コンサイスコンポ

 Technics から「コンサイスコンポ」として発売されていた、パワーアンプ「SE-C01」、プリアンプ「SU-C01」、チューナー「ST-C01」です。
 Technics の製品では、ジャケットサイズのレコードプレーヤーであった「SL-10」と並んで、特に印象に残っている機器で、2024年4月にオークションで入手しましたが、「SL-10」は未入手です (笑) 。
 この製品が発売された頃には、管理人の家から歩いていけるような電気屋さんに置いてあって実機を見ることが出来ましたが、今はその電気屋さんも無く、このクラスの現行のオーディオ機器を見ようとすれば、電車で往復¥2,000程度掛かります。 

 

 機種名に含まれる「C」が、「コンサイスシリーズ」を示すのでしょうね。
 Web上の情報に拠れば、「コンサイス / concise」の本来の意味は「不必要な言葉を使わず、伝えなければならないことを簡潔かつ明確に表現する」とのこと。

 幅が297mmで、これは「A4縦」サイズであり、当時としては「随分小さくなった」と思ったものですが、今のオーディオ機器であれば、ちっとも珍しくなく、もっと小さいのだって幾らでもありますよね?

 

 奥行きも突起部を除けば、「A4横」サイズ。

 

 

 横幅が約430mmある一般的なオーディオ機器と比べると、これだけの違いがあります。

 

 

 

 

 MCカートリッジにも対応しています。

 

 

 インシュレーター部分を除いた厚みは「1.69 inch」で、これはEIA (Electronic Industries Alliance / 電子工業会) で云う、ラックにマウントする機器の高さを表す単位「1U = 1.75 inch」に近い高さで、1980年1月に発行されたカタログにも「パネル高さ1U (43.6mm) を実現」と記載されています。

 

 

 

 ちょっと面白いのが「電源コード」で、プリアンプの「SU-C01」のコードは十分な長さがあるのですが、パワーアンプ「SE-C01」とチューナー「ST-C01」の電源コードは極端に短く (60cm弱) 、これは「プリアンプの SU-C01 から取ってくれ」ということなのでしょうね。

 

 また、パワーアンプ「SE-C01」には「POWER」スイッチすら無く、プリの「SWITCHED」から取ってくれということのようですが、「プリアンプ」と「パワーアンプ」は同時に使いますし、Phono入力時にはチューナーは使いませんので、「プリアンプ」と「チューナー」に電源スイッチがあって、「パワーアンプ」に電源スイッチが無いのは「合理的な原価低減」とも言えますけどね.....

 

 他のコンポーネントと組み合わせるのではなく、「この3台を同時購入して使ってください」という意図なのでしょうかね。
 ま、このコンサイスポンポの1台だけを購入して、他はフルサイズのコンポーネントと並べても違和感がありますけどね.....

 

 

 同梱されていたのか、オプション品だったのかは判りませんが、こういったケーブルがあったようです。

 

 

 

 

 

 中段にプリアンプを置いて、下段にチューナーを、上段にパワーアンプを置くことを想定しているようです。

 

 こうすることで、各機器を最短経路で繋ぐことが出来たようですが、こんなケーブルを見てしまうと、やっぱり3台揃えたくなったりして.....
 もしかしたら「プリアンプ」「パワーアンプ」「チューナー」の3台を纏めて買って貰う為の「販促品」のようなものだったのでしょうか?

 

 

 元箱も付いていました。

 

 

 箱に印刷された機器の写真は「実寸」で、箱に入った状態でも「ほら、こんなに小さいんですよ」とアピール。

 

 

 箱には日本語表記が無いので、輸出向けと共通だったのかしらん?

