NS-1000MM

 YAMAHAのスピーカー、「NS-1000MM」です。
 1990年代後半に発売された製品ですので、本サイト上では「ちょっと前の機器」なのですが、「NS-1000M」と比較し易いように「懐かしいオーディオ機器」のコーナーに追加しています。

 

 1997年頃に発売されたようで、1997年11月作成のカタログでは「本格 Hi Fi」「デスクトップ」「ホームシネマ」と多彩なセッティングで幅広く楽しめると記載されていて、管理人は2022年9月頃「ヤフオク」で入手しました。
 '90年代にはまだ広く使われていた「ブラウン管式のテレビ」の横にも置けるよう、防磁型設計になっている一方で、リア用スピーカーとしての使用も考慮したのか、新品購入であれば、10mのスピーカーコードが2本付いていたようです。 

 

 

 1970年代~1980年代のオーディオファンの方であれば、「見慣れたスピーカーに良く似ている」かと思いますが、並べてみるとこれだけ大きさが違い、幅は「NS-1000M」の375mmに対し「NS-1000MM」が150mmで、1 / 2.5 のサイズです。
 高さは「NS-1000M」の675mmに対し「NS-1000MM」が275mmで、約 1 / 2.45 のサイズですので、ちょっとだけ縦長です。
 1997年は「NS-1000M」が製造終了した年でもあり、「NS-1000M」と「NS-1000MM」の両方が店頭に並んでいた時期もあったのかもしれません。

 

 

 上から見ると判りますが、「NS-1000MM」の奥行きは意外にあって、「NS-1000M」の326mmに対し、180mmあって (「NS-1000MM」は、横幅より奥行きの方が長いんです) 、約 1 / 1.81。
 ミニカーみたいにオリジナルに忠実な「ミニサイズ」を作ろうとしたのではなく、音質を優先した上での結果かと思います。

 

 各ユニットの大きさですが (ここでは、振動版の口径ではなく「フレームの縦横の大きさ」です) 、
 ウーファーは「NS-1000M」が約300mmに対し、「NS-1000MM」が約125mmで、約 1 / 2.4。
 スコーカーは「NS-1000M」が約180mmに対し、「NS-1000MM」が約75mmで、約 1 / 2.4。
 ツイーターは「NS-1000M」が約100mmに対し、「NS-1000MM」は約40mmで、約 1 / 2.5。

 エンクロージャーの幅が 1 / 2.5 、高さが約 1 / 2.45 であるのに対し、ウーファーやスコーカーが 1 / 2.4なので、 「ユニット間の間隔」や「ユニットからエンクロージャーの端までの距離」が、やや狭くなっているように見えます。
 ま、これも、忠実に「ミニサイズ」を作ろうとしたのではなく、音質を優先した上での結果かと思います。

 なお重量は「NS-1000M」が 31kg なのに対して、「NS-1000MM」は 3kg で、約 1 / 10 の重量です。

 

 このスピーカー、「外観は NS-1000M を彷彿とさせるものの、音はそうでもない」なんてことは十分に判っていますが、2000年頃、会社で「PCM」「DOLBY-DIGITAL」「dts」「MPEG Multi Channel」デコーダーを内蔵した欧州向けのTVを評価しているときに、比較用機器のひとつとしてこのスピーカーを使っていましたので、懐かしさから「つい」入手してしまったものです。
 ¥30,000 (2台1組・税別) で発売されたスピーカー (スタンドは別売) に、NS-1000M の片鱗を感じるような音なんて、元々期待していません (笑) 。

 

 

  「ツイーターが内側になる」ように置いた場合、Serial No. に「A」と記載された側が「Rch」になりますが、取扱説明書に拠れば、「A」は「左スピーカー」のようで、カタログ上でもツイーターが外側になるような置き方で掲載されています。 

 

 

 「ツイーターが内側になる」ように置いた場合、Serial No. に「B」と記載された側が「Lch」になりますが、取扱説明書に拠れば、「B」は「右スピーカー」のようです。

 

 安価なスピーカーだったからでしょうか? 「NS-1000MM」は「マレーシア製」です。

 

 

 銘板上で、NS-1000Mのような「L / R」表記ではなく、「A / B」表記にしたのは、「NS-1000M」みたいに「ツイーターを内側に置く」ような使い方も考慮されていたからなのでしょうかね?

