ここでは、次世代の映像フォーマットである「4K/8Kテレビ」について述べたいと思います。
視力の十分にある方には、この先コンテンツが充実していくことが楽しみなフォーマットでしょうが、視力の衰えてきた管理人にとっては、「残念ながら、違いが見えない」という意味で「猫に小判」ではないか?と感じています。
「ランドルト環」というのを見たことがあるかと思います。
名前は聞いたことがなくても、「視力検査」で用いるもので、「C」のような形で、開いている方向が上下左右のいずれかを向いていて、大きさの異なる「C」の字が、縦にいくつも並んでいるものと聞けば、おわかりかと思います。
徐々に小さくなっていく「C」の形の開いている方向が「どこどこまで見えたら、視力がいくつ」と判るものです。
ここで、
視力 = 1 / ( 開いている角度(分) ) です。
「分」は「度」の1/60ですから、
視力 = 1 /{ (開いている角度(度) ) × 60}
ともいえます。
更に、
sin ( 開いている角度 (度) ) = (環の開いている間隔) / (眼と環の距離)
ですから、
視力 = 1 / 〔 {sinの逆関数 (環の開いている間隔)/(眼と環の距離) } × 60 〕← 式(A)
といえます。
なお、「sinの逆関数」ですが、iPhoneの電卓でも計算出来ます。
iPhoneを横にすると関数電卓になり、左上にある「2nd」ボタンを押すと「sin-1」が表示されます。
(ある正弦値になる角度が何度なのか?を求める関数です)
管理人が普段見ているTVは47インチのFull-HD (横1920画素×縦1080画素) ですが (これもヤフオクで中古品を安く入手したものです) 、47インチとは画面の対角線の寸法で、cmに直すと119cmです。16対9画面ですので、昔習った「三平方の定理」で計算すると、縦は58.3cm、横は103.7cmです。
横103.7cmの中に、「RGB」の画素単位が1920個あるわけですから、画素1つの大きさは、
103.7 / 1920 = 0.054cm ⇒ 0.54mmとなります。
管理人は、画面から約1.8m(1800mm)離れた位置で見ていますから、この条件で(A)の式で計算すると必要な視力は0.9696 ( ≒ 1.0
) となります。
管理人の視力は裸眼では0.7以下ですから(従って、車を運転するときはメガネ要です)、裸眼ではFull-HDの解像度がハッキリとは見えていないことになります。
管理人にとっては、1.8m離れた位置で見る場合、Full-HDの解像度で網膜(Retina)が認識できる解像度を超えていますので、Full-HDが「Retina
Displayになっている」ということです。これ以上高精細のテレビに変えても意味がないわけです。
もちろんメガネを掛けるとか、もっと画面に近づけば解像度が上がって見えるのは判っていますが、画面から近い状態で見ていると疲れそうですし、メガネについても「しないほうが楽」なので、車の運転をするとき以外はメガネなしで過ごしています。
また47inchよりも大きな画面サイズのテレビにするという方法もありますが、テレビの両側に昔風の大きなスピーカー (「YAMAHA」の「NS-1000M」)
を置いていますので、これ以上大きいテレビはちょっと置けそうにありません。
ちなみに4K(横3840画素×縦2160画素)になった場合は、47inchであれば、画素1つの大きさは更に半分の0.27mm。1.8m離れた位置で見るのであれば、1.939 ( ≒ 2.0) 視力が必要です。そこまでの視力がなくても、0.9696( ≒ 1.0 ) 以上の視力があれば、「Full-HDよりも解像度が上がったようには見える」のでしょうけどね。
昔ブラウン管でテレビを見ていたころは、走査線が目立つとかノイズが気になるといった理由で、画面の高さの7倍~8倍で見ることが推奨されていて、目の疲労の点からも視距離は近すぎないほうがよいとされていました。
(昭和52年発行の「NHKカラーテレビジョン教科書(下)」に記載)
最近、家電量販店に行くと、4Kテレビの画面から30cm程度離れた床の上にテープが貼ってあり、「キメの細かさが今までのハイビジョンとは違います」といって4Kの優位性をアピールしている場合があったり、ある家電量販店では70インチのTVに「最適試聴距離
約1.3m」といった表示がされていました。
画面まで1.3mにまで近づいて70インチのTVを見た場合、0.47以上の視力があれば、Full-HDよりも細かい画に見える計算にはなるのですが、いつもそんなに近くで見ていて大丈夫かしらん?
