PT-55

 SONYのプログラムタイマー「PT-55」です。

 本機は特に個性的な外観を持った製品ではないのですが、「昔はこんな機器もあったんですよ」という意味で、ここで紹介しています。

 

 購入当時、ボタンは「グレー」だったと思うのですが、今ではかなり黄ばんでいます。
 家族の誰も煙草は吸っていなかったのですが、長年の太陽光で黄ばんでしまったのでしょう。

 

 

 FM放送を留守録音するために、所定の時間にカセットデッキへのAC100Vをon/offさせるもので、背面に「AC OUTLET」があります。

 

 消費電力「500W」というのは、カセットデッキを動かすには十分な容量ですが、「大出力アンプ」とか「大画面TV」とかも繋ぐと「容量オーバー」になって、タイマー自体が壊れてしまうかもしれませんよ。

 

 

 留守録音に対応したデッキを、ここから電源を取るようにし、デッキを「POWER ON」「TIMER REC オン」に設定しておけば、「AC OUTLET」がONになると録音が始まります。

 

 ここでは使っていませんが、もちろん「爪を折っていない」カセットテープを入れて、巻き戻しておく必要がありますよ。

 

 

 

 

 

 前面左側にある「切替SW」で、タイマーの設定状態に関係なく、AC OUTLETを「常時オン」「常時オフ」にしておくことも出来ます。

 

 

 

 本機の場合、背面に「電源周波数」に対応したスイッチがありますが、もっと昔の機器だと「50Hz用」「60Hz用」が別々に用意されていて、時計やレコードプレーヤーなどでは「引っ越して電源周波数が変わると、速度が変わってしまい、使い物にならなくなる」場合もありました。
 大雑把に言うと、東日本が「50Hz」、西日本が「60Hz」で、境界は静岡県あたり。

 

 後には、電源周波数を検出して「自動切替する」ものが一般的になり、一般ユーザーが「電源周波数」のことを気にする必要は少なくなったように思います。

 

 これは最近購入したローコストの電子レンジの例ですが「60Hz専用」ですので、東日本に引っ越してしまうと使えなくなるようなものもあります。

 

 

 この頃、Technics / National が、「アンプ/チューナ/スピーカ/プレーヤ/デッキ」に続く「6番目のコンポ」といったキャッチフレーズで宣伝していて、自宅にいない時間にFM番組を録るのには、こういったタイマーは必須アイテムでした。
 当時はまだ「レンタルショップ」のない時代で、2週間先までの番組表 (番組ごとに、演奏される曲、演奏時間が掲載されていました) が収録されたFM雑誌を買ってきて、「FM放送を録音する」ということを多くの人が行っていたと思います。

 「レンタルレコード」や、その後の「レンタルCD」の登場後は、「FM番組をカセットテープに録音する」ということが次第に行われなくなり、ビデオデッキやハードディスクレコーダーなどの録画機器では、製品の中に時計が内蔵されていることから「オーディオ用のタイマー」という製品カテゴリー自体がなくなってしまいましたね。

 

 

 前面右端の「スイッチ」を「SECOND」にすれば、「分」と「秒」が表示され、「TIME ADJUST」に切り替え、画面中央にある「ZERO SEC」を押下すれば、0秒ジャストに設定できます。

 

 こういった機器が発売される前には、時計のような円形の文字盤の外側にピンを差して15分刻みで何回かのon/offが出来るものもありましたが、FM放送を録音するには1分刻みで設定出来たほうが良いですよね?
 このタイマーを実際の時刻よりも「10秒程度進んだ状態」に合わせておけば、タイミング良くFM番組が録音出来ました。

 

 

 「PT-55」は、管理人が高校に通っていた頃、貯めていた小遣いで購入したものですが、当時はネットショッピングなんて無く、電車に乗って「大須アメ横」まで出掛けていて、往復の交通費も「¥2,000近く」要したかと思います。
 上級機には10キーが付いていたり、24時間の間に数回のon/offができるものもありましたが、PT-55はローエンド機で「10キーなし、on/offは1回」、値段は¥10,000弱だったと思いますが、管理人の所持金では、これしか買えなかったんです (泣) 。
 カセットテープならオートリバース機を持っていても120minか150minあたりがmaxでしょうから、何度もon/off出来ても意味なかったんですよね。
 当時家にあったカセットデッキ「K-1a」だと、120minテープを使っても、片道60minがmaxで、まだ150minテープは無かったように思います。

 最近、当時のカタログ (昭和55年5月) を入手しましたが、標準小売価格は¥11,200 だったようです。

 

 

 管理人が就職して実家を離れる前までは、こういった機器でエアチェックをしていました。

 

 上から、チューナーの「T-1」、プリメインアンプの「A-1」、一番下がカセットデッキの「K-1a」で、これらはどれも「YAMAHA」製で、今見ても「性能はともかく、外観がユニークで素敵!」と思っていますが、もちろん「手前味噌」ですよ。

 タイマーだけは「SONY」製で、これだけは当時高校生だった管理人が、お小遣いを貯めて購入したものでしたが、当時「YAMAHA」のコンポーネントの横幅は「435mm」で、SONYのそれは「430mm」だったので、サイズが「ビミョー」に合っていません。
 でも「K-1a」が発売されていた頃、YAMAHAからは「DT-1」というハーフサイズ(幅217mm) のものしか発売されていなかったように思います。
 当時の思い出まで考えると、機器を入れ替える気にはなれず、これらは「ずっと、そばに置いときたい」です。
 動かなくなっても、手放しませんよ (笑) 。

 

 購入から40年以上経った現在、管理人は実家に戻っていますが、「PT-55」だけは、このラックから出していて、「FM放送の留守録用」ではなく、設定した時刻に「玄関の明かりをON/OFF」させるのに毎日役に立っていますので、十分に元は取れています。

 

 「ソニーのタイマー」ですが、俗に云う「ソニー・タイマー」は入っていないようです。

 

 

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