量子化周波数

 ハイレゾ製品のカタログを見ると、方眼紙のようなものに波形が書いてあることがあります。片方はCD相当の波形でガタガタした階段状の波形。もう一方のハイレゾの波形は、量子化周波数が高く量子化ビット数が多いので、方眼紙のマス目が細かくなっていて、滑らかな波形となり、原音に近いとのこと。
 それは理屈の上では正しいですが、その差って聞き取れるものなんですかね?

 昔、学校で習いましたが、矩形波というのは正弦波の上に3倍の正弦波、5倍の正弦波、7倍の正弦波・・・・・といった成分が加わっている訳で、滑らかではないガタガタした波形というのは、「滑らかな波形の上に高調波が足されている状態」、とも考えられると思います。
 そこで管理人は、以下の実験をしてみました。

 

 まず、これは低周波発振器で出した1kHzの正弦波です。

 

 これを鳴らすと、「ピー」という音がスピーカーから聞こえます。
 大きな音で鳴らすと、スピーカーを傷めますので、要注意です。
 縦軸が5V/divになっていますが、実際は0.5V/divですので、0.8V程度の振幅の正弦波です。
(10対1のプローブが繋がれているものとオシロが判断していて縦軸が5V/divになってしまっています。ブラウン管式の古~いオシロですので、おそらく修理対応してもらえないと思いますし、もし修理してもらえたとしても、ヤフオクで入手したとき以上の費用が必要かと思いますので、そのままです。)

 

 これは、同じく1kHzですが、矩形波に切り替えたもの。

 

 管理人の持っている低周波発振器の場合、出力設定は同じでも、矩形波に切り替えると、振幅は小さくなります。
 これを鳴らすと、正弦波のときには「ピー」と聴こえた音が、今度は「チー」といった音に聴こえます。
 音量も変わってはいるのでしょうが、「音質が変わって聴こえる」ということがポイントです。
 矩形波に切り替えると、1kHzの正弦波に、3倍高調波の3kHz、5倍高調波の5kHz、7倍高調波の7kHz、9倍高調波の9kHz・・・・・といった高調波が加わったことになりますが、「違った音に聴こえる」のは、高調波のうち少なくとも3倍高調波である3kHzの音が「管理人には聴こえている」からだと思われます。

 

 さて、次に同じことを5kHzの正弦波と矩形波で行ってみると.....
 波形は明らかに違うのに、管理人にはほとんど差がないように聴こえました。「3倍高調波の15kHz」が管理人には聴こえないので、「5kHzの正弦波」と「5kHzの正弦波+15kHzの正弦波」の音質の差が検知できないわけです。
 お若い方であれば15kHzが聴こえると思いますので、差を検知することは出来るかもしれません。でも7kHzの正弦波と矩形波だったら?

 

 CDの場合、44.1kHzでサンプリングしていますから、ハイレゾ製品のカタログでアピールされているように、再生音には44.1kHzの半分の22.05kHzの矩形波が加わっていることにはなりますが、実際にはデジタルフィルターとローパスフィルターを使って22kHz以上はカットされていて、22.05kHzとその高調波は出力されていないと思います。
 また仮にカットされずにそのまま出力されていたとしても、「高域が聴こえにくくなっている管理人の耳には、聞き分けることは出来ないのでは?」と思っています。

 

 「より滑らかになっているハイレゾの方が原音に近い、情報量が多い」というのは、理屈の上では正しいのだろうと思います。
 しかしながら、加齢により15kHzが聴こえなくなっている管理人の耳では、「残念ながら、聞き分けられない」と思っています。(泣)
 お若い方や、耳の肥えた方が羨ましいです。

 

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