C-3

 TEAC(ティアック)のカセットデッキで、1970年代後半の製品です。

 

 当時TEACからは、「C-1」「C-2」「C-3」というシリーズが発売されていて、この中で「C-1」だけは、メタルテープ登場以前の製品で、後にメタルテープに対応させた「C-1 mkII」になりました。
 フロントパネルの色がアイボリーで、回転ボリュームや、オプションのラックハンドルを付けたときの外観が、計測機器や業務用機器を思わせるようで好きでした。
 管理人にとって、このシリーズは、TEAC製品の中で最も印象に残っている製品でしたが、トップモデルの「C-1」は当時20万円以上して、ヤフオクでは今でも高値で取引されています。

 発売当時、もちろん管理人に購入できるようなお金はなく、ようやく最近になって「C-3」を競り落とすのが精一杯でしたが、「C-3」でも離れたところから眺めれば「C-1」っぽく見えませんか?
 「C-3」の価格は\100,000を切っていたと思いますが、それは上位機種「C-1」「C-2」の部品を流用できた上での価格であって、もしこれが単独モデルだったら、この意匠で¥100,000以下では発売出来なかったのでは?と想像します。

 

 オーディオ機器のフロントパネルの色ですが、昔は「シルバー」が一般的で、高級機に「黒」が多かったように思います。(「多くは」という話であって、例外はいくつもあります。)
 その後「黒」が普及価格帯にまで広がってきて、高級品には「ゴールド」「シャンパンゴールド」「チタン」といった色が使われるようになって、今日に至っていると思います。
 「白」とか「アイボリー」というのは、業務用機器とか、オフィス用OA機器に多く使われる色であって、コンシューマ向けのオーディオ機器に使われるのは多くはないと思いますが、管理人は「ゴールド」や「黒」よりも好みです。
(「ゴールド」は、高そうに見えますし、「黒」ばかりだと、室内が暗くなる気がしています)

 その後、TASCAMブランドで「112」「122」といった型番の業務用のカセットデッキが発売されました。フロントパネルの色は黒でしたが、レベルメーターや録音レベル調整ボリュームなどは「C-1」「C-2」「C-3」の外観デザインに近いものになっています。

 

 また各社のカセットテープの特性に最適化できるよう、BIASとLEVELを左右独立で微調整できるような機能を持たせてあります。3ヘッド機なのでテスト信号を録音し再生される音のレベルが合うように調整します。

 

 

 管理人は持っていませんが、オプションで「TO-8」という低周波発振器がリリースされていて、その信号を「TEST IN」端子に接続、「INPUT」を「TEST」に切り替え、周波数の低い信号で「REC REVEL」を調整 (テープ毎に異なる感度を調整)、次に高い音声に切り替えて「BIAS」を調整 (高域のレベルを低域を合わせ平坦な周波数特性にする)、これを繰り返して最適点にもっていくのだと思います。(BIASを上げると高域が下がり、BIASを下げると高域が上がったように記憶しています)

 

 後に発売されたTASCAMブランドの業務用カセットデッキ「122 MKII」では、低周波発振器が内蔵されるようになり、録音の度に調整していました。

 

 「C-3」は、外観が気に入っている機器の1つなのですが、「C-3」と並べると似合うようなアンプがありません。
 当時のTEACは、「ほぼ」テープデッキの専門メーカーでしたからね.....
 ひとつだけ「ポツン」とアイボリーの機器があっても.....と、思っていた時期もありましたが、「CDR630」のページで紹介しているように、今はVHSデッキの「BR-S800DX」と、CDプレーヤーの「CDR630」を並べて配置しています。

 

 

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 現在、カセットテープの市場がかなり縮小していることから、DOLBY-NRのICが生産終了になっているようで、現行のカセットデッキはDOLBY-NRに対応していません。
 一方で、現在販売されているミュージックテープでも、メーカーによっては「DOLBY録音」されたものもありますので、そういったテープを聴かれる方や、FM番組からDOLBY録音したカセットテープを数多くお持ちの方にとっては、修理業者さんを見つけてでも当時のカセットデッキを直して使い続ける価値はあると思っています。
 でも、若い方がこのテープを見ても、「DOLBY DIGITAL」とか「DOLBY ATMOS」なら聞いたことあるけど、「B NR」って? 「BNR32」なら知ってるけど..... なんて思うのかもしれませんね。

 

 

 

 

 「DOLBY」のロゴですが、いつ頃からかは知りませんが、変わっていたんですね。
 昔はこのようなロゴでした。(この頃、業務用の「A」タイプもありましたが、民生用には「Type-B」しかなかったので、この表記で十分でした)
 「DOLBY」以外には、Victorの「Super ANRS」とかAurexの「adres」などもありましたが、多くのメーカーに採用されていたのは「DOLBY」だけだったように思います。

 

 

 「Dolby - C」が登場すると、こういった表記に

 

 但し、市販の録音済みのミュージックテープでは、互換性を考慮し「Type-B」が殆どだったように思います。

 

 

 テープも同様で、 昔、一般家庭用でテープヒスノイズを低減させる「Noise Reduction」といえば、「DOLBY」しかなかったので、「IN」「OUT」の表示しかありません。

 

 

 

 

 その後「DOLBY」の「C」タイプや「S」タイプが登場、「dbx」を内蔵させたデッキも発売されるようになると、下の写真のように、「NRのタイプ」を記入できるようなラベルも現れました。

 

 

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