2000年頃に発売されたSONY製の24インチトリニトロン管カラーモニターです。もちろん管理人が新品を買える筈も無く、最近になって、中古品を発売時の1/10くらいの価格で入手したものです。
今の製品のように管面が黒くなく、画面もそんなに明るくはないので、明るい部屋で見ると「黒が浮いてコントラストの無い暗い画」に見えてしまいます。また
1080i までの対応なので、ニュース番組でテロップが出たシーンなどでは細い横線がチカチカしているのが判ります。
また、電源SWをオンしてから、「ちゃんとした映像」が出るまでに、30秒くらい要します。
しかしながら、部屋を暗くした状態でブルーレイソフトを見ると、今見ても綺麗な画だと思います。
「何かの装置で映している映像」を見ているのではなく、「実際にそこに人がいるのを、ガラス窓越しに見ている」かのような気がしてきますが、ちょっと褒めすぎ?
でも、そういった「レトリックな表現」だけではなく、何とか「見える化」出来ないか?と考えていて、「もしかしたら、理由のひとつがこれ?」と管理人が思ったのが、方形波に対する応答の差。
下の写真は、チェッカー状のパターンを作って、「BVM-D24E1WJ」の画面に映したものですが、プリシュートやオーバーシュートの少ない素直な応答のように思います。
黒の左右端の明るさが、やや上がっていますが、これは輪郭を強調するような「シュート」ではなく、画面には「スミヤ (smear、なまり) 」として見えると思います。
一方こちらは、業務用途ではない、家庭用のFull-HD液晶TV「UT47-MX770JW」 の画面。
左右方向に黒と白が接する境界部分が強調された感じがしますよね?
「シャープネス」は「最小」にしてあったのですがね.....
ライブ会場などで自分の眼で直接見る、「アーティストの表情や衣装」、「ステージ上に並んでいる数々の楽器」などに、輪郭を強調するような線は、もちろん「存在しない」わけです。
「UT47-MX770JW」のような特性を持った映像のほうがシャープには見えるのでしょうけど、「BVM-D24E1WJ」の映し出す映像のほうが「大きくは見えない」のですが、「ライブ会場で遠くから自分の眼で見たものに近い」「実物を見ているのに近い」と感じているのでは?と管理人は考えています。
業務用のモニターの場合は、「映像を鑑賞する」のが目的ではなくて、「収録している映像内容をチェックする」のが目的ですから、「より綺麗に見せる」のではなく、「加工することなく、ありのままに見せる」という設計思想なのだろうと思います。
なお、あくまで、「方形波に対する応答の差」は、理由のひとつであって、「方形波応答さえ良ければ高画質」というわけではないですよ。
例えば、パソコン用ディスプレイの場合、方形波応答は優れていますが、「明るさ」や「動画に対する応答」、「中間色の表現」については、「TV」として作られているものには敵わないのではと思います。
あ、「UT47-MX770JW」 の画も気に入っていて、こちらの電源を入れているときのほうが多く、「気に入っている映像コンテンツを、ちゃんと観る」ときだけ、「BVM-D24E1WJ」のほうを使っています。
「BVM-D24E1WJ」が壊れたときに、「直してくれる業者は無いかもしれない」と思ってるので、大事に大事に使っているわけです。
「普段使い用」の「UT47-MX770JW」ですが、「面積比で約1/4なのに、3倍くらい高価な、業務用の製品」には敵いませんよね.....っていうことです。
それに同じ「SONYブランドの製品」でも、「家庭用」と「業務用」とでは、販路が異なるわけですから、事業部の異なる「全く別の設計チーム」で開発されているのかもしれませんしね.....
いつか「BVM-D24E1WJ」の画質で 47 ~ 55 インチくらいで観たいよね.... というのが、管理人の「夢のひとつ」ですが、「BVM-D24E1WJ」や「ビデオ信号分配器」などを家電量販店に持ち込んで、時間を掛けて比較する訳にもいかないでしょうしね.....
でも最近は「毎月一定額」を払えば、いろいろなものを試せる「サブスクリプション・サービス」といったものがあり、オーディオ・ビデオ機器でも、そういったサービスが登場してくれないか?と思っていて、そうすれば、いろいろな機器を自分の家でじっくりと視聴できるのではないかと.....
