1982年10月にSONYから発売されたCDプレーヤー、「CDP-101」です。
本サイトの「ちょっと前の機器」のコーナーですが、「CDが登場した頃から、'00年代までのもの」と言っていますので、「いつかは、本機を載せたい」と思っていましたが、2022年8月頃に、発売当時の1/3くらいの価格で「メンテナンス済品」を入手することが出来ました。
SONYの「CDプレーヤー 1号機」かと思いますが、「世界初のひとつ?」かと思われ、日立製作所と日本コロムビアで共同開発されたCDプレーヤーも、同じ日にそれぞれのブランドで発売された (DAD-1000 / Lo-D、DCD-2000 /DENON ) と思いますが、当時の日本コロムビアは、日立グループの1社だったかと思います。
CDが登場したときのことを覚えている方で、このプレーヤーを覚えていない方はいらっしゃらないのではないでしょうかね?
ちなみに2022年の10月で、登場から40年になりました。
この頃から翌年の1983年始めに掛けて、各オーディオ機器メーカーから「CDプレーヤーの1号機」が発売されましたが、多くの機種は、
1) カセットデッキのように蓋が手前下方に開いて、出て来たスロットにCDを縦にして入れる
>> この方式は、「垂直ローディング」とか「縦型ローディング」と呼ばれていたようです。
2) あるいは、レコードプレーヤーのように、蓋を上方に上げてCDを水平にセットする
>> こっちは、「トップローディング」とも呼ばれていたようです。
ようなものが多かったのですが、このプレーヤーは現在の製品と比べても「古臭さ」を感じさせませんし、本機の形状が、その後の「CDプレーヤーのカタチ」を決定付けただけでなく、既に登場していた「レコードプレーヤーのように蓋を上に開けて円盤をセットしていた、レーザーディスクプレーヤー」にも影響を与え、’90年代後半に登場する「CDと同じ直径12cmの円盤を扱う、DVDプレーヤー」もそれを倣ったような気がしていて、アナログレコードより後の「円盤を演奏する」様々な機器のお手本になっているように思います。
なお、本機が発売される1年くらい前の SONY の試作機は、カセットデッキのように「蓋が前面下方に開いて、出て来たスロットにCDを縦にして入れる」ようなもので、製品全体は「サイコロ」のような形状で、他のコンポーネントオーディオ機器と並べるには違和感があり、オーディオファンからは「ゴロンタ」というニックネームが付けられていたようです。
そうは云っても、CDのオリジネーターのひとつだった SONY の試作機だったので、多くのメーカーがそれに倣って開発を進めていた1年後に、「ゴロンタ」とは全く外観が違う本機が発表されたとき、他社には「やられた!」「騙された!」「ずるいっ!」「もぉぉ~っ、何だったんだよ? あの試作機は!」なんて思ったエンジニア / デザイナーがいたのかもしれません。
もう一方のオリジネータであった Philips は、レコードプレーヤーのように蓋を上方に上げてCDを水平にセットする試作機を発表し、1号機の「CD100」でもそういった形状だったようですし、Marantz
からも「CD100 とそっくり」の「CD-63 / CD-63B」が発売されていたようです。
その後の SONY の CDプレーヤーを見ても「レコードプレーヤーのように、上面からCDを水平にセットする」ものはありましたが、「カセットデッキのように蓋が手前下方に開いて、出て来たスロットにCDを縦にして入れる」ようなものはなかったような気がしています。
「ゴロンタ」なんて云われ急遽考え直したのか、他社を出し抜くための「フェイク」だったのかは判りませんけど、「ゴロンタ」って「罪な試作機だった?」ように管理人は思っています (笑) 。
「ゴロンタ」っていうニックネームですが、SONY の試作機が発表される数年前にNHKで放映されていた、「おかあさんといっしょ」の1コーナーだった「ゴロンタ劇場」に出演していた、着ぐるみのひとつ「ゴロンタ」から来ているのかしらん?
なお当時は「トレー式」ではなく、「LINEAR SKATE DISC LOADING」と呼ばれ.....
