた波形」のページで示したような波形になっている場合もあるのかもしれません。
そこのところは一概には言えず、聴いてみないと判りませんね。
耳の肥えていない管理人個人の見解ですけど.....
最近は、上位あるいは後継の仕様で「プラチナSHM」(ユニバーサル ミュージック)、「BlueSpec-CD2」 (ソニー・ミュージックエンタテインメント)」、「Ultimate
HQ-CD」(メモリーテック(株) ) も登場しているようです。
管理人には差は判らないと思いますが、興味あるタイトルがあれば、手持ちのものと聞き比べてみたいと思っています。(<<< 懲りないですね)