管理人がそう考えるのは、関心のあるオーディオ・ビデオ機器が、自分の好みなのか? 今持っている機器との相性はどうか? などを判断するのには、自分の部屋に置いて、少なくとも1ヶ月くらいは色々と試してみないと判らないのでは?と思っているからです。
なお、管理人の「夢」は、オーディオ・ビデオ機器以外にも、いくつかあります。
「4K/8K」による高解像度とか、「HDR」の高輝度/高コントラスト、「BT.2020」に対応した広色域、黒がちゃんと沈む「有機EL」といったものは、消費者に対して従来製品との違いを説明するのが容易で、訴求しやすい「セールス・トーク」になるのですが、「方形波応答の差」を消費者に説明して判って貰うのは難しいと思います。
余談ですが、このモニターには、「APT」(アパーチャー) という機能があります。
これを「オン」することで、輪郭がやや強調された画にすることもできますし、強調する度合いもメニューで設定できるようですが、管理人は「APL オフ」の画質のほうが「実物を見ているのに近い」ように感じているので使っていません。
また、「赤」が少し左に寄っているようですが、画面全体で見ると、このあたりがベストみたいです。
後継と思われる「BVM-F24**」だと、画面の各ポイントでコンバージェンスを微調整出来るようですが、裸眼で0.7しかない管理人の視力では、現状でも十分かと思われます。
「ブラウン管」が高精細になった場合、地磁気の影響を更に受け易くなる訳で、設置したときの方角に従って、「MENU」⇒「SET UP」⇒「WHITE
UINIFORMITY」⇒「MANUAL」⇒「DIRECTION」を合わせる必要があり、「MENU」⇒「SET UP」⇒「ALIGNMENT」⇒「ROTATION」で、画面の傾きを修正し、その後「MENU」⇒「SET
UP」⇒「WHITE UINIFORMITY」⇒「MANUAL」⇒「FINE ADJUST」で画面周辺のピュリティ (色純度、R/G/Bの各電子ビームが別の色に当たっていないこと)
を追い込み調整していく必要があり、そうしないと画面周辺の色がおかしくなったりします。
「DEGAUSS」という、いつでも脱磁できる機能も付いてはいますが、それだけで全ての設置条件で最良のパフォーマンスを出せるわけではないようです。
追い込み調整をするには、赤/緑/青/白の単色が出せるようなVideo信号発生器があったほうが良いわけで (今ならパソコンでも簡単に作れますが)
、使いこなすのには多少の手間がが必要な気がするように思え、こういった製品は「万人向け」ではなく、やはり一部の「マニア向け」の製品なのでしょうね?
一方で、今主流の液晶や有機ELでは、このような調整は必要ないと思いますので、「どういった条件下でも性能が発揮できるように、進化している」ということですね。
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本機をパソコンモニターとして使おうとすると、表示内容によっては縦線の歪みが気になる場合があります。
ブラウン管方式の「パソコン用モニター」を使う場合には「アンダースキャン」で使うことになり、画面周辺での歪が検知され易くなるので、コントラストを抑えるとか、回路/部材の工夫で、画面の歪みを低減させていたと思います。
昔、管理人が使っていたパソコン用モニターは、ここまでは歪まなかったように記憶しています。
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背面には、いくつものBNC端子があります。
本来は業務用の機器ですので、何に使うのか、どういった信号が使えるのか、管理人にはよくわからない端子が多いです (^_^);;
この写真ですが、本サイトをご覧になった方から、「75Ωで終端していないのでは?」というご指摘を頂き、終端器が付いている写真に差し替えました。
中古で入手しているので、取説を持っていないのですが、おそらくこれが「正しい使い方」かと思われます。
でも、このモニタの入力部には「かなりの尤度」が確保されているようで、75Ωで終端しなくても、コントラストを絞れば、ちゃんとした画が出る様に、管理人の眼には見えます。
そのあたりを確認している際に、映像信号によっては、75Ωで終端してもしなくても、どれだけコントラストを絞っても、「白ツブレが発生する場合がある」ことが判りましたが、これについては「ちょっと前の機器」の「白ツブレのこと」のページで紹介しています。
(本モニターに起因する白ツブレではありません)
ブラウン管の場合、防磁型のスピーカーでないと画面のすぐ横には置けませんので、本機の横には比較的新しめのスピーカー ( DENON製 SC-777SA ) を使っています。でもブラウン管が市場から無くなって、もう「防磁型」の必要性はなくなってしまいました。
