CDP-101

 1982年10月にSONYから発売されたCDプレーヤー、「CDP-101」です。

 

 本サイトの「ちょっと前の機器」のコーナーですが、「CDが登場した頃から、'00年代までのもの」と言っていますので、「いつかは、本機を載せたい」と思っていましたが、2022年8月頃、当時の1/3くらいの価格で「メンテナンス済品」を入手することが出来ました。

 SONYの「CDプレーヤー 1号機」かと思いますが、「世界初」でもあったか?と思います。
 CDが登場したときのことを覚えている方で、このプレーヤーを覚えていない方はいらっしゃらないのではないでしょうかね?
 ちなみに今年 (2022年) の10月で、登場から40年になります。

 

 

 この頃から1983年に掛けて、各メーカーから「CDプレーヤーの1号機」が発売されましたが、多くの機種は

  1) カセットデッキのように蓋が手前下方に開いて、上からCDを入れる
     >> この方式は、「垂直ローディング」とか「縦型ローディング」と呼ばれていたようです。

  2) あるいは、レコードプレーヤーのように、蓋を上方に上げてCDをセットする
     >> こっちは、「トップローディング」とも呼ばれていたようです。

 ようなものが多かったのですが、このプレーヤーは現在の製品と比べても「古臭さ」を感じさせませんし、本機の形状が、その後の「CDプレーヤーのカタチ」を決定付けただけでなく、既に登場していた「レコードプレーヤーのように蓋を上に開けて円盤をセットしていた、レーザーディスクプレーヤー」にも影響を与え、’90年代後半に登場する「CDと同じ直径12cmの円盤を扱う、DVDプレーヤー」もそれを倣ったような気がしていて、アナログレコードより後の「円盤を演奏する」様々な機器のお手本になっているように思います。

 なお、本機発売の1年くらい前の SONY の試作機は、カセットデッキのように「蓋が前面下方に開いて上からCDを入れる」ようなもので、製品全体は「サイコロ」のような形状で、他のコンポーネントオーディオ機器と並べるには違和感があり、オーディオファンからは「ゴロンタ」というニックネームが付けられていたようです。
 そうは云っても、CDのオリジネーターのひとつだった SONY の試作機だったので、多くのメーカーがそれに倣って開発を進めていた1年後に、「ゴロンタ」とは全く外観が違う本機が発表されたとき、他社には「やられた!」「騙された!」「ずるいっ!」と思ったエンジニア / デザイナーは、少なくなかったかもしれません。

 もう一方のオリジネータであった Philips は、レコードプレーヤーのように蓋を上方に上げてCDをセットする試作機を発表し、1号機の「CD100」でもそういった形状だったようですし、Marantz からも「CD100 とそっくり」の「CD-63 / CD-63B」が発売されていたようです。
 その後の SONY の CDプレーヤーを見ても「レコードプレーヤーのように、上面からCDをセットする」ものはありましたが、「カセットデッキのように蓋が手前下方に開いて上からCDを入れる」ようなものはなかったような気がしていて、「ゴロンタ」って「罪な試作機だった?」ように管理人は思っています (笑) 。

 「ゴロンタ」っていうニックネームですが、SONY の試作機が発表される数年前にNHKで放映されていた、「おかあさんといっしょ」の1コーナーだった「ゴロンタ劇場」に出演していた、着ぐるみのひとつ「ゴロンタ」から来ているのかしらん?

 

 

 なお当時は「トレー式」ではなく、「LINEAR SKATE DISC LOADING」と呼ばれ.....

 

 ここは鏡面仕上げ。

 

 「CDP-101」よりも数年前に発売されたSONYの高級カセットデッキ「TC-K88」の「リニアスケーティング」に倣ったのかもしれません。
 トレーの前面上に「OPEN / CLOSE」のボタンがあるのも「TC-K88」と共通していますが、現在は前後に動くトレー上ではなく、フロントパネル上でトレーの右横あたりに配置されているものが多いですよね。
 そこに配置されていれば、「トレーが出てくるとき」と「トレーが引っ込むとき」の操作感が変わらないんです。

