高齢者ドライバ- (4)

 高齢者ドライバーによる事故に関して、「アクセルとブレーキを踏み間違えた」ことが原因である場合もあるようです。またドライバーが「アクセルが戻らない」「車が止まらなくなった」と話している場合もあるようです。

 

 「アクセルとブレーキを踏み間違える」に関しては.....

 昔管理人が自動車学校に通っていた頃、「アクセルペダルの位置にタイヤがある」と習った記憶があります。教習車は初代の「TOYOTA クレスタ」でした。教習所では「大きな車」で練習しますからね。
 一方、最近の「コンパクトな車」や「車内を広く設計した車」の場合、「従来のアクセルペダルの位置」と「右前輪をカバーする部分」が重なってしまうので、べダル全体を「左側」に詰めることになり、慌てたときに「ブレーキペダル」を踏むつもりが「アクセルベダル」を踏んでしまうこともありえるとか.....
 「逆のケース」では、普段軽自動車を運転している人が、高齢者講習のときに教習所で一般的な車を運転しようとすると、アクセルを踏んでいるつもりでブレーキを踏んでしまうこともあるようです。
 「右足を真っ直ぐ前に伸ばした場所に、ブレーキペダルがある」というのが、「暴走事故を起こしにくい」という意味で理想なのかもしれません。

 ものすごく雑で、リアリティの無い図ですが、ま、こんな感じですかね.....
 (最近は、実家の車以外は運転したことがないので、これはあくまで「想像図」です。)

 

 いつも運転している車とペダルの位置が違っている車を運転していると、そういうことが起きる場合があるのかもしれませんが、管理人の場合、実家にある乗用車を運転するだけで、他の車を運転することはないので、これは起きにくいかなと..... (「車検」のときも「代車」は借りませんでした。慣れない車を運転するのは「コワイ」ので)

 でも「アクセルペダル」や「ブレーキペダル」の位置が「車によって微妙に違う」というのは、「人間と機械を繋ぐインターフェース」として、「改善の余地が全くないわけでもない」ように思います。
 「アクセルペダル」や「ブレーキペダル」を踏むとき、その度に下を見て、ペダルの位置を確認する人は、おそらくいないでしょうし、前方から目を離したら、それはそれで「アブナイ」です。
 「どの車を運転するときにも、同じ位置にペダルがあったほうが、より良いのではないか」と思うのは、管理人だけでしょうか?
 そうは云っても、今更全ての車で「アクセルペダルの位置にタイヤがある」ようにするのも無理な話ですから、「いつもと違う車に乗るときは、いつも以上に慎重な運転を心掛ける」のが現実的な対応方法なのかもしれません。

 

 云うまでもないことかと思いますが、管理人は「事故を起こしてしまった高齢者ドライバーを擁護しよう」とか、「論点をすりかえよう」という意図はありません。
 自分がそういった事故を起こしてしまう可能性を少しでも減らすために「どういった点に気をつけたらいいのか」を考えているだけです。

 

 

 

 「アクセルが戻らない」「車が止まらなくなった」に関しては.....

 これが本当に起こらないのか?について、自動車の開発に携わったことのない管理人には「???」です。
 でも、管理人が知る限り、最近の車では、アクセルペダルとスロットルが機械的に直結しているのではなく、「アクセルを踏み込んだ角度を検出して、それに見合った分、スロットルを開ける」というような動作をコンピューターを介して行っているようです。
 そういう仕組みだからこそ、車の前後に付けたセンサーなどと組み合わせて「誤発進抑制機能」なんてのが出来るのだと思います。

 でもパソコンでも、時々おかしくなって、「再起動すると直る」ことがあります。
 自動車に組み込まれたコンピューターでも「万が一」、いやいやいや、世界中を走る車の数を考えたら「兆が一」「京が一」の確率で誤作動が起きるかもしれません。
 但し、自動車に組み込まれたコンピューターの誤作動は「致命的問題」になる場合もありますから、「ウォッチドックタイマー」的なものがあって、おかしくなったことを検知すると直ぐに「強制的に再起動」するとか、スロットル全開になるような「致命的不具合」を食い止めるよう、「フェールセーフ」「オーバーライド」のような機能が組み込まれているのでは?と推測します。
 メーカーや専門家は、そこまで把握しているので、「クルマ起因の暴走は起き得ない」と確信しているのだろうと思います。

 

 

 

 とある事故に関しては、「事故を起こしたドライバーが足を痛めていた」という報道もありました。
 足を「どう痛めていたのか」は判りませんけど、これを聞いて思ったのは、例えば右足が痙攣を起こして「アクセルを踏み込んだ状態」から右足を動かせなくなり、「アクセルが戻らない」というより「アクセルを戻せない」ということが起こり得るのかもしれません。
 足の具合によっては、「歩行することが困難だから、自動車を運転する」というのは「更に危険なコト」であって、「車を運転してはいけない」場合もあるのでは?と思います。 

 管理人も加齢により、「脊柱間狭窄症?」による症状が現れ始めているようで、冬場には「右足と左足で、違う靴下を履いている」ように感じることがあります。
 もっと具体的に表現すると、左足は「サランラップを巻いた上に、靴下を履いている」あるいは「スポンジで出来た靴下を履いている」ような感じですかね?
 寒くなると、血管が収縮することで血流が流れにくくなり、感覚が鈍くなっているのでしょう。

 医師からは「ひどくなってくると、歩く際、ちょっとした段差でも転ぶことがあるので気をつけるように」と言われていますが、右足にも同様なことが起き、それが深刻化すると、「アクセルペダルに足を乗せているだけなのか」「ちょっと踏んでいるだけなのか」「深く踏み込んでいるのか」が、足の感覚では判らなくなるのかもしれません。
 そう感じ始めた時には「免許返上か?」と考えていて、最近は「脊柱管狭窄症を自力で治す」といったムックを読んだりもしています。

