SONYの可搬型のカセットデッキ、TC-D5Mです。
かつてSONYからは「デンスケ」の愛称で、電池で動かせる生録用のデッキがいくつか発売されていて、野鳥の鳴き声や蒸気機関車の疾走音などを録音する方もいらっしゃいました。
「乾電池で動かすことが出来るので屋外でも使え、スピーカ内蔵」という特徴を持っていて、横幅は一般的なカセットデッキより「やや小さい」350~370mm、重さは5kg前後でしたが、「TC-D5M」では更に小さく軽くなりました。
本機が発売される前には「TC-D5」が発売されていて、その「メタルテープ対応版」ですね。
発売当時「100V電源が使えない環境」で「ラジカセの音」ではなく「オ-ディオの音」を、「この大きさで出す」のは画期的なことだったのかと思います。
「iPhone」などを使っている今の若い方が見ると、「これで小さいの?」と思われるかもしれませんが.....
ちなみに「デンスケ」には「オープンリール / TC-5550-2」や「エルカセット / EL-D8」もあって、いずれも乾電池で動きますので、屋外で生録できます。
周波数特性は、当然でしょうが「オープンリール > エルカセット >カセットテープ」の順です。
「単一の乾電池 × 2本」で動きます。
ACアダプターで動かすときは「6V」ですから、電池駆動時は内部で「3V」⇒「6V」に変換してた?
重量は、電池込みで約1.7kg。
録音機器ですから、ちゃんとレベルメーターが付いていて、「針で左右独立」というのは、昭和生まれの管理人にとって「録音機器なら、当たり前」の仕様。
「BATT CHECK LIGHT」ボタンを押せば、バッテリーチェックが出来、ライトも暫く点灯します
500円玉よりも僅かに大きい程度のメーターですが、「おお~~、頑張ってる、頑張ってる」って感じがします。
「ウォークマン・プロフェッショナル:WM-D6 / WM-D6C」だと、5つのLEDによる表示が一系統で、管理人が「TC-D5M」を選んだ決め手が「ココ」ですが、もちろん最近中古で入手したもの。
(「WM-D6C」も、発売された当時、使っていた頃がありましたが、何度か引っ越すうちに紛失してしまいました。そのうち「WM-D6C」も、入手するかもしれませんが.....)
本機で特徴的なのが「TAPE SELECT」で、半自動?
カセットテープ側に設けられた「誤消去防止爪」の内側にある凹みを検出して、凹みがあれば「CrO2 か METAL」、凹みが無ければ「Normal
か Fe-Cr」ということで、そこは「TAPE SELECT」スイッチで切り替えます。
ということで、「TYPE I」から「TYPE IV」まで全部使えました。
凹みがあれば、穴の奥が赤く見え、「CrO2」か「METAL」かを切り替え、
凹みが無ければ、穴の部分が黒く見え、「Normal」か「Fe-Cr」かを切り替える、ということです。
前モデルの「TC-D5」では「TYPE IV / METAL」がなく、「CrO2」は自動切換えで、「Normal」と「Fe-Cr」はマニュアルで切り替えていたようですが、ここで「カチッ」と切り替えるメカニカルな操作感が、「PCオーディオ」には無い魅力かと管理人は思っています。
本機が発売された頃は、既にステレオ化した「ミニのフォーンジャック」があったと思うのですが、「TC-D5」をベースにしているので標準のフォーンジャックが付いています。
また、このジャックであれば「ウォークマン向けの軽量なヘッドホン」ではなく「モニター用途のヘッドホン」が、アダプタ無しでそのまま使えて便利だったのでしょうね。
メタル対応機なので「S & F 」(センダスト アンド フェライト) ヘッドが使われており、使用時間は判りませんが、そんなに磨耗していないように見えます。
メタルテープ対応前は、「F & F」(フェライト アンド フェライト) で全体的に黒いです。
「磨耗したヘッド」というのは、こんな感じで、テープが通過した部分で段差が見えます。
これはラジカセに使われていたもので、「パーマロイ」のヘッドかと思いますが、管理人が就職するまで「8年くらい」酷使しましたからね。
SONYの場合、オープンリールデッキも、カセットデッキ (可搬型の「デンスケ」タイプも含め) も、「TC-xxxx」という型番で、後にオープンリールは「TC-Rxxx」、カセットデッキは「TC-Kxxx」、可搬型は「TC-Dxxx」という型番に変わりましたが、「TC-Dxxx」というのは「TC-D5 と TC-D5M だけ」だったのかもしれません。
ちなみに、現在この個体は、内蔵されたスピーカーからは音が出ませんが、「この小さなスピーカー (5cm) で、モノラルで聴く」といった使い方はしていないので「そのまま」です。
業者さんに修理を依頼したら、「入手したときと同じくらいの価格」を要するかもしれませんからね。