 なお、「CDP-101」のこのボタンを押してトレーが動くときの音が、思いのほか大きく、「ええっ?」って感じるのですが「CDプレーヤー 1号機」ですからね。
 外観を見ると「現行の製品?」かと錯覚して操作するので違和感があるわけで、実は「40年前の製品」なんです。

 

 

 当時の製品のトレーは、今の製品と比べると分厚かったですよね。

 

 今は「高級CD/SACDプレーヤー」のトレーでも薄いものが多いのですが、「分厚いトレーを配置するスペースが無い」という訳ではないでしょうから、小さくなってしまったオーディオ市場の為だけに分厚いものを作るのは物凄く高コストになってしまい、パソコン用のドライブと部品を共通化しているのかしらん?
 それともパソコン用とは全く別物でも、薄いほうがスタイリッシュに見えるから?

 あと、デスクトップPCに付くCDやDVD用のドライブも、かつては分厚かったですが、今は薄くなっていますしね。
 デスクトップPCよりもノートPCの方が販売量が多いに決まってますから。

 

 

 トレーには「 It’s a Sony 」のシールが貼られています。

 

 管理人の記憶では、「もうちょっと、濃い赤」だったようにも思うのですが、これがオリジナルの色なのか、色褪せたのかは判りません。

 

 

 この「DIGITAL」の表示も懐かしく、管理人が知る限りは、「CDP-101」よりちょっと前に発売された「PCMデジタルプロセッサー / PCM-F1」が発売された頃から使われるようになったようです。

 

 「PCMデジタルプロセッサー」というのは、「ビデオデッキ」と組み合わせることで、アナログ音声をビデオデッキにデジタル録音することが出来たものです。
 SONYだと「PCM-1」が1号機だったかと思いますが、「PCM-F1」では、ビデオデッキ「SL-F1」と組み合わせた「バッテリー駆動」が出来たようですので、屋外でのライブ録音などに使われたようですが、本体だけで両方で「\450,000」程度、重量は「8.2kg」するもので、屋外で使おうとすれば、バッテリーなどのいくつかのオプションが必要だったようです。
 「デンスケ」のデジタル版とも言えそうですが、1980年代後半にSONYから可搬型のDATデッキ「TCD-D10 / \250,000」が登場、重量は約1.85kgで、これが「デジタル・デンスケ」と呼ばれるようになったようです。

 

 

 ヘッドホンにも「for DIGITAL」のロゴが入ったものがありました。

 

 スピーカーにもあったのでしょうけど、管理人は実機を持っていませんので.....

 

 

 本機には「STOP」と表示されたボタンがなく、「RESET」を押すと止まります。

 

 またDISCが入っていないときにも「1」と表示されますが.....

 

 DISCが入っていると「DISC SET」の上部に、赤く「DISC」と表示されます。

 

 「7セグメント」の表示ですので、イマの製品みたいに「NO DISC」なんて表示は出来ないんですよ。
 でも、アルファベットの「A b C d E F」までは表示できますので、16進法を表すには十分でした。
 このあたりは「時代」を感じますよね.....

 

 

 

 早送りのスピードは前後方向に「2段階」あり、押すとそれぞれ「キュルキュル」します。

 

 このあたりは、今時のプレーヤーとはちょっと違っていて、操作性をどうするのか、各社が「手探り状態」だったと思いますが、本機は現在の製品と比べても違和感が少ないように感じます。

 

 

 本機はリモコン操作も出来、ワイヤレスリモコンは「オプション」 (RM-101) で、¥10,000 しましたが、最近のリモコンでも、一部の動作は出来ます。

 

 

 このリモコンの場合、「10キー操作」が出来ませんが、「PLAY」「STOP」「次の曲」「前の曲」は出来ます。

 

 「CDP-101」の純正ワイヤレスリモコン「RM-101」は、オークションでも見つけることが出来ますが、「当時の価格 (\10,000) より高い」ですよ.....

