A-5

 YAMAHAのプリメインアンプ「A-5」で、「A-1」「A-3」に続く、「A-* シリーズ」の末弟として1970年代末頃に発売されたものかと記憶していて、2022年12月にオークションで入手したものです。

 

 1981年10月作成のカタログに拠れば、「爽やかで初々しい常緑の朝の音」とか「Ever Green」とアピールされています。
 外観の状態も良く、ボリュームを廻してもガリは聴こえないので、「当たり」が引けたのですかね (笑) 。

 

 エントリークラスのアンプだけあって、小音量で聴いていると左右の音量差が気になります (ボーカルが左右のスピーカーの中央で聴こえず、左に寄っています) が、そこは「BALANCE」調整で何とかなりますし、このツマミを廻しても「ガリ」は聴こえません。

 

 なお、小音量で聴いているときの左右の音量差のことを「ギャングエラー」と云うそうですが、音量調整ボリュームが「Lch」と「Rch」の2連になっていて、Web上の情報に拠れば、2連になったものは「2ギャング」と呼ばれることに由来するようです。

 

 

 ちなみに、これが「A-1」で、自照式のボタンが付いているのは共通ですが、「A-1」の自照式ボタンが「POWER」」「SPEAKER」「DISC」だったのに対し、「A-5」では「POWER」と「入力切替」に変わりましたし、外観はかなり異なりますが、管理人はどちらの外観も好きです。

 

 

 「A-1」と「A-5」を比べてみても、正面から見ると「A-1 のほうが高さが 5mm 高い」だけですが、重量は約2倍違い、価格は2.5倍くらい違います。

 

 

 

 さて、「A-5」を入手した当初は問題なかったのですが、使っているうちに「POWER」ののランプが点灯しなくなってしまい.....

 

 更には、普段使っていた「TUNER」のランプも点灯しない事態になり、これでは電源が入っているのかどうかも判らず使いにくいです。
 この機種はオークションでもよく見ますが、ランプが点かなくなった個体をよく見ます。
 本機特有の持病なのかもしれませんが、発売から40年以上も経過していればしょうがないです。

 「TV」とか「TAPE 2」を含め、ラインレベルの入力が5系統もあり、入力系統毎に自照式の切替SWがあるのが「A-5 最大の見た目の特徴」と管理人は考えていますので、ランプが点灯しなくなったのを機に、管理人的にはここを「色仕掛け」しようと考えました。

 元々の電球が付いているときの印加電圧は約10Vでしたので、車載用 (12V) に使える抵抗付きのLEDと交換、6つの入力全部が「GREEN」だったものの一部を、「白」「黄」「桜色」「空色」に変更しました。
 「A-5」発売当時には存在しなかった「白色LED」にフィルターを被せており、薄めの シアン / マゼンタ / イエロー といったところです。

 

 

 

 

 

 

 ちなみに「TV」という入力ですが、1978年から始まったテレビの「音声多重放送」を受信できるアダプター?チューナー?が発売されたことに対応したものと思われ、当時 SONY / Technics / Pioneerなどから対応チューナーが発売されたかと思いますが、YAMAHAからは発売されなかったように記憶しています。

 

 後の製品では「CD / DAD 入力が付いていて当たり前」になりますが、「A-5」発売当時に、ラインレベルの入力が5系統もあるのは珍しかったのでは?と思います。
 TAPE入力を「TAPE MONITOR ON / OFF」の形で切り替えるものも多かったと思いますが、本機では「PHONO」「TUNER」「AUX」と同列に扱われています。

 

 

 各入力切り替えSWの内部には「緑色」のフィルター (「光拡散キャップ」っていうのかな?) が付いていますので、これを外さないと、鮮やかな「白」「黄」「桜色」「空色」は出ませんよ。

 

 

 

 

 更に、「TUNER」と「PHONO」のボタンも、「淡い緑色」というか「若草色」あるいは「萌黄色」っぽい感じにしてしまいました。

 

 

 

 

 そもそも「iPad再生専用」に使っていますので、ソースはひとつしかなく、入力端子を差し替えて、一般的な楽曲は「白色」で、水野あおいちゃんを聴くときには「空色」、「ゆかりん」とか「すみぺさん」を聴くときには「桜色」、辛島美登里さんを聴くときは「若草色」.....といった具合に愉しんでいましたが.....