 

 

 

 

 本スピーカーには「サランネット」が付いていますが、このネットは「NS-1000M」には無かったもので、オークションの出品物などでは、このネットが欠品だったりすることがあります。

 

 

 

 「NS-1000MM」のスピーカー端子は金メッキ端子で、ネジで締めますので、「接触抵抗」という点では、「NS-1000M」に勝っているのかもしれません。
 だからといって「スピーカーケーブルをネジで締められない NS-1000M に勝る音」だとは思っていません。

 

 

 

 入手時、不思議に思ったのが、底面に設けられた「ネジ穴」

 

 手前側はスタンドに固定するための「ネジ穴」なのですが、スタンドには「ひとつ」しか穴が無く、スタンドの取説にも「ネジ1本」+「両面テープ」(いずれも付属) による固定方法が記載されています。

 

 ネジ間は60mmあり、天井吊り用 / 壁掛け用スピーカーブラケット「SPM-5」に取り付けるためのネジ穴のようですが、よくあっちこっちにぶつかる「おっちょこちょいな管理人」にとっては、もうちょっと後ろに「もいっこ」ネジ穴を設けて「ネジ2本でスタンドと固定」したいところでした。
 スピーカー本体に手を加えずに「ネジ2本でスタンドと固定出来る方法」がないか、模索中です。

 

 

 スタンドの下端には「YAMAHA」のロゴがありますが、これは購入したお客さんが自分で貼るものですので、オークションの出品物などでは、欠品になっていることもあります。

 

 

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 なお、ネットショップなどでは「NS-1000MM」が「ペアで ¥60,000 ~ ¥80,000」という価格で売りに出ていることがあります。な~んと「送料無料」ですが、本体価格で儲け過ぎでは?
 それだと「NS-1000M」の中古品の相場と近いので、「NS-1000M」と勘違いして注文したりすると、現品が着いたときに、期待していたのよりも「とんでもなく小さなモノ」に、びっくりすることになってしまいますので、ご注意ください。

 

 

 

 Web上の小さな写真で見る限りは実際の寸法が想像できず、外観もそっくりです。
 でもよ~く見れば、「NS-1000MM」には、「レベル調整が付いていない」「YAMAHAのロゴの下に機種名が記されていない」「四隅にサランネットを取り付けるための金属部品がある」「スコーカーのグリル内のネジの配置が違う」といった違いが判ります。

 「NS-1000MM」が販売されていた期間はそんなに長くはなく、「NS-1000M」と外観が良く似たミニサイズの「NS-1000MM」が販売されていたことを知る方は多くないのかもしれません。
 管理人はリアルタイムで知っていますけど.... 

 「NS-1000MM」はプレミアムの付くようなモデルではないので、ヤフオクでも元々の価格 (ペアで¥30,000) を超えるような価格での落札はないようなのですが (ペアで¥15,000 ~ 20,000弱が相場) 、一部のネットショップでは ¥30,000 以上の値付けで販売されています。

 また「NS-10M」のミニ「NS-10MM」というのもありましたが、「NS-10M」が左右対称設計であったのに対して「NS-10MM」は、ツイーターが前面キャビネットの上部中央に配置されていました。
 そのため「NS-10M」だと思って「NS-10MM」をネット購入する方は少ないのかもしれませんが、サランネットが付いた状態の写真しか掲載されていない場合があり、それだと「NS-10M」と思って「NS-10MM」を買ってしまう場合もあるカモです。

 

 

 なお、JBL のスピーカーにも、「4312」のデスクトップ版「4312M」というのがありましたが、こちらは「Mark II」も発売になり長く販売されていたので、「4312」に似た「4312Mというデスクトップ版があった」ということがオーディオファンには広く知られていて、「4312」だと思って「4312M」をネットで購入される方は少ないのかもしれませんし、「4312M」(「M」は「ミニ」を意味するものと思われます) を「4312」みたいな価格でネット販売しているサイトを、今の処管理人は見たことがありません。

 

 JBLの「4312」とか「4312M」って、こんな感じのヤツです。

 

 

 

 

 でもこれは、お菓子です。

 

 

 なぁ~んて思っていましたが、「4312M II (ペア) 」」を¥180,000以上の価格で販売しているネットショップを見つけました。(こちらも「送料無料」(笑) 。)
 「4312M II」って生産完了したっぽくて、元々は「ペア」で¥70,000くらいで売られていて、ヤフオクでの落札価格は ¥40,000ちょっとのようですが、¥180,000も出せば「30cmのウーファー」が載った「ミニ」ぢゃない、中古の「4312」が手に入ると思います。(ちなみに4312Mのウーファーは13.3cmのようです。)