ここは鏡面仕上げ。
「CDP-101」よりも数年前に発売されたSONYの高級カセットデッキ「TC-K88」の「リニアスケーティング」に倣ったのかもしれません。
トレーの前面上に「OPEN / CLOSE」のボタンがあるのも「TC-K88」と共通していますが、現在は前後に動くトレー上ではなく、フロントパネル上でトレーの右横あたりに配置されているものが多いですよね。
そこに配置されていれば、「トレーが出てくるとき」と「トレーが引っ込むとき」の操作感が変わらないんです。
なお、「CDP-101」の「OPEN / CLOSE」のボタンを押してトレーが動くときの音が、思いのほか大きく、「ええっ?」って感じるのですが「CDプレーヤー
1号機」ですからね。
外観を見ると「最近の製品?」かと錯覚して操作するので違和感があるわけで、実は「40年前の製品」なんです。
当時の製品のトレーは、今の製品と比べると分厚かったですよね。
今は「高級CD/SACDプレーヤー」のトレーでも薄いものが多いのですが、「分厚いトレーを配置するスペースが無い」という訳ではないでしょうから、小さくなってしまったオーディオ市場の為だけに分厚いものを作るのは物凄く高コストになってしまい、パソコン用のドライブと部品を共通化しているのかしらん?
それともパソコン用とは全く別物でも、薄いほうがスタイリッシュに見えるから?
あと、デスクトップPCに付くCDやDVD用のドライブも、かつては分厚かったですが、今は薄くなっていますしね。
デスクトップPCよりもノートPCの方が販売量が多いに決まってますから。
CDが登場した時には、直径8センチの「CD SINGLE」は、世の中に存在していなかったので、対応していないのですが.....
こういったアダプターを使えば演奏できます。
Wikipedia先生に拠れば、直径8センチの「CD SINGLE」というのは1988年に登場したものとのこと。
それ以降に発売されたCDプレーヤーであれば、「CD SINGLE」をセットできるような窪みが設けられていると思いますが、2000年前後から「CD
SINGLE」が、通常のCDと同じく直径12センチの「マキシシングル」に置き換わっていきました。
その結果「アダプターが必要となる状況」というのは、「1988年から2000年頃にかけて発売された直径8センチの CD SINGLE を、1988年以前に発売されたCDプレーヤーで聴く」といったケースに限られ、「アダプター」の需要が「ほぼ」無くなってしまったんですかね?
現在「CD SINGLE」用のアダプターは、かつて販売されていたモノの中古品を入手するしかないようです。
なお、「CDP-101」では、トレーを閉めてからディスクの読み込みが完了するまでの時間は、想像していたよりも短い気がしました。
管理人が普段使っている機器だと、セットしたディスクが「CD / DVD / ブルーレイ」のうちどれなのかを判別する必要があるので (もっと細かく言うと、「CD-R」とか「R/W」とか「2層」などなど)
、ディスクの読み込みに時間が掛かるのかと思います。
「CDP-101」発売時、12cmのディスクは「CD」しかないので、ディスクを判別する手間が要らないからなのでしょうかね。
トレーには「 It’s a Sony 」のシールが貼られています。
管理人の記憶では、「もうちょっと、濃い赤」だったようにも思うのですが、これがオリジナルの色なのか、色褪せたのかは判りません。
この「DIGITAL」の表示も懐かしく、管理人が知る限りは、「CDP-101」よりちょっと前に発売された「PCMデジタルプロセッサー / PCM-F1」が発売された頃から使われるようになったようです。
「PCMデジタルプロセッサー」というのは、「ビデオデッキ」と組み合わせることで、アナログ音声をビデオデッキにデジタル録音することが出来たものです。
SONYだと1970年代後半に発売された「PCM-1 / \480,000」が1号機だったかと思いますが、1980年代になってから発売された「PCM-F1」では、ビデオデッキ「ベータマックスF1
/ SL-F1」と組み合わせた「バッテリー駆動」が出来たようです。
屋外でのライブ録音などに使われたようで、カタログには「デジタルデンスケになる」と記載されていましたが、本体だけで両方で「\450,000」程度、重量は「8.2kg」あり、屋外で使おうとすれば、更にバッテリーなどいくつかのオプションが必要だったようです。
その後、1980年代後半にSONYから可搬型のDATデッキ「TCD-D10 / \250,000」が登場、重量は約1.85kgで、その後はこれが「デジタルデンスケ」と呼ばれるようになったようです。
ヘッドホンにも「for DIGITAL」のロゴが入ったものがありました。
スピーカーにもあったのでしょうけど、管理人は実機を持っていませんので.....