 

 

 

 さて、原因が「 運転ミス / 誤動作 / 痙攣 」のいずれであれ 、もしも運転中に「エンジンの回転数が上がったままで車が止まらない!?」が起きた場合には、一刻も早く、
  1) ギヤを「N / ニュートラル」にする (急な下り坂なら、「2」か「L」のほうが適切かもしれません)
  2) サイドブレーキを掛ける
 それでもダメなら、
  3) エンジンを切る
    (但し「LOCK」までは戻さず「1つ戻すだけ」です。「LOCK」まで戻すとハンドルが廻せなくなります。)

 

 これらは「何もしない」よりは良く、「猛スピードで走り続ける」ことは避けられるような気がします。
 「ブレーキペダル」以外にも、緊急対応として車を減速させる方法はあるわけですよ。

 

 「突然大地震が来たとき、どうするか」を事前に考えておくのと同様、「突然車が止まらなくなった!?」場合に備え、「ココロの準備」として 1) 2) 3) を常に心掛けていれば、「どうしよう!、どうしよう!?、あ~~っ!!」とパニックにならず、事故の被害を少しでも減らすことが出来る場合もあるのではないかと思います。
 「ノープラン」よりは、良いのではないかと.....

 「咄嗟にそんなこと出来ない、3つも覚えておくなんて無理」と思うようになってきたら、これも「免許返上」のタイミングなのかもしれません。
 車を運転中に「車あるいは自分」に何か具合の悪いことが起きたとき、周囲に及ぼす被害を可能な限り減らそうとするのもドライバーの責任かと思います。

 

 

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 「アクセルが戻らない」に関しては、アメリカで「LEXUS」を運転中に「アクセルペダル」が「フロアマット」が引っかかって.....といった事故があったように記憶しています。
 そういった事故を起こさないためにも、「フロアマット」を所定の位置でちゃんと引っ掛けておくことは重要です。

 

 

 そうすれば、運転中にフロアマットが思いもしない場所に動いてしまうことは避けられると思います。

 

 フロアマットについては「純正品」あるいは「互換性のあるもの」を使わないと、「ちゃんと引っ掛けることが出来ない」かもしれませんよ。

 

 

 あとは、運転席側のペダル付近には、何も置かないこと。
 管理人は、コンビニで買ったものを助手席側の床に置くことはありますが、運転席側の床には絶対に置きません。
 運転中に移動して、例えば「ブレーキペダル」を踏み込めなくなる可能性もありますからね。

 

 

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 警察庁Webサイト内にある、H30.2.15に警察庁交通局が出した「平成29年における交通死亡事故の特徴等について」というデータに拠れば、「交通戦争」という言葉もあった昭和45年 (1970年) の交通事故死者数は16,765人、平成29年 (2017年) のそれは3,694人で大きく減ってきており、平成29年 (2017年) 時点での交通事故による死者は「約10人/日」と考えられます。

 しかしながら、TVのニュースやワイドショーなどで「約10人/日」の交通事故死者が同様に報道されているのかというと、そうではなくて、高齢者ドライバーが起こした事故が大きく取り上げられ、同じ事故の映像が何度も何度も流されているような気がします。
 その間にも「約10人/日」の方が、交通事故で命を落とされていると思うのですが.....
 TVのニュースやワイドショー等が云う、「高齢者ドライバーの事故が止まりません」というのは「事実」ですが、「高齢者じゃないドライバーの事故も止まっていない」というのも「事実」かと思います。

 更に最近では、死亡事故ではない高齢者ドライバーによる事故もクローズアップされ、「また高齢者ドライバーの.....」「止まらない高齢者ドライバーの.....」「繰り返される高齢者ドライバーの.....」と報道されています。
 う~む、「高齢者じゃないドライバーの事故だって止まっていないはず」なのに.....

 TVでは表を用意して「高齢者ドライバーが起こした事故が、過去にもこんなに.....」と訴える場合もありますが、「交通事故によって、約10人/日 の方が命を落とされている」と認識している管理人は、日々伝えられるTVなどの報道は偏っていて、国民全体に「事故を起こすのは、殆どが高齢者ドライバー」と思わせようと、一生懸命に誘導しているようにすら感じます。

 

 また、ワイドショーなどのメディアで「高齢者ドライバーの運転による事故」について「危険運転」「殺人と同じ」とも云われることがあり、「飲酒運転による事故」や「あおり運転による事故」「ポケモン GO! などを操作しながらの運転による事故」と同様なものとして扱われているように思え、管理人はちょっと違和感を感じます。  

 但し、「高齢者ドライバー」の運転により亡くなられた方の親族や関係者から、「危険運転」「殺人と同じ」といった言葉が出たとしても、その心情は十分に理解できますし、もし管理人に同じことが起きたら、そういった言葉を発するかもしれません。

 近い将来には、「公共交通機関が乏しいので、運転には若干の不安を感じ始めているものの、近所のスーパーや病院まで止むを得ず運転を続けている」ような「高齢者ドライバー」に対しても、「それ、危険運転でしょ!」という考え方が当たり前になり、「高齢者ドライバーが起こした死亡事故に対する厳罰化」が世論の大半になっていくのかもしれません。
 そうなっていく前に、「田舎で運転ができなくなっても、生きて行くのに困らない社会」に変わってほしいです。

 

 

 繰り返しますが、管理人は「事故を起こしてしまった高齢者ドライバーを擁護しよう」とか、「論点をすりかえよう」という意図は、全くありません。

 

 

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