番外編 (CFS-10)

 これは、SONYから1980年頃に発売されたラジカセ「CFS-10」で、「Metal 365」という愛称が付けられていました。

 

 以前SONYのラジカセの機種名は「CF-xxxx」だったのですが、この頃はステレオのラジカセは「CFS-xxxx」、モノラルのラジカセは「CFM-xxxx」と名付けられていたようです。

 

 

 1980年5月に発行された「総合カタログ」でのキャッチフレーズが

 「どこまで行くんだステレオ。メタル365。」

 「乾電池でも動くので、屋外でも使える」というより、「外に積極的に連れ出してほしい」というコンセプトなのかと思われ、カタログにも下の写真のように「原っぱで聴いている?」ような写真が掲載されています。

 

 

 初代「Walkman」(TPS-L2) が発売されたのが1979年でしかたら、この頃から「屋外でステレオで愉しむ」ことを想定した製品が現れ始めたようです。

 

 「CFS-10」が発売された前年の1979年には、SANYOから「おしゃれなテレコ」の初代モデル「MR-U4」が発売されましたが、初代モデルは「BLACK」と「シルバー」の展開で、まだカラーバリエーションはなかったようです。

 「Metal 365」も、初代「MR-U4」も、まだ「女のコが持ち歩く」ような「可愛いラジカセ」にはなっていなかったように思いますが、「Metal 365 を持ち歩く女のコ」なんていたら、「かっけー」と思いますけどね.....

 

 初代「MR-U4」が乾電池込みで 2.1kg なのに対して、「Metal 365」は乾電池込みで 2.9 kgもあり、ずっしりと重いです。
 横幅は「Metal 365」の方が小さいのに.....これは「女のコが持ち歩く」ようなものではなく「男のコ用」ですね。
 「Metal 365」の「Metal」っていうのは「メタルテープ対応」という意味だけではなく、屋外でのハードな使用を想定してか、ハンドルや前枠は金属製のようで、「筐体全体が Metal で、堅牢」ってことも含まれているのではと思いますが、これの「角っこ」は、十分凶器になりそうです (笑) 。

 

 これは「初代U4」ではなく、管理人が持っている「U4-SF」との比較ですが、「U4-SF」が乾電池込みで2.4kgで、「U4-SF」よりも小さいのに「ずっしりと重い」です、

 

 

 

 「365」の意味は、ハンドルを除いた横幅が「365mm」であることから来ているようですが、ここまでコンパクトであれば「365日いつも持ち歩けるステレオラジカセ」という意味も含まれていたのかもしれません。
 Web上で見つけた1980年3月に発行された「単品カタログ」には「1年中、行動半径が広がる。メタル365。」というキャッチフレーズが見つかります。
 2.9kgはちょっと重いですけど.....

 

 

 スマホが普及している現在では、「メタルテープが使えること」より、「外部入力が使えること」のほうが嬉しいように思います。

 

 本機が発売された1980年頃、「外部入力に繋げる機器で、屋外で使えるモノ」って、何があったの?って思いますけど.....

 

 

 このラジカセ、「チューニングスケール」とか「チューニングダイヤル」が無く、PLLシンセサイザー方式による選局です。

 

 

 

 「SCAN」ボタンを「ポチポチ」と押す度に UP / DOWN し、長押しすればサーチを始め、局が見つかるとそこで止まります。
 局が見つかったところで、左上の「MEMORY IN」を押しながら、「1」~「7」のボタンのどれかを押下すれば、そこにメモリーされます。

 

 「単1×4本」が乾電池駆動するときの電源で、それ以外にメモリーを保持するための電源「単4×2本」が必要なようです。

 

 

 正面から見て左側面には「AC INPUT」がありますが、「スカイセンサー・カセット / CF-5950」や「初代ZILBA'P / CF-6500」と同じく、「DK-33H」を使用します。入手したこの個体にも付いていました。

 

 

 

 入手したこの個体で「ちょっと惜しい」のが.....

 

 ひとつは、カセットテープを再生したときの回転ムラが「やや」大きく、再生スピードも「やや」遅いように思えます。
 でも、「iPad」などによる外部入力の再生がメインなら、これは許容できるでしょう。

 

 もうひとつが「音がイマイチ?」な気がするところで、低音が物足りません。
 但しそれは、この機種本来の音が出ていないことが原因のように思われます。

 

 スピーカーのエッジ部分が破れているように見えます。

 

 これだと低音が物足りないのも、当然でしょうか?

 

 40年以上も前の製品ですから、こういうこともあるでしょうね。
 オークションに出品されていた、他の「Metal 365」でも、エッジの破損が商品説明に書かれていたので、エッジに「発泡ウレタンフォーム」を採用しているこの機種の持病なのかもしれません。

 2000年頃、会社で「PCM」「DOLBY-DIGITAL」「dts」「MPEG Multi Channel」デコーダーを内蔵した欧州向けのTVを評価しているときに、比較用としてAVアンプと古いスピーカーを並べて鳴らしていたのですが、途中から古いスピーカーからの低音が明らかに不足、ウーファーを見るとエッジがボロボロになっていて、スピーカーの前にはエッジの破片が散らばっていました。
 たぶん、これと同じ様な状況になっているのかと思います。

 

 低音を上げることで「まあまあ聴ける音」になっています。

 

 

 時間のあるときに、スピーカーを交換するか ( 口径は「10cm」です) 、エッジを張り替えてみたいと思っていますが、一体いつになることやら.....

 管理人の場合、「時間のあるときに」って言っときながら「放置プレイ」になっているものが沢山あります。

 

 

 

前ページへ <   > 次ページへ

「懐かしいオーディオ機器 トップページ」へ