本機には「STOP」と表示されたボタンがなく、「RESET」を押すと止まります。
「RESET」と聞くと、「停止」というよりは「再起動」を連想しますけどね。
またDISCが入っていないときにも「1」と表示されますが.....
DISCが入っていると「DISC SET」の上部に、赤く「DISC」と表示されます。
「7セグメント」の表示ですので、イマの製品みたいに「NO DISC」なんて表示は出来ないんですよ。
でも、アルファベットの「A (または a)、b、C (または c)、d、E、F」までは表示できますので、16進法を表すには十分でした。
このあたりは「時代」を感じますよね.....
これは「14セグメント表示」ってやつでしょうか?
これは「ドットマトリクス」?
早送りのスピードは前後方向に「2段階」あり、押すとそれぞれ「キュルキュル」します。
このあたりは、今時のプレーヤーとはちょっと違っていて、操作性をどうするのか、各社が「手探り状態」だったと思いますが、本機は現在の製品と比べても違和感が少ないように感じます。
本機はリモコン操作も出来、ワイヤレスリモコンは「オプション」 (RM-101) で、¥10,000 しました。
リモコンからの信号を受信すると「RECEIVED」が点灯しますが、「CDP-101」が発売された1982年だったら、カセットデッキでもリモコンはオプションで、アンプやチューナーはまだリモコン操作できなかったように思い、「リモコン操作できること」が珍しかったのだと思います。
レコードプレーヤーで「リモコンで一発選曲 / かしこいプレーヤー」っていうのも「OTTO」から発売されていましたが (TP-L100D) 、音質重視機なら殆どが「マニュアル操作」で、「演奏終了時のオートリフトアップ」が付くくらいだったかと思います。
「CDP-101」が登場したとき、「\168,000」もする本機を購入した方々の多くは、おそらく「高級なレコードプレーヤー」も持っていたのでは?と思われます。
そういった方々にとっては、「リモコンが付いていなくても、不便さは感じなかったのでは?」と思いますし、各オーディオ機器メーカーのCDプレーヤー1号機の中では、「リモコンが付いておらず、オプション対応もしていない」機種の方が多かったように思います。
その後は「CDプレーヤーの低価格化」がどんどん進み、若年層を含む多くの方々がCDプレーヤーを使うようになると、据え置き型であれば低価格のものでもリモコンは付いていたようで、やはり本機は「見た目」だけでなく「操作性」においても、アナログレコードより後の「円盤を演奏する」様々な機器のお手本になっているように思います。
また、1980年代後半に登場した据え置き型の「DATデッキ」では、リモコン操作出来ることが「当たり前」になっていたように思います。
なお、「マニュアル操作が殆ど」だったレコードプレーヤーの音質重視機なら、「A面の1曲目から順番に聴き、A面の演奏が終了したら、ターンテーブルを止めレコード盤をひっくり返して、B面の1曲目から聴く」というのが一般的な聴き方というか「当たり前の聴き方」だったかと思いますが、CDになってからは「好きぢゃない曲を飛ばす」「アーティストの意図していない曲順に聴く」といったことが容易に出来るようになってしまいました。
CD登場時がきっかけになって、今日の「定額聴き放題」に至るまでに「アーティストへのリスペクト」「作品へのリスペクト」が徐々に減っていったのかもしれません。
でも最近では、かつてのような売り上げはありませんが、レコード盤を好む方もいらっしゃるようで、そこには「アーティストや作品へのリスペクト」の要素もあるのでしょうかね?