 

 

 さて、管理人が持っているカタログに掲載されている「CDP-101」のリモコン受光部には、「R」の表示がありません。

 それ以外にもビミョーな違いがあり、少なくとも3つのバリエーションがあったように思います。

 管理人が持っている1982年9月の「CDP-101」単品カタログでは
  リモコン受光部に「R」の表示なし。
  「BACKWARD - AUTOMATIC MUSIC SENSOR - FORWARD」の箇所は「青地に銀文字」。
  「DISC SET」の上は「赤くて丸い」ランプ。
  ディスプレイ部の文字が、かなり青っぽい。

 「CDP-701ES」と一緒に掲載された1983年3月のカタログ上の「CDP-101」は
   リモコン受光部に「R」の表示なし。
  「BACKWARD - AUTOMATIC MUSIC SENSOR - FORWARD」の箇所は「青地に銀文字」。
  「DISC SET」の上は、赤い「DISC」の表示。
  ディスプレイ部の文字が、やや青っぽい。

 今回管理人が入手した個体は
   リモコン受光部に「R」の表示。
  「BACKWARD - AUTOMATIC MUSIC SENSOR - FORWARD」の箇所は「グレー地に銀文字」。
  「DISC SET」の上は、赤い「DISC」の表示。
  ディスプレイ部の文字は、ほぼ白。

 

 おそらく、上記の順に変更されていったのでは?と思うのですが、この個体に付いている電源コードには「1982」の表示がありますので、発売から間もない時期に何度か変更されていったのですかね?

 

 

 これが「Serial No.」で、管理人には製造時期の特定は出来ませんが、SONYに勤めていた方なら判るカモ?

 

 

 

 「1号機」ですから、背面にデジタル音声出力はありませんが、高級な「D/Aコンバーター」と組み合わせてアップグレードするのではなく、40年前に発売された「SONYのCDプレーヤー1号機」の音を、今でも聴けることに意味があるんですよ。

 

 「シンクロ出力」というのは本機の演奏の「START / STOP」と、カセットデッキの録音の「START / STOP」のタイミングを合わせるもので、当時はシンクロリモコンユニット「RM-65」が発売されていました。

 

 

 一方、こちらの「アクセサリーコネクター」ですが、「CDP-101」の単品カタログを見ても記載されておらず、何を繋ぐのかよく判りません。

 

 SONY の CDプレーヤー第一号機「CDP-101」発売開始時には、「将来に備えた何か」が計画されていたのかもしれませんが、取説を入手できれば判るかもしれません。

 

 

 「トランス部?」がはみ出しているのも、他のSONY製品 (「CDP-555ESD」など) にあったように思います。

 

 

 

 横幅は355mmで、本格コンポーネントと並べると幅が揃いませんが、「CDプレーヤー・ウッドケース / TAC-101」という木枠のキャビネット (¥16,500) がオプションで用意されていて、これに収めると横幅が430mmになったようです。
 左右に空間が生じるわけですが、右側の空間は蓋が開けられるようで、中にリモコンが収納可能だそうです。

 

 おそらく、この「1号機」で「ミニコンポ」にも「本格オーディオ」にも使えるようにする意図だったのかと思います。
 その後登場した「2号機?」の「CDP-701ES」は、横幅が430mmあり、「CDP-101」と「CDP-701ES」の両方が載ったカタログ上では「CDP-101」では「Liberty CD」というミニコンポと組み合わせた例を、「CDP-701ES」では「ES・CD」「ESPRIT・CD」という高級機と組み合わせた例が載っています。
 「CDP-701ES」も、ワイヤレスリモコンは「オプション」 (RM-101) でした。
 「CDP-101」の「101」とは、二進法による「101」で、十進法で表すと「5」ということで、SONYで云えば「7シリーズ」と「3シリーズ」の中間の「ミドルクラス」という意味合いもあったようです。

 ちなみに機種名「CDP-101」の「101」は、「いち ぜろ いち」と読むのが正しいようですが、管理人はこの個体を入手するまで「いち まる いち」と読んでいて、本ページを作成する中で、自分の記憶していることが正しいかどうか確認するために、いくつかのWebサイトを閲覧していて、そこで実は「いち ぜろ いち」であることを知りました。
 なんで「いち まる いち」と読んでいたのか?というと、本機が発売されるもっと前にNHKで「ステージ101」という音楽番組があって、そこでは「いち まる いち」と呼ばれていたからだろうと思います。
 管理人の場合は「101」を見ると、「いち ぜろ いち」でも「ひゃく いち」でもなく「いち まる いち」と読んでしまうんですよ。
 アパートやホテルの部屋でも「101」号室は、「いちまるいち」号室でしょ?