1997年にあった「ポケモンショック」 (放送していたテレビアニメで、画面が激しく点滅するシーンを見た多くの視聴者(主に子供)が体調不良になった)
みたいなことが、また起きやしないかと考えています。
ソフトによっては、本編が始まる前に「テレビ画面に近づき過ぎないようにご覧ください」という注意が表示される場合もありますしね。
更にこの先、8Kテレビを売るときには、70インチのテレビを「最適試聴距離 約65cm」などど称して売り込むのでしょうかね?ここまで来れば買う側も「そんなに近くでは観ないよ」と考えると思うのですが.....
現在、量販店などでは多くの4Kテレビが売られています。おそらく販売員のお兄さんには「Full-HD」と「4K」の解像度の差は見えているのでしょう。しかしながら管理人の場合は、真近で見れば判りますが、通常の視聴距離からはメガネなしでは判りません。
また、店頭で「Full-HD」と「4K」の解像度の差が認識できたとしても、それは店頭でのデモ用の映像での話であって、自分が持っている全ての映像コンテンツを店頭で観たような鮮明な映像で見られる訳ではありません。
DVDでしかリリースされない映像コンテンツは今も数多くありますし、それらを4Kにアップコンバートしても、初めから4Kで撮影された映像には及ばないと思います。
今のTVが壊れても、高価な4K (4K放送が始まる頃には、4K対応チューナー内蔵型が「当たり前」になってくるでしょうけど) には手を出さず、また中古のFull-HDをヤフオクで探そうと思っているのですが、高く売れる4Kに対して、Full-HDが「安かろう悪かろう」の製品ばかりになってしまわないことを願っています。
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ところで、現在のハイビジョン放送を見ていると、キー局のコンテンツは問題ないのですが、地方局のニュースなどに変わると、肌色がくすんで見えたり、画面周辺で色ズレが見える場合があります。後者はレンズの色収差によって起きているのではと推測します。
2000年代にBSデジタルでハイビジョンがスタートした時、特に生番組で画面が切り替わったときに「フォーカスが合っていない?」と感じることが時々ありました。
僅かに甘くなったフォーカスは、それまでのアナログ放送だったら判らなかったのに、ハイビジョンになると検知され易くなったのですかね。
おそらく機材の高性能化などによって、こういったことも今ではかなり少なくなったように思いますが、今後4K/8Kへと発展するのと並行して放送局の機材について、解像度以外の性能についても更に性能UPさせていく必要もあるのではと思います。
またTVを見ていると、スタジオで収録した番組で、別のチャンネルに切り替えたときなどに、「色が濃い」「色が薄い」「肌色が赤っぽい」「肌色が黄色っぽい」「黒が浮き気味」「黒が沈み気味」など感じる場合があります。
(屋外の収録なら止むを得ないとしても、スタジオ収録なら照明環境は整っていると思うのですが..... なおフィルム素材であれば、監督が意図的にトーンを変える場合もあると思います)
それぞれの放送局側では「モニター」で確認して「意図通り」の映像にしているのでしょうが、もう少し合わせてくれたら良いのに、合うような仕組みがあっても良いのに.....と素人目には感じています。
放送局から送られて来ているコンテンツを「限りなく手を加えずに見る」という考え方も「アリ」かとは思いますけどね.....
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「4K」の上には、「8K:スーパーハイビジョン (横7680画素×縦4320画素)」というのもあります。
リオオリンピック期間中は、各地のNHK放送局で試験放送を見ることが出来たので見に行ってきました。
予想通りですが、メガネをつけない状態では8Kらしい解像度は感じられません。メガネを掛けても4Kとの差を感じるかどうかはビミョーでしたね、画は綺麗ですが。
NHKの方に画面の大きさを尋ねたところ、85inchとのこと。画面サイズは横188cmになり、一画素の大きさは1880/7680 = 0.24mmとなります。85インチの画面の前には椅子が用意されていましたが、最前列に座ったときの眼と画面の距離は約1.5mでした。(管理人が両腕を左右一杯に伸ばした長さよりも、ちょっと短い距離でしたので)
1.5mの距離で0.24mmが見える視力というのは、式(A)から計算すると1.8となります。視力1.5の人が画面から1.5mの距離まで近づいても、まだ足りないんですね。(0.9以上の視力があれば、4Kよりは解像度のある映像に見えることにはなります。)
85インチというのは、ちょっと一般家庭には置けないように思っていましたが、2017年の12月にはシャープから70インチの8Kテレビ「LC-70X500」が100万円前後で発売されるようです。
高いようにも思えますが、NHKがMUSE方式でハイビジョンの実験放送を行っていた頃には、「ついに100万円を切った」と話題になったこともありました。当時はプラズマも液晶も普及していなくて、恐らくブラウン管の36インチか32インチだったのであろうと思います。
また、最初に4Kテレビが登場したときには65インチで100万円近くしていたと思いますから、それらに比べれば、「70インチで100万前後」は「お安い」のですかね?