このリモコンを使った場合「10キーによる選曲」が出来ないようです (数字は出るのですが、そこに飛びません) 。
但し「PLAY」「STOP」「次の曲」「前の曲」は出来ますので、リモコン操作も「まあまあ」出来ます。
その後、純正ワイヤレスリモコン「RM-101」を入手しましたが、10キーの下に DIRECT MUSIC SELECT「START」という青いボタンがあり、10キーを押してからこれを押さないと選曲されませんが、操作性について当時はまだ手探り状態だったのでしょう。
当時、ワイヤレスリモコンは珍しかったのか、ボタンを押下している間はLEDが点灯します。
その後、DIRECT MUSIC SELECT「START」を押したときに発信される赤外線信号を、このリモコンの「決定」ボタンに学習させましたので、今ではこのリモコンでもストレスなく操作可能です。
さて、管理人が持っている個体には、リモコン受光部に「R」の表示がありますが、管理人が持っているカタログに掲載されている「CDP-101」のリモコン受光部には、「R」の表示がありません。
他にもビミョーな違いがあり、「CDP-101」には、少なくとも3つのバリエーションがあったように思います。
管理人が持っている1982年9月の「CDP-101」単品カタログでは
リモコン受光部に「R」の表示なし。
「BACKWARD - AUTOMATIC MUSIC SENSOR - FORWARD」の箇所は「青地に銀文字」。
「DISC SET」の上は「赤くて丸い」ランプ。
ディスプレイ部の文字が、かなり青っぽい。
「CDP-701ES」と一緒に掲載された1983年3月のカタログ上の「CDP-101」は
リモコン受光部に「R」の表示なし。
「BACKWARD - AUTOMATIC MUSIC SENSOR - FORWARD」の箇所は「青地に銀文字」。
「DISC SET」の上は、赤い「DISC」の表示。
ディスプレイ部の文字が、やや青っぽい。
今回管理人が入手した個体は
リモコン受光部に「R」の表示。
「BACKWARD - AUTOMATIC MUSIC SENSOR - FORWARD」の箇所は「グレー地に銀文字」。
「DISC SET」の上は、赤い「DISC」の表示。
ディスプレイ部の文字は、ほぼ白。
おそらく、上記の順に変更されていったのでは?と思うのですが、この個体に付いている電源コードには「1982」の表示がありますので、発売あるいは発表から間もない時期に何度か変更されていったのですかね?
これが「Serial No.」で、管理人には製造時期の特定は出来ませんが、SONYの製造現場にいらっしゃった方なら判るカモ?
まさかの「215,695」台目? そんなには売れてないと思うけど.....
いやいやいや、全世界ならそれくらい売れたカモ?
な~んて思っていましたが、管理人が持っている業務用のカセットデッキの「SRP-CT1」の Serial No.がこれ。
業務用機の「SRP-CT1」が20万台売れている筈ないですよね?「102台目」なら判ります。
これも管理人が所有しているカセットデッキ「TC-K8B」の「Serial No.」ですが、これも20万台売れている筈ありませんよね?
SONYの「Serial No.」は「200001番」からスタートするのかしらん?
とゆーことで、管理人の持っている「CDP-101」は、「15,695台目 の可能性が高い」と考えています。
「1号機」ですから、背面にデジタル音声出力はありませんが、高級な「D/Aコンバーター」と組み合わせてアップグレード出来ないなんて「野暮なコト」は考えず、40年前に発売された「SONYのCDプレーヤー1号機の音が、今でも聴ける」ことに意味があるんですよ。
「シンクロ出力」というのは本機の演奏の「START / STOP」と、カセットデッキの録音の「START / STOP」のタイミングを合わせるもので、当時はシンクロリモコンユニット「RM-65」が発売されていました。
一方、こちらの「アクセサリーコネクター」ですが、「CDP-101」の取説に拠れば、
「将来、コンパクトディスクプレーヤーを有効に利用するための機器を接続するための端子です。
接続するとき以外は絶対に、カバーをはずさないで下さい」
と記載されていますが、そういった機器は発売されなかったように思います。
「トランス部?」がはみ出しているのも、他のSONY製品 (「CDP-555ESD」など) にあったように思います。
横幅は355mmで、本格オーディオコンポーネントと並べると幅が揃いませんが、「CDプレーヤー・ウッドケース / TAC-101」という木枠のキャビネット (¥16,500) がオプションで用意されていて、これに収めると横幅が430mmになりました。
おそらく、この「1号機」で「ミニコンポ」にも「本格オーディオ」にも使えるようにする意図だったのかと思います。
その後登場した「2号機?」の「CDP-701ES」は、横幅が430mmあり、「CDP-101」と「CDP-701ES」の両方が載った1983年3月発行のカタログ上では「CDP-101」では「LibertyV1
CD」というミニコンポと組み合わせた例を、「CDP-701ES」では「ES・CD」「ESPRIT・CD」という高級機と組み合わせた例が載っています。
「CDP-701ES」も、ワイヤレスリモコンは「オプション」 (RM-101) でした。
2023年4月に、「CDプレーヤー・ウッドケース / TAC-101」を入手しました。
元々は「ミニコンポ」サイズのオーディオ機器だったのですが、ウッドケースに収納すると「ESシリーズの風格」のようなものをを感じちゃいます (管理人個人の感想ですよ)
。
左右に空間が生じるわけですが、右側の空間は蓋が開けられ.....
