測定7 保護フィルム

 ここでは、「ブルーライトを抑えるする効果」があるとされる保護フィルム (「ブルーライトカットフィルム」と呼ばれています) について、手持ちのもので調べてみました。

 下のグラフは、先に使用したiPadでフィルムの有無の差を示すもので、赤い線が「フィルム無し」、緑の線が「フィルム有り」です。
 眼で画面を見る限りは、フィルムを貼ることで「やや黄色っぽく」なっているようです。
 「赤」や「緑」に比べると、「青」の低減量が大きいので、やや黄色っぽく見えるということですね。

 

 このフィルムの場合、380nm~420nmについて、「90%ブロック」すると説明されています。
 また、「色調には影響がない」とも書かれていますが、380nm~420nmはほとんど出ていないので、この波長域を90%ブロックしても「色調に大きく影響しないこと」は納得出来ます。
 このフィルムメーカーの場合は、「青」のピークである450nm付近の波長域をブロックすることよりも、更に波長の短い (エネルギーの高い) 「380nm~420nmの波長域を確実にブロックすることが、眼を保護するのには有効」と考えているのだと思います。

 2つの分光放射輝度データの比率を求めれば、透過率はわかりそうなものですが、400nm付近は値が小さいので桁落ち誤差が生じてしまいます。そこで、太陽光を使って透過率を計算してみたのが、下のグラフです。確かに380nm~420nm付近では90%程度ブロック出来ていることがわかります。
(管理人の持っている機器では、このくらいまでが精一杯ですが、おそらく専用の光源と計測器で測定すれば、90%ブロック出来ていることが確認できるのだと思います。
管理人が分光測定に使っている計測器ですが、2016年1月にメーカーで校正をしてもらって、そこから1年以内に測定していますので、大きく外れてはいないと思います)

 

 一方、「380nm~500nmを何%カット」とか「450nm付近のカット率何%」といった説明をし、波長と透過率のグラフを示しているメーカーもあり、その考え方だと、上のフィルタは「あまりカットできていない ⇒ 効果がない」ことになります。

 「じゃあ、眼を保護するのにはどっちが優れているの?」となると、管理人が測定したデータの中に、それを説明できるようなものはありませんが、管理人なりに考えていることを、まとめ(1)以降 のページで述べています。

 

 

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