 

 クッションも残っています。

 

 

 

 取説も付いていれば「完璧」だったのですが、残念ながら付いていませんでした。

 

 

 この頃の社名は、「Panasonic」ではなく、「松下電器産業株式会社」

 

 

 本機の場合、プリアンプが「¥50,000」、パワーアンプが「¥65,000」で、合わせて「¥115,000」。
 これだけ出せば、例えばYAMAHAであれば本機の2年くらい前に発売された「A-1」を買うことが出来ましたので、本機は「小さな高級機」という位置付けだったかと思われますが、音質については耳の肥えていない管理人には訊かないでください (笑) 。

 

 

 脚については、前だけ大きなものが使われていて「なんちゃって~~」的ではありますが、前の脚は「A-1」のものよりも大きく、やはり「高級機っぽい」です。

 

 

 これより2~3年後に発売になった、SONYのCDプレーヤー「CDP-101」にも、こんな立派な脚は付いていませんでした。

 

 

 前についている脚ですが.....

 

 

 脚の内部を、このように起こすことが出来、

 

 

 フロント部をやや持ち上げた、こういった配置も可能ですが、樹脂製の脚ですので、この上にあと2台載せる気にはなりません。
 重ねるのではなく、並べて配置する用ですかね?

 

 

 Technics の製品らしく、天板の右手前には特性を示すグラフが.....

 

 でも、例えば10Wと100Wの間の数字は「2」「3」「5」「7」ではなく、「20」「30」「50」「70」の方が判り易かったような.....
 ちなみに、このパワーアンプですが、STEREO駆動だと42W+42W、MONO駆動だと80W出るようですが、いつもご近所に迷惑を掛けないような音量で聴いている管理人は、meter range を 「× 0.1」 にして聴いています。

 

 本機が発売されていた頃の Technics の「プリメインアンプ」や「カセットデッキ」のメーターの多くは「FL (蛍光管) ディスプレイ」が採用されていて、LEDによる表示は一部の機種に限られていたような気がしていて、管理人にとっては「特別感」があります。
 カタログに拠れば「2ポイント表示」とのことですが、残光なんでしょうかね? 3ポイント光っているように見える瞬間もあります。

 今なら「D級アンプ / デジタルアンプ」という技術があって、もっと小さいアンプでも42W+42W出すことは可能でしょうけど、当時としては画期的で、パルス電源による「電源トランスの小型化」が図られていました。

 

 

 「STEREO」と「MONO」の切り替えSWは、底面にあります。

 

 

「MONO」にすると、「mono」のインジケーターが点灯し、「right」chのメーターのみが動作します。

 

 

 但し、MONO時の入力は「Lch」です。

 

 

 セパレートアンプなら、スピーカーを接続する端子は「ネジ止め」にして欲しかったなぁ~~

 

 

 その後、チューナーについては、クオーツシンセサイザ方式による「ST-C03」といった上位機種が発売されましたが、アンプについては「SU-C01」「SE-C01」の後継あるいは上位と思われる機種は、管理人が知る限り無かったようです。
 また後には、横幅が297mmであっても、「SU-C01」などより高さが2倍あるカセットデッキ「RS-M02」、3倍あるカセットデッキ「RS-M03」が発売になり、もうこれは「小さな高級機」ではなく、後に登場する「ミニコンポ」を見ているようです。

 管理人にとっては、「横幅297mm、高さ47mm、奥行き210mm (突起部続く) 」の筐体の中に凝縮された機器だけがコンサイスコンポであって、たとえ横幅が297mmでも、高さが2U (97mm) とか、3U (144.6mm) もあるような製品は「ミニコンポの先駆けであって、コンサイスコンポではなぁ~~い!!」と思っています (笑) 。
 「コンサイス」と名乗るのであれば、高さは「持ち歩ける辞書の厚み」くらいじゃないとね.....

 

 見た目ばっかりに拘る管理人ですが、性能面については、実は「SU-C01」「SE-C01」なんて、「小さな高級機」ぢゃなく、ミニコンポのプリメインアンプと同程度の性能なんだけど、高さ47mmに収めることだけを目的に、「プリアンプ」と「パワーアンプ」に分離したものだったのかもしれません。
 でも、それまで国内のオーディオ機器メーカー各社が発売していた横幅430mm前後の製品とは異なる、「ミニコンポ」という新しいスタイルが生まれる、そのきっかけになった製品のひとつが本機だったのでは?と、管理人は思っています。

 

 

 

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