 「ミニ」ぢゃない「4312」には、「4312 Mk II」ってのもあって、これと「4312M II」が間違え易いのかと思いますが、「k が有るか無いか」で大違いですよ。
 「4312 Mk II」ってのは、「4312」の「Mark II」で、「4312M II」ってのは「4312」の「mini」の「Mark II」なんです。
 YAMAHA の NS-1000M / NS-1000MM の場合、最初の「M」は「Monitor」の意味で、ふたつ目の「M」が「ミニ」の意味でしょうけど、「4312 Mk II」と「4312M II」も、なかなか間違い易いです。

 

 一部のネットショップでは、「NS-1000M と勘違いさせる」「4312 と勘違いさせる」ことを狙って「確信犯」的にやってるのかしらん?(寸法とか重量とか書かれていませんし、騙す気満々みたいな.....)
 こういったネットショップは、「お客さんを騙そうとしている」のか「商品知識が全く無い」のでしょうから、管理人は何も買う気になれませんけどね。

 でも「そーゆーの」が、Yahoo News とかを見ていると、その右に表示されるんですよ。
 いったいいくら広告費を払って表示させているのか判りませんけど、世の中の相場とかけ離れた価格で販売しているサイトなんて、Yahoo News なんかの横に表示されないよう排除できないのかなぁ? 

 

 

 

 さて、これは管理人が、「NS-1000MM」を「もっと! NS-1000M みたいに見せよう」とか「NS-1000M と勘違いさせてやろう」と行ったもので、「冗談半分」「軽い気持ち」でやってるだけです (笑) 。

 

 「レベル調整が付いていない」「YAMAHAのロゴの下に機種名が記されていない」「四隅にサランネットを取り付けるための金属部品がある」といった点をカバーしてみました。
 「レベル調整」や「機種名」は、「NS-1000M」の実機を撮影したものからレタッチして、NS-1000MMのサイズに合わせて印刷したものを粘着力の弱い両面テープで貼ったもので、四隅の金属部分はマスキングテープでカバーしていますが、気が変わったら簡単に元に戻せます。
 当然ですが、「レベル調整」は「ただの印刷」ですから、動きません (笑) 。

 「NS-1000M」など1970年代に発売された3ウェイスピーカーであれば、「レベル調整」が付いているのが一般的だったかと思いますが、1980年代後半あたりから「レベル調整」の付かない3ウェイスピーカーも現れたようです。
 「調整しなくてもベストバランスですよ」「レベル調整なんて音質を劣化させるだけの余計なモノです」という考え方なのでしょうかね?
 そういえば「NS-1000M」を髣髴とさせる現行の「NS-5000」にもレベル調整は付いていないようです。

 但し管理人の場合は、「NS-1000M」の音が好きなのはもちろんのこと、外観がとても印象に残っていますので、「NS-1000MM」に「紙で出来た、なんちゃってレベル調整」を付けて、「NS-1000M みたいに見える」ようにしたんですが、こんなことは一流メーカーには出来ないことですよね (笑) 。

 ちなみに「NS-1000M」についている「レベル調整」ですが、管理人は廻したことがありませんので、「NS-1000MM」のレベル調整が廻せなくても、管理人は全然困りません。 

 

 

 これは、オリジナルの「NS-1000MM」と「NS-1000M」を比較した様子ですが.....。

 

 

 これで外観の違いは軽減され、更に「NS-1000M」の見た目に近づいたでしょうか?

 

 個人的には「のっぺらぼー」「何か足りない」的な印象が無くなったように思いますが、当初は「冗談半分」「軽い気持ち」だったのに、意外と気に入っていて、しばらくはこれで行くカモです。

 「3ウェイでレベル調整の付いたスピーカー」は、YAMAHAからもいくつも発売されていましたが、「ウーファーにグリルがあって」「大きなYAMAHAのロゴが付いた」スピーカーは、「NS-1000M」と「NS-1000MM」しかないみたいで、「NS-1000M」っぽく見せられるスピーカーは、「NS-1000MM」しかないみたいです。

 「NS-1000MMの音」なんて、全然期待していなかった管理人ですが、外観がここまで似てきちゃうと、音についても「NS-1000M」の片鱗を感じちゃう..... なんてことはありません (笑) 。

 「NS-1000MM」の音質改善策としてWeb上には、吸音材やネットワークによる改善といった記事などを見つけることが出来ますが、見た目の改善を図るのが「耳の肥えていない管理人流」で、これならPCの画面を通じても変化が十分に判りますよね?

 

 こういった外観だったら、JBLの「4312M」みたいに「Mark II」が発売されるようなロングラン製品になったカモ?
 (しつこいようですが、これもあくまで「管理人個人の感想」です。)

 

 

 

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