中にリモコンが収納可能です。
「脚」は、カセットデッキの「SRP-CT1」に追加したのと同じ、タカチ電機工業さんの「RS型化粧ゴム足 RS-60S」というもので、直径が60mmあり、Amazonさんで購入したものです。
今回は4個セットで「¥556」と若干お安くなりましたが、本体価格と同じくらいの送料が必要でした。
それでもコスパは良い方か?と管理人は思っています。
右下の脚の横に小さく写っているのが「ウッドケース / TAC-101」についていた脚です。
「SRP-CT1」とお揃いの脚です。
こちらが中古で入手した「CDP-101」の個体に付いている脚ですが、おそらく「オリジナルではなかろうか?」と思われます。
SONYのCDプレーヤーの場合、1980年代後半に発売されたものから、インシュレーターっぽい「直径の大きな脚」が付くようになったようです。
管理人が持っている「CDP-101」の個体は、ウッドケースを追加し、更にウッドケースの脚を交換することで、高級感がUPし、4~5年若返ったような気もしますが、これも管理人個人の感想です
(笑) 。
ウッドケースの重量が約5kgありますので、「CDP-101」の重量 (約7.5kg) と合わせ「12.5kg」にアップし、上級機の「CDP-701ES / ¥260,000 / 11.5kg」よりも重くなっちゃいましたが、「CDP-701ESよりも音質が良くなった」なんて思っちゃいません (笑) 。
ところで、SONYにおいて「ES」というのは、「Extreme high Standard」のことで、最初のシリーズは1960年代後半に販売されていたようで、「ES
SERIES」を紹介するカタログはありましたが、機種名においては「ES」とは名乗っていませんでした。
また1970年代半ばには「ES-II」シリーズが発売されていたようですが、こちらは機種名が「xxx - 8xxx」と8000番台になっていたようです。
1980年代になって発売された「CDプレーヤー:CDP-701ES」や「カセットデッキ:TC-K777ES」あたりから中高級機種の機種名の末尾に「ES」が付くようになり、更にはカセットテープにも「ES」が付いたものが登場 (「ES」の大安売り?) 、これなら、学生のお小遣いでも買えました。
ちなみに管理人が持っている「ES」の付くSONY製品は、このカセットテープだけです (汗);;。
「CDP-101」「CDP-701ES」ともにブラックでしたが、そのちょっと前に発売されていたカセットデッキの最高級機「TC-K777」はシルバーでしたので、SONYにおいては、CDプレーヤー登場を機に、中高級機種は「シルバー」から「ブラック」に変わったような気がします。
なお1983年8月発行のカタログでは、SONY製CDプレーヤーの3機種目?となるシルバーのフルサイズ機「CDP-111」が追加されました
1984年2月発行のカタログでは、「CDP-501ES」と、ミニコンポサイズのパーソナル機「CDP-11S」がラインナップに加わり、「CDP-11S」はブラックとシルバーが発売されていましたが、リモコン対応してなかったようです。
ミニコンポなら機器の近くで聴くので、「リモコンは不要」という考えだったのでしょうか?