 

 こういった分配ケーブル等を使うことで.....

 

 

 入力を「TUNER」「TV」「AUX」に3分配し、「TAPE 1」の「REC OUT」を「TAPE 1」と「TAPE 2」の「TAPE PB」に繋ぐことで、「PHONO」以外どれを選択しても、音が出るようになりました。
 あ、「TAPE 1」と「TAPE 2」でも聴こえるようにするには、「REC OUT SELECTOR」は、「TUNER」「TV」「AUX」のいずれかにしておく必要はありますよ。

 

 「TAPE 2」の「REC OUT」端子は、後で使う計画です。
 40年以上前の製品なのですが、背面の端子も「まあまあ」綺麗で、やっぱり「当たり」の個体?かと思っています。

 

 音声系の端子の場合、出力側のインピーダンス (数100Ω) よりも受ける側のインピーダンス (47kΩ) の方が2桁くらい高いので、こういった使い方も出来るんだと思います。
 一方で、映像系の端子の場合は出力側も受ける側も75Ωですので、3分配なんかして、受ける側のインピーダンスが1/3になっちゃうと、明らかに暗くなったり、同期が取れなくなると思います。

 耳の肥えていない管理人は「ケーブルによる分岐で発生する音質の劣化」なんて判りませんので、これで曲に合った色の自照式スイッチを押すだけです (笑) 。

 

 

 更には「POWER」ボタンもLED化、下にあるのが「まだPOWERボタンをLED化していない」カセットデッキ「K-6」です。

 

 ボタンが明るくなり、「オレンジ」というよりは、「薄だいだい」「ペールオレンジ」といった感じです。
 ひとつだけ注意点ですが、「POWER」のランプをLED化すると、電源を切ったときにスピーカーから「ボツ音」が発生します。したがって麦球はつけたままで、そこにLEDを並列に接続、麦球には黒いビニールテープを巻いて光が漏れないようにしています。
 LEDに変えると「POWER」ランプの消費電力が大きく減少するので、コンデンサーに溜まった電荷の消費が遅れ、「ボツ音」になるのかもしれません。

 

 

 ボタンの色が「明るく、カラフル」になったので、40年以上前に発売された製品には見えないように思いますが、どうでしょうか?

 「40年以上前」と云われてもピンと来ない方には、別の言い方をしましょう。
 「A-5」及びそれとペアになる「T-5 (チューナー) 」が掲載されたカタログが作成されたのが「1979年の12月」ですが、松田聖子さんがデビューし、山口百恵さんが引退されたのが1980年ですから、それよも前に発売されていたんですよ。
 マニアの方が好むような「精悍で高級感があって、自慢のオーディオ・ルームに置くような外観」ではなく、「普段生活している場に置いても違和感のないスッキリした外観」なのが「随分昔のモノ」と感じさせないのでしょうか?
 それに「黄色や桜色、空色に光るボタン」なんて、オーディオ機器では、なかなかお目に掛かれないのでは?と思いますよ。 

 

 

 

 

 また「REC OUT SELECTOR」ツマミの形状が、現行のYAMAHA製品に近いこともあって、管理人にとっては、あまり「古臭さ」を感じません。

 

 いや、いや、いや、ど~~見ても40年以上前の製品でしょ? あぁ、そうですか.....  失礼しました (笑) 。

 

 

 その後、iPadからの入力を「6分配」することで、「REC OUT SELECTOR」を「PHONO」にした状態でも「TAPE 1」「TAPE 2」からでも聴けるようになりました。
 「6分配もしたら、音質が.....」なんてこと、全然気にしちゃいません (笑) 。

 

 

 

 

 

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