最近のスピーカーは、「防磁型」なのかどうか、カタログにも明記されていないことが多くなったように思います。 でも、家電量販店などで「このスピーカー、防磁型ですか?」なんて聞こうものなら、「この人、まだブラウン管TVで観てるの?」と思われそうで、恥ずかしくて聞けません (笑)。
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管理人の記憶に残っている「TV/モニター」のひとつが、1980年頃に発売された「初代プロフィール:KX-27HF1 / KX-20HF1 / KX-16HF1」で、「ブラウン管を独立させ、チューナー無し」で、「くし型フィルター」によって解像度を向上させていました。(当時のカタログに寄れば「広帯域ビデオ回路」と合わせ、解像度を35%upとのこと。)
「くし型フィルター」と云うのは「1Hディレイライン」によって、一つ前の走査線の信号と足し算することで、色信号をキャンセルし、色搬送波「3.58MHz」以上の輝度信号も再生しようとしたものと思われますが、1980年頃にこれを備えていたのには驚きです。
くし型フィルターが登場する前は、色搬送波あたりから上の輝度信号は、バンドパスフィルターによってカットされていたと思いますし、その後は「くし型フィルター」では除去できない「一つ前の走査線の信号と相関のない」映像信号から色搬送波を除去するための「ノッチフィルター」というのもありました。
更には、一つ前の走査線の信号と相関がなくても「隣のフレームの信号」と合わせることで色搬送波を除去し、輝度信号を取り出そうとする「3次元フィルター」というものもあったように思います。
「PROFEEL」は、アンプが「5W+5W」から増強された「KX-27HF2 / KX-20HF2 / KX-16HF2 / KX-13HF2」、RGB入力を備えた「KX-27HF3
/ KX-20HF3」へと進化。
更には、四角い「キュービックスタイル」になった「PROFEEL PRO: KX-27HV1 / KX-21HV1」が発売され、S信号にも対応した「KX-27HV1S
/ KX-21HV1S」が登場、27インチモデルは (変更点は判りませんが) 「KX-27HV2」が発売され、29インチモデルの「KX-29HV3」も発売されました。
「PROFEEL PRO」は、当時スタジオから中継する番組などで登場することがあったので、ご記憶の方も多いかと思います。
1990年代後半には、「ワイド画面」の「PROFEEL 16:9 KX-32HV50」も発売されましたが、管理人が就職する前は「お金が無い」、就職後は「自社製品じゃない」ということで購入せず、退職後に、ようやくSONYのモニター「BVM-D24E1WJ」を中古で入手しました。
今となっては「1080i に対応していない大型モニターも所有する」のは、広い家に住んでいないと厳しいので、「BVM-D24E1WJ」を入手したのが、管理人にとっては「最適解」なのかもしれません。
「BVM-D24E1WJ」の発売から20年近く経過し、現在店頭に並んでいる「4K対応TV」は、「もっともっと高画質」になっていることを期待しますが、管理人にとっては「高嶺の花」です。
本機は奥行きが約60cmもあり場所をとりますが、「有機ELで大画面」の中古品が激安で買えるようになるまでは手放せないと考えていて、管理人はもう暫くは「ブラウン管
Believer」です。
最近、「レコード盤」や「カセットテープ」が見直されているように、「ブラウン管」も見直されてもいいのでは?と、管理人は思っているのですが、「レコード盤」や「カセットテープ」よりも「多額の設備投資」が必要と思われる「ブラウン管」が生産再開されることはないのでしょうし、ブラウン管で「4K対応」なんてムリっぽいです。
管理人が知る限り、日本国内のTVメーカーのうち、自社で「ブラウン管」を製造していたのは、Panasonic (National / 松下電器
) / SONY / 東芝 / 三菱 / 日立の「5社だけだったのでは?」と思います。
TVが普及し始める頃、TVの価格は月給よりもはるかに高く、「月賦で買うのが殆ど」の時代でしたので、「自社開発するために投資する価値」があったのでしょう。
最近のオーディオ/ビデオ機器でも、「キーパーツ (製品の性能に対して寄与率の大きいパーツ) を自社で開発するメーカー」には惹かれます。
他社から高価な部品を集め、「厳選した部品を使っています」とアピールして「高額な製品」を発売しているメーカーは、管理人には単なる「アセンブリ・メーカー」のように思え、どれだけ高性能であっても、魅力を感じませんね。