設定時の注意点

 ある日、CD-4信号のスペクトラムを確認しようとしたときです。
 いつもなら見える30kHzのキャリア信号がなく、22kHzあたりから上が「バッサリ」と切れています。

 

 

 PCを何度か再起動しても変わらなかったので、カートリッジの具合が悪くなってしまったのか、あるいは192kHz対応のA/Dコンバーターが壊れてしまったのかなど、いろいろ考えて調べてみたところ原因がわかり、下記に示すように本来の姿に戻すことが出来ました。
 30kHzのキャリアや、その2倍/3倍歪みと思われる信号が確認できます。

 

 

 さて、何が起きていたのかと云うと.....

 管理人はPCに外付けで「A/Dコンバーター」を接続しているのですが、PC上での「コントロールパネル」→「サウンド」→「録音」→「ライン」→「プロパティ」→「詳細」にある「サンプリングレートとビット深度」の設定が、「2チャネル、16ビット、44100Hz (CDの音質) 」になっていました。 

 

 当初は何が起きているのか判らず、あれこれと設定を見直す中で、ようやく見つけたものですので、この画像は後から再現させて表示させたものです。

 

 以前は「2チャネル、24ビット、192000Hz (スタジオの音質) 」に設定していたのですが、いつのまにか変わっていたのですね。ここを「2チャンネル、24ビット、192000Hz (スタジオの音質) 」に戻すことで復旧しました。

 

 PCがノート型ですので、「A/Dコンバーター」を外して持ち歩いたり、あるいはHDMIモニタなど他機器に繋いだりしているうちに、設定が「デフォルト」に戻ってしまったのでは?と推測しています。
 その後も起きましたが、「こうしたら発生した」という条件は、まだ判っていません。

 

 

 「20kHz以上が入ってる?」で紹介したプレーヤー側の「音声出力設定」の事例でもそうですが、「ハイレゾ・オーディオ」というのは、「ハイレゾで聴いているつもりが、ハイレゾになっていなかった」、あるいは「ハイレゾで録音しているつもりが、ハイレゾになっていなかった」といったことが起き得るのではないか?と管理人は考えています。

 AVアンプ等で設定が適切でなかった場合には、全く音が出なかったり、後方から音が出なかったり、フロントのセンター成分が抜けたような音になったりとか、聴いていて「あれっ?」と判るものですし、「チェックディスク」などを使えば発見できます。
 また。AVアンプの「Setup Menu」で設定した内容が、使っているうちに、いつの間にか変わってしまった」といったことは、管理人は経験がありません。
 一方、「ハイレゾ・オーディオ」では、どこかの設定がおかしかったり、変わってしまっていて、20kHz以上が出なくなっていても (管理人が聴く限りは) 明確な差が生じないので、誤った設定状態でそのままずっと聴いてしまう可能性があるように思います。
 20kHz以上が出ていることを「100%確実に」確認しようと思ったら、何らかの計測器が必要で、「チェックディスクと耳」だけでは不可能ですからね。

 

 「ハイレゾ・オーディオ」を愉しむには、常に細心の注意を払い続ける必要があるような気がしていて、耳が肥えておらず、加齢で高域が聴こえにくくなってきていて、更に「おっちょこちょい」で「慌てモノ」の管理人には向いていないように感じています。

 

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