 

 

 本機の上面にはスリットがあり、背面には放熱フィンがあります。
 放熱フィンは、この写真上の左上から右下に指を滑らすと「ちょっと」鳴りますけど、イマの製品だったら鳴り難い様、部材を追加するところかもしれません。

 

 CDプレーヤー「1号機」の発熱は、結構あったのかもしれませんが、本機が登場するもっと前には、机上にCDプレーヤーの試作機が置かれてデモされていたものの、実はプレーヤーが置かれた机の中に多くの基板が隠れていて..... なんて話も聞いたことがあります。
 あ、この頃は「CD」とは呼ばれず、「DAD / Digital Audio Disc」と呼ばれていたのかもしれません。

 

 発売当時、家電量販店 (おそらく、名古屋市中区矢場町にあった「カトー無線」?) で、このプレーヤーの音を聞いたことがあり、演奏されていたのは「サードワールド」のアルバム「ラヴ・アイランド / (原題 YOU ' VE GOT THE POWER) 」の1曲目に収録されていた「ラブ・アイランド / (原題 TRY JAH LOVE) 」だったように記憶しています。
 なお、このアルバムの1曲目と3曲目には、プロデューサーとして「スティービー・ワンダー」氏も参画していました。

 LPレコードのように「プツプツ」といった「スクラッチ・ノイズ」が全く無い状態から大音量が出てくるのは、管理人にとっては「驚異的」な変化でしたが、CDのタイトルがまだそんなに多くはない頃だったので、まずはMICROのレコードプレーヤーを購入したんです。
 「CDP-101」の価格は「\168,000」で、これなら「高級なレコードプレーヤー」が購入できましたからね。
 出たばかりの「CD / CDプレーヤー」は「レコードとはケタ違いの、別世界のモノ」のようなイメージでしたが、今では、CDの「PCM 16bit / 44.1kHz」よりも、アナログレコードの方が「滑らかで高音質」なんて考える方もいらっしゃるようです。

 

 ちなみに管理人が最初に買ったCDプレーヤーは、就職してからダイエーで購入した「Lo-D」の「DAD-450」で、リモコン対応していませんでしたが、これを購入した頃 (1985年秋頃) は、この先LPレコードやカセットテープの市場が「今日のように小さくなってしまう」なんて思ってもいませんでした。

 フルサイズ (幅435mm) あった「Lo-D」の「DAD-450」は、定価「¥59,800」で、重量が4.3kg、消費電力が9Wでしたが、SONYの「CDP-101」は、定価が「¥168,000」で、重量が7.6kg、消費電力は23Wあったようで、「CDP-101」は「ミニコンポ」サイズですが「ずっしり」と重かったんです。

 「Lo-D」 の CDプレーヤー1号機は「DAD-1000」で、「カセットデッキのように蓋が手前下方に開いて「上からCDを入れる」スタイルで横幅は320mm、これも他のコンポーネントと並べると違和感のある「サイコロ」のような外観で「¥189,000」していました。

 その後はトレー式になり、一般的なコンポーネントと同じ横幅435mmになった「DAD-800 / ¥159,000」→
「DAD-600 / ¥120,000」→「DAD-450 / ¥59,800」と低価格化が進んで、就職したばっかの管理人にも、なんとか手が届くようになりました。
 実売価格は「¥50,000」を切っていたように記憶していますが、「¥50,000」未満となると、管理人にとっては「身近になった」気がしたものです。

 管理人が初めて購入した「DAD-450」ですが、2機種目を購入後に実家に置くようにしたのですが、「壊れた?」のでしょうかね、いつの間にか無くなっていました (笑) 。

 

 

 さて、肝心の「CDP-101」の音質ですが、そりゃぁ「1号機」で「デジタルフィルター」もありませんから、一般的によく言われる「硬い音」かと思われ、現在のプレーヤーの音には全く敵わないかと思いますが.....

 安心して下さい!  ( 何が????? )

 耳の肥えていない管理人が聴く限り、全く問題ありません (笑) 。

 本機は管理人にとって「最も記憶に残っているCDプレーヤー」ですから、「管理人が学校に通っていた頃に憧れていた製品が手元にあって、その音がいつでも聴ける」というだけで、「シアワセ」なんですよ。

 

 

 

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