さて、70インチというのは画面の対角線方向の長さですから、計算していくと画面の横サイズは1550mm、これを画素数である7680で割ると、1画素は約0.202mmとなります。
これがちゃんと見えるには、上にある式(A)を使って計算すると、視力1.5の人だと画面から1.03mの距離まで近づく必要があります。画面から2.06mにまで近づけば、4Kよりは解像度のある映像に見え、網膜が認識できる解像度を超えた
Retina Display ということにはなります。
ということで、眼の良い若い方にとっては楽しみな製品かと思いますが、裸眼では「0.7」以下の視力しかない管理人にとっては「猫に小判」では?と感じるわけです。「1.5」とか「2.0」といった視力のある方が羨ましいです。
ところで、シャープの8Kテレビの資料を見ても、BT.2020が定める色域を完全にはカバーしていないようです。
LEDバックライトを光源とするディスプレイですから当然かと思いますが、この先「完全カバー」するような製品って出てくるのかしらん?
シャープの8Kテレビに関して、解像度や色域といった画質以外の点で気になったのが、「別売の8K対応チューナー」を繋ぐための8K対応の接続端子は1系統あるだけで、その1系統で「HDMIケーブルを4本使用」するようです。
現在の「HDMI 2.0」では、4K信号を伝送するのが「いっぱい、いっぱい」で、4Kに対して画素数が「縦2倍×横2倍 = 4倍」の情報を送るには、HDMIケーブルを4本同時使用するということなのでしょう。
「誰よりも早く、自宅で8Kが見たい」という方には、「それでも導入したい」のかもしれませんが、今後8Kに対応したレコーダーやカメラが広く普及していくためには、1本のケーブルで8Kの信号が伝送できるような形が望まれるのではと思います。
次世代規格の「HDMI 2.1」なら8Kにも対応できるようなのですが、本機に付いていないところを見ると、規格は策定したものの、対応するデバイスの開発が、本製品には間に合わなかったのか?と推測しています。
東京駅の改札内に「8K」と思われる製品が設置してありました。
かなり画面に近いところから見ても画素が感じられず、「さすがは8K」なのですが、普段そんなに近いところから見るのかしらん?
裸眼で0.7未満の視力しかない管理人にとっては、今の「Full-HD」よりも高いお金を払う必要性は、感じられませんでした。
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さて、4Kや8Kのテレビについては、管理人の「0.7未満の視力」を考慮した上での、個人的見解を述べていますが、パソコンモニタとしての用途であれば、広大な作業エリアを得ることができ、作業性を大幅に向上させる場合もあるかと思います。
あるいは、以前TVで見た記憶がありますが、内視鏡など医療分野への応用。従来よりも鮮明に見えるようになることで、病気の早期発見につながることが考えられます。
これらは、テレビのように常に画面全体を見るような使い方ではなく、画面にかなり近い位置で、画面の部分部分に着目するような使い方になるわけですから、解像度が高いのにも十分に意味があって、「猫に小判」ではないと思います。
ちょっと話が変わりますが、Windowsが普及する前のテキストベースの画面で、PCやワークステーションを操作していた頃、当時一般的だったブラウン管モニタでは、画面の左上部を重視しフォーカス調整がされていたと思います。
Windows95が普及する頃には、左下に「スタート」ボタンがあり、右下に「時計」などがありましたから、左上部以外の周辺フォーカスとのバランスも考慮されるようになり、フォーカス性能も向上したと思いますけどね。まあ、その後は徐々に液晶など固定画素のディスプレイにシフトしていきましたが.....
一方、ブラウン管テレビの場合は、画面の左上部よりは、画面の中心部周辺のフォーカスが最適になるように調整されていたと思います。
またテレビの場合はフォーカスを少々犠牲にしても画面の明るさを優先していましたし、モニタの場合は画面の明るさよりはフォーカスを優先していたと思います。
TVとコンピューター用モニタは似てはいますが、「画作り」とか「使われ方」は、ちょっと違うように思います。
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な~~んて、言っていたのですが、「8K」では絵画などの美術品を観賞するような使われ方が紹介されていますね。
画面に近づいても「画素」を認識できないので、「ビデオのガンマカーブ」で撮れば、実際に美術館にまで行かなくても、家庭で実物を見ているような体験が出来そうで、これはこれで「フルHD」や「4K」では実現出来なかったことでしょうね。
先日NHKで放送された「スポーツ観戦が変わる!~まもなくスタート!4K8K放送~」では、「サッカー中継で選手の細かい動きも見える」といった優位性がアピールされていました。
「8K」の意義や優位性を訴求するには、「画面からちょっと離れた所から、常に画面全体を見る」のではなく、コンピューター用モニターのように、「画面にうんと近づいて、部分的に見てもらう」ような使い方を開拓していく必要があるように思え、8Kコンテンツもそういったものが中心になっていくのでしょうか?
