これもオーディオ機器ではありませんが、1970年代後半頃の、SONYの「スカイセンサー・カセット5950 / CF-5950」。
10kHz直読ダイヤルで「待ち受け受信」が出来た「スカイセンサー5900」にカセットを付けたものです。
(管理人は最近まで「カセットスカイセンサー 5950」だと思っていましたが、Webにあるカタログを見ると「スカイセンサー・カセット 5950」が正しいようです。)
発売当時、「BCLブーム」というものがあり、放送局から「ベリ・カード」を貰うには、放送局に「受信報告書」を送る必要があったのですが、受信出来たら「すぐに録音できて、後で聞き直せる」というのは便利だったのでしょう。(これは、最近ヤフオクで入手した個体。)
BCLラジオにカセットを追加したのですから、「スカイセンサー5900」比で、かなり大きくなり、外観が大きく変わるのは止むを得ないでしょうね。
でも本機は、「スカイセンサー5900」に似せようとしたのではなく、当時SONYから発売されていた超高級機「ワールドゾーン 32」(¥320,000)
に似せようとしたのでは?と想像します。
なお、「スカイセンサー・カセット5950」は、ラジカセなので「CF-xxxx」、「スカイセンサー5900」は、ラジオなので「ICF-xxxx」という機種名です。
カセット部が「正立透視型」で、これは当時のラジカセでは「画期的」で、管理人が知る限りは「ラジカセで最初?」かと思います。
「正立透視型のラジカセ」としては、この「スカイセンサー・カセット 5950」と、同じくSONYのステレオラジカセで、初代「ZILBA'P」の CF-6500 が印象に残っています。
後には、ラジカセでも「ガチャッ」と押し込むのではなく、プランジャーやモーターを使用したものと思われる「フェザータッチ操作」を実現したものもありました。
この機種は、モノラルなのですが「ヘッドホン端子」(標準サイズのフォーンジャック) が付いていて、側面には「イヤホン」端子も付いています。
側面にはジャックが「縦に5つも」並んでいるのですが、当時の製品には、識別し易いような「カラーリング」は、されていませんでした。
短波放送を受信する際には、雑音の中から僅かに漏れ聞こえる音声を聴き取るような形になる場合も多く、それを家の中でスピーカーで大きな音で聞いていると、周囲の家族には不快だったのかもしれません。
「イヤホン端子」もありますが、当時は「Walkman」が登場する前で、今のような小型で高性能なイヤホンはなく、300円程度のものだけでした。もちろん「モノラル」ですし、まだミニプラグのステレオ化はされていません。
管理人が子供の頃、「イヤホン」というのは、下の写真で左にあるもののこと。
「Walkman」が登場するまでは、「300円程度のイヤホン」と「数千円以上する密閉型のヘッドホン」の間を埋める価格帯のものが存在しなかったんですね。
そういった意味でも「小型のステレオヘッドホン」が付属した「初代 Walkman」(TPS-L2) は、音楽の愉しみ方を大きく変えたと思います。
周囲に迷惑を掛けずに「短波放送受信に没頭」するには、ヘッドホンを使ったほうが良かったのでしょうすが、当時「ヘッドホン端子」の付いた「ラジオやモノラルのラジカセ」は多くはなかったのでは?と思います。
もうひとつ「この機種ならではの特徴」と思えるのが、「CREDIT IN」という機能。
受信中の放送を録音しているときに、このレバーを押下し「内蔵マイク」に向かって「○月○日○○時○○分、○○放送」といったコメントを録音することができました。
今時の、HDDやメモリにファイル化されるようなデジタル録音なら、自動的に「タイムスタンプ」が付きますので、「これ、いつの録音?」なんてことにはならないのですけどね。
さて、どうやって「10kHzを直読」するのかというと、まず、左上にある「X-TAL MARKER」を「ON」させ、右下にある「MAIN TUNING」で250kHz単位で合わせます。(音が最も低くなったところが最適点です。)
本機種では0kHzと500kHz毎には「キュルキュルキュル」といった変調が掛かった音、250kHzと750kHZ毎には「キュー」といった音だったので、スケール表示と実際の受信周波数が少々ズレていても、TUNINGは容易でした。
次に「X-TAL MARKER」を「OFF」して、左下にある「SPREAD DIAL」で「±125kHz」の範囲で微調して受信周波数を設定します。
その動作を動画で撮るとこんな感じ。