ちなみに機種名「CDP-101」の「101」は、「いち ぜろ いち」と読むのが正しいようですが、管理人はこの個体を入手するまで「いち まる いち」と読んでいて、本ページを作成する中で、自分の記憶していることが正しいかどうか確認するために、いくつかのWebサイトを閲覧していて、そこで実は「いち ぜろ いち」であることを知りました。
「CDP-101」の「101」とは、二進法による「101」で、十進法で表すと「5」ということで、SONYで云えば「7シリーズ」と「3シリーズ」の中間の「ミドルクラス」という意味合いもあったようです。
「101」が二進法に拠る表記だとすれば、確かに「いち ぜろ いち」と読むのが妥当ですね。
管理人がなんで「いち まる いち」と読んでいたのか?というと、本機が発売されるもっと前にNHKで「ステージ101」という音楽番組があって、そこでは「いち
まる いち」と呼ばれていたからだろうと思います。
管理人の場合は「101」を見ると、「いち ぜろ いち」でも「ひゃく いち」でもなく「いち まる いち」と読んでしまうんですよ。
アパートやホテルの客室でも「101」号室は、「いちまるいち」号室でしょ?
本機の上面にはスリットがあり、背面には放熱フィンがあります。
放熱フィンは、この写真上の左上から右下に指を滑らすと「ちょっと」鳴りますけど、イマの製品だったら鳴り難い様、部材を追加するところかもしれません。
CDプレーヤー「1号機」の発熱は、結構あったのかもしれませんが、本機が登場するもっと前には、机上にCDプレーヤーの試作機が置かれてデモされていたものの、実はプレーヤーが置かれた机の中に多くの基板が隠れていて..... なんて話も聞いたことがあります。
あ、その頃は「CD / Compact Disc」とは呼ばれずに、「DAD / Digital Audio Disc」と呼ばれていたのかもしれません。
専用ウッドケース「TAC-101」でも、発熱は気になったようで、上部に通風孔がありました。
「CDP-101」の発売当時、家電量販店 (おそらく、名古屋市中区矢場町にあった「カトー無線」?) で、試聴させてもらったことがあり、演奏されていたのは「サードワールド」のアルバム「ラブ・アイランド
/ (原題 YOU ' VE GOT THE POWER) 」の1曲目に収録されていた「ラブ・アイランド / (原題 TRY JAH LOVE)
」だったように記憶しています。
なお、このアルバムの1曲目と3曲目には、プロデューサーとして「スティービー・ワンダー」氏も参画していました。
LPレコードのように「プツプツ」といった「スクラッチ・ノイズ」が全く無い状態から大音量が出てくるのは、管理人にとっては「驚異的」な変化でしたが、CDのタイトルがまだそんなに多くはない頃だったので、まずは
MICRO のレコードプレーヤーを購入したんです。
「CDP-101」の価格は「\168,000」で、これなら「高級なレコードプレーヤー」が購入できましたからね。
出たばかりの「CD / CDプレーヤー」は「レコードとはケタ違いの、別世界のモノ」のようなイメージでしたが、今では、CDの「PCM 16bit
/ 44.1kHz」よりも、アナログレコードの方が「滑らかで高音質」と考える方もいらっしゃるようです。
ちなみに管理人が最初に買ったCDプレーヤーは、就職してからダイエー (おそらく横浜戸塚店?) で購入した「Lo-D」の「DAD-450」で、リモコン対応していませんでしたが、これを購入した頃 (1985年秋頃) は、この先LPレコードやカセットテープの市場が「今日のように小さくなってしまう」なんて思ってもいませんでした。
フルサイズ (幅435mm) あった「Lo-D」の「DAD-450」は、定価「¥59,800」で、重量が4.3kg、消費電力が9Wでしたが、SONYの「CDP-101」は、定価が「¥168,000」で、重量が7.6kg、消費電力は23Wあったようで、「CDP-101」は「ミニコンポ」サイズですが「ずっしり」と重かったんです。
管理人が初めて購入した「DAD-450」ですが、2機種目を購入後に実家に置くようにしたのですが、「壊れた?」のでしょうかね、いつの間にか無くなっていました (笑) 。
ちなみに「Lo-D」 の CDプレーヤー1号機は「DAD-1000」で、「カセットデッキのように蓋が手前下方に開き、出て来たスロットにCDを縦にして入れる」スタイルで、横幅は320mm、「ゴロンタ」にインスパイアされた感じの「サイコロ」のような外観で、「¥189,000」していました。
他のコンポーネントと並べると違和感のある外観でしたが、「未来からやってきた全く新しいオーディオ機器」とアピールするつもりだったのかも.....