そういった使い方なら、「8K」の更に上の「16K」も提案は可能です。
管理人は、そこまでお金を掛けて絵画やスポーツ中継などを観賞したいとは、今のところは思いませんが、あと10年くらいしたら、管理人にも手の届くような「8Kテレビ」が現れるのかもしれません。
ちなみに、管理人が「フルHD」の製品を入手したのは、世の中に「フルHD」が出始めてから約10年後で、「ヤフオク」で中古品を¥50,000くらいで入手しました。
でも、「ゆかりん」のライブビデオが「Ultra HD Blu-Ray」で発売されようものなら、速攻で4K対応機器を揃えてしまうかもしれません
(笑) 。
いよいよ2018年12月1日から4K/8K放送が開始されました。
「東京ニュース通信社」発行の「月刊デジタルTVガイド 2019年1月号」「TVガイド 12/7号」を見る限りでは、民放のBS4Kは既存のBSデジタル(フルHD)と同じ番組である一方、NHKのBS4Kは既存のBSデジタル(フルHD)とは別の番組、更にNHKの「BS8K」は「BS4K」とも別の番組であり、NHKは既存のBSデジタルとは別に「4K/8K」の優位性を発揮できるようなコンテンツを用意しようとしているのでは?と感じました。
先日(12/20)、家電量販店で見たときには、NHK「BS4K」で「ゴッホは日本の夢を見た」が流れていて、ゴッホの作品が画面一杯に映されたときには「画面にかなり近寄って」見たくなりましたし、出演されていた吉岡里穂さんの「お可愛い表情」が大写しになったときにも、う~んと近寄って見ちゃいました。こういった番組なら「4Kもアリ」だと思います。
年が明けた2019/01/03に、NHK「BS8K」で放送されていた「富士山 森羅万象~大山行男が撮る神秘の素顔~」では、富士山を撮影した写真が放映されていました。
東海道新幹線の車窓からは見られないような写真は、画面にうんと近づいて見たくなる様な映像ではありましたが、「8Kを購入する動機になるか?」というと微妙。
民放の「BS4K」だと、「BS-TBS4K」の「報道1930」とか、「BSフジ4K」の「プライムニュース」が「4K収録」されているようですが、「4K」で映った年配の議員さんや、弁護士、大学教授、ジャーナリストなどを画面真近で見たい人なんているのかしらん?なんて思います。
画質よりも、「識者の方々が、どういった話をするのか」が重要ですよね?
「フルHD」と同じ番組で運用する民放のBS4Kの場合、放送開始直後から、CM含めたすべてのコンテンツが4Kで揃うとも思えず、コンテンツ自体は「フルHDのまま」あるいは「アップコンバートしたもの」というものも、当分の間は混在するのではと思います。(なお、BS日テレの4K対応は2019年9月から開始、WOWOWの4K対応は2020年12月~、「BSイレブン
(BS11) 」や「BSトゥエルビ (BS12) 」の対応については不明。)
民放の「BS4K」には、TVショッピングの番組や通販専門のチャンネルもあるようですが、民放BSの考える「4K」の優位性とは、画面に近づけば「商品がより実物っぽく見えますよ」とか「シミが消えて、間近で見ても、ほら、こんなに綺麗に!」ということなんでしょうか?
