次に太陽光を測定したものです。
但し、太陽光は強すぎて直接は測定できませんし、「太陽を直接見つめる」ということはしませんので、ここでは、管理人が日中に外を歩いていて眩しいと感じた「道路上の白線の照り返し」を測定しています。
これが測定結果です。
眩しく感じた時の一例として、正午頃に測定したものですが、曇天時だとレベルが下がってくると思いますし、朝夕は赤い光が相対的に強くなっていると思います。
測定したのは9月の日中の晴天時ですが、太陽からもっと高い角度から照らされる夏至の頃の方が更に強いのかもしれません。
ブルーライトと呼ばれる380nm~500nmの光は、太陽光線の中にも含まれていますし、スマホ等で高い値が出ていると言われている450nm付近の光についてはスマホの10倍以上あり、正に「桁違い」で、「自分の眼で感じた感覚と合っているんだなぁ」と思いました。
iPadの分光放射輝度を見ていると青のピーク (450nm付近) が突出して見えるのですが、分光放射輝度というのは、そのときの測定値の最大値に合わせてスケーリングした「相対強度」で表されることが多いです。
分光特性を表すのであればそれで良いのですが、生体への影響について考慮するのであれば、分光特性の全体の形を見るだけではなく、縦軸の「絶対値」も意識して見比べる必要があると思います。
下の図は、「道路上の白線からの照り返し」の分光放射輝度(赤い線)と、iPad(明るさ設定最大)の分光放射輝度(緑の線)を、同一スケール上に重ねたものです。
ちなみにiPadの明るさは約340cd/m^2、道路の白線の明るさは約13,600cd/m^2あり、約40倍違うことになります。
450nm付近の「青のピーク」が「赤や緑のピーク」に比べて突出して見えたiPadの分光放射輝度ですが、「太陽光の照り返し」から出ているブルーライトに比べれば、「随分小さい」ことが判ります。
パソコン / スマホ / タブレットから出ているブルーライトが生体に影響を与えるのであれば、「太陽光の照り返しも生体に影響を与えているだろう」と思います。
太陽光からの照り返しを、スマホやPCのように「長時間見つめ続ける」ということはないのでしょうが、管理人のように外を歩いているときに「眩しい」と感じられる方は、眼を保護する意味でサングラスなどを装着することは意味のあることだと思います。
「スマホやPCから発せられるブルーライト」については気にしていても、太陽光起因のブルーライトについては気にしていないとしたら、バランスが取れていないように管理人には思えます。
ブルーライトによる影響を説明するWebサイトなどでは、こういった写真が使われています。
暗いところで見れば、確かにこのように見えますけど.....
屋外で見るとこんな感じです。
これは曇っているとき
これは、日が差したとき。
スマホの画面よりも、その後ろにある白い建物の方が明るく見えますよね?
皆さんも、屋外では「スマホの画面が、よく見えなくて.....」といった経験はあるのでは?と思います。
夜間、暗い部屋で長時間スマホやPCを使っていれば、「眠れなくなる」ことはあるのかもしれませんが、日中のスマホやPCからのブルーライトを気にされるようでしたら、太陽光の照り返しについても気にされては?と思います。
白い建物以外にも、視界に青空が入ってくることはあると思います。
でも、下の写真でどこが最もブルーライトが強いのかというと.....
これは、青く見える場所の分光輝度分布。
これは、白い雲部分の分光分布。
上のグラフと縦軸を合わせていますが、こちらのほうが多くのブルーライトが出ています。
これは、灰色っぽく見える雲部分の分光分布。これも縦軸をあわせています。
3つを重ねたものですが、青く見える空 (赤い線) よりも、白い雲 (緑の線) のほうが多くのブルーライトが出ています。「青い線」は、灰色っぽく見えた雲の部分です。
「白く見えるもの」にも「ブルーライト」は含まれていて、「青く見えるもの」よりも多くの「ブルーライト」を発している場合もあるので、青く見えなくても「眩しい」と感じる光には注意を払う必要があると考えます。
なお、冬場など太陽光が低い角度から照らされる場合、「道路上の白線の照り返し」よりも、垂直に立っている「建物の白い壁や看板、ガードレール」などのほうが眩しく感じられ、夏だけでなく冬でも注意が必要かと思います。