「ゴロンタにインスパイアされた?」なんて、ひどいことを言ってますが、かつてテレビの試作品の評価をする業務を行っていた管理人は、工場内の実験室で「Lo-D」 の「DAD-1000」を使っていたことがあり、これも思い出のある製品で、程度の良い動作品が安価に出品されていたら入手したいんです。
「CDP-101」を見た「Lo-D」のエンジニアやデザイナーが「やられた!」「騙された!」「ずるいっ!」「もぉぉ~っ、何だったんだよ? あの試作機は!」と思ったかどうかは判りませんが、その後はトレー式になり、一般的なコンポーネントと同じ横幅435mmになった「DAD-800 / ¥159,000」→「DAD-600 / ¥120,000」→「DAD-450 / ¥59,800」と低価格化が進んで、就職したばっかの管理人にも、なんとか手が届くようになりました。
「DAD-450」の実売価格は「¥50,000」を切っていたように記憶していますが、「¥50,000」未満となると、管理人にとっては「身近になった」気がしたものです。
あと「Lo-D の CDプレーヤ」で、忘れちゃいけないのが、1984年?に発売された「DAP-001 / プレーヤー部」と「HDA-001 / プロセッサ部」で構成されたセパレート型プレーヤー「DAD-001」で、受注生産で価格は¥600,000、「SONY」や「Accuphase」のセパレート型よりも先行した発売だったかと思いますが、管理人は「DAD-001」の音を聴く機会には恵まれませんでした。
CDプレーヤーが発売される前までは、「デジタルなんだから、どのプレーヤーでも同じ音が出るのでは?」なんて云われることもあったのですが、発売された製品で聴いてみると「あれ?同じぢゃないみたいだよ」ってなってきて、こういった製品も出てきたんですね。
¥600,000もするCDプレーヤーですが、カタログを見る限りリモコンは付いていないようです (笑) 。
この頃の Lo-D は、オーディオ機器にも本気?で取り組んでいたようで (本気ぢゃなかったら、まだどこのメーカーも発売していなかった¥600,000もする CD プレーヤーなんて開発しませんよ) 、Lo-D の「CDプレーヤー総合カタログ」には「音質は語る。CD は Lo-D」なんて、韻を踏んだようなキャッチコピーが記載されていて、CDの登場をきっかけにオーディオ市場で主導権を握ろうとしていたのかもしれません。
セパレート型のCDプレーヤーは、国内オーディオメーカーでは、SONY/ Accuphase / TEAC / Victor / DENON
/ Luxman / Technics などから発売されていたかと思いますが、第1号機は「Lo-D」だったんです。
1988年頃までに発売された Accupahse や SONY、Philips のセパレート型CDプレーヤーの1号機は¥600,000くらいしていて、やっぱり「Lo-D」のセパレート型CDプレーヤーの1号機「DAD-001」の影響を受けていたように思います。
但し、セパレート機でない¥600,000以上の機種は存在していて、そのひとつがSONYから発売されていた「CDP-5000S」で¥1,800,000
というものがありましたが、これは業務用途を想定したコンソール型の「CDP-5000」をベースにコンシューマー用に一部変更したもので、受注生産で注文から納品まで4ヶ月ほど。
1983年8月発行のカタログに拠れば、CDP-5000は FM東京 (現在の tokyofm) や CBS・ソニーなど、多くの放送局 / レコーディングスタジオ
に納入されていたようです。
もうひとつの「CDオリジネーター」であった Philips からも「LHH-2000」という「LHH-1000」とはまったく外観の異なる機種が¥1,600,000 で発売されていたようですが、これも業務用機だったようです。
「Power MOS-FET」とか、コンビネーション3ヘッドを自社開発したカセットデッキとかを含め、「Lo-D って、総合電機メーカーの総力を発揮して凄いコトやってたんだ」って思いますが、縮小してしまったオーディオ市場からは撤退してしまいましたね。