なお、民放のBSでも、一部の時間帯では「Full-HD」と「4K」で別番組が放送されている場合があるようですが、管理人が知る限りは、ごく一部です。
「4K/8K」放送が始まってからは、家電量販店では「4K/8K」の放送波も流されるようになりましたが、まだ「デモ映像」の方が多く流れているような気がします。
「4Kのデモ映像」を画面近くで見ると、「フルHD」よりも高画質な映像であることは判るのですが、一方で実際の放送波を映しているTVを見てみると、そうとも云えない場合もあるみたいです。
家電量販店にいった時に、たまたま流れていた映像を見ただけの印象ですが、2018/12/3に放送されていたNHKの「BS4K」の「英国・ロイヤルバレエ
プリンシパルの輝き」は、随分ノイズっぽい、埃っぽい画面に感じられて、例えるとNHKが過去に実験放送をしていた「MUSE方式 (日本が進めていたアナログ圧縮方式)
のハイビジョン」のような画に見えました。
また、2018/12/10に放送されていたNHKの「BS4K」の「プレミアムシアター」では、出演者の髪の毛をみていると、止まっているときには、細かいところまで見えましたが、出演者あるいはカメラが動き出すと極端に解像度が低下しているような印象でした。また機種によっては襟などで白が潰れている印象を受けました。
同じ2018/12/10に「BS8K」で放送されていた「コブクロ × 東京フィル スーパーハイビジョンライブ」では、人の額の部分がテカテカに潰れていて、音声と映像でタイミングがズレている気がしました。
(音声と映像のタイミングの合い具合を「Lip Sync」といいます。)
2019/05/30に「NHK BS8K」で放送されていた「ピョンチャンオリンピック フィギュアスケート男子シングル ハイライト」では、羽生クンの表情はよく見えましたが、観客の表情については、カメラが止まっているときにはよく見えるのですが、カメラが左右に振ると「ボケボケ」で、「どこが8Kなの?」って感じです。
「送り側」の問題なのか、「TV側」の問題なのかは判りませんけど、「デモ映像」を流していた頃には起きていなかった、あるいは気がつかなかったような現象が、「本放送」では起きているようです。
他にも、「4K」を始めた「BSフジ」の番組を「フルHD」で見ているときに、画面周辺などでレンズの色収差が原因と思われる「色ズレ」が目立つことがありました。
「4K」対応する前に、「フルHD」でも検知できるような色ズレを改善するほうが先なのでは?と管理人は思いますが、「色ズレ」よりも「画素数の差」のほうが「消費者にアピールし易い」のでしょうね。
「デモ映像」というのは、「ほら、こんなに綺麗なんです」とアピールできるように、短時間の映像ですが、素材を吟味して、十分に時間を掛けて入念に作り込まれているものと思われますが、実際の放送波では、そこまで手間を掛けていないものもあるのですかね?
あるいは4K/8Kの本放送で使われている「動画圧縮技術:H.265 / HEVC (High Efficiency Video Coding)
」に準拠した、送り側の「エンコーダー」あるいはTV/チューナー側の「デコーダー」の性能が、まだ「発展途上」なのでしょうか?
4K/8K放送が始まる前から、家電量販店などで流されている「デモ映像」を見ている限りは、「画面にかなり近づいても、綺麗な映像だなぁ」と思うのですが、いざ始まった本放送を見ていると、まだ「イマイチ」のように感じます。 「デモ映像」を見てすごく綺麗だと思って、4Kチューナーも含めて購入したものの、実際の放送波では「あれ?」なんて感じている方もいるのではないでしょうかね?
「デモ映像」と「放送波」では、「ビットレート」とか「作り込み度」が違うのかもしれませんが、これって普段行かない場所で、食事が出来るところを探していて、外にあった「食品サンプルとか写真が美味しそうだった」ので、お店に入って頼んでみたら「あれ?
外で見たのと全然違う???」のと似ているような気も.....
(あ、食品サンプルを作っている方々に罪はありませんよ。食品サンプルや写真で釣っておいて、それに比べ大幅に劣る実物を出している「お店の問題」です。)
4K/8K放送は「始まって1年も経っていない」のですから、今後は、放送波を使ったダウンロードによりTV/チューナー内のソフトウエアがUpdateされ、そういった点が徐々に改善されていくことを期待しています。
そういえば、アナログ方式のハイビジョン (MUSE方式) が登場した頃、展示会で「ものすごく綺麗」だと思った映像があって、出展していた企業の方に訊いてみたら、「いや、これは業務用の非圧縮の映像でして、MUSE圧縮したものではありません」なんてことがあったのを思い出しました。
管理人は「4K/8Kのデモ映像」に近い映像が、多くの「4K/8K」放送波でも見られるようになることを期待していますので、これからも時々家電量販店に行って、見てみようと思っています。
ただ、視力が0.7未満で、運転するとき以外は眼鏡を使わない管理人にとっては、かなり画面に近づかないと、4K/8Kの優位性が判らないのですがね.....(笑)。
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管理人がひとつだけ「ほっ」としているのは、NHKが「4K/8K」に「既存のBSデジタル (フルHD) とは別のコンテンツを用意している」ことです。
別のコンテンツを用意している間は、2011年7月の「地上波アナログ放送」の終了みたいに、「フルHDのBSデジタルは○○年○月に放送終了です、皆さん4K/8K対応製品にお買い替えください」とアナウンスすることはないと考えられるからです。