機器と機器を接続するケーブル類や、電源ケーブルの価格には様々なものがあり、例えばスピーカーケーブルでは、「¥10,000/m」でも管理人にとっては十分に驚きの価格ですが、最も高価なものでは、1mペアで「¥2,000,000超」というものもあります。
高価な線材を使用すれば、抵抗値やインダクタンス/キャパシタンスが「より小さく」なり、傾向的にはより良い方向に行くとは思います。
しかしながら、オーディオ機器の内部に使われている線材や、基板裏面の銅箔パターン、基板上のフィルター/コイルなどの部品に使われる線材、スピーカーのボイスコイルやネットワーク上のコイルに使われている線材はそれほど太い線材でもないようですので、機器同士を繋ぐケーブルにどれだけお金を掛けたとしても、得られる効果は「限定的」ではないか?と思います。
例えると、関東から関西に移動するとして、今の航空機よりも更に速い航空機を開発し続けたとすれば、羽田-関西空港間の移動時間はどんどん短縮されますが、「羽田に着くまでの道中」と「関西空港に着いたあとの道中」が同じなら、トータルで見ると、「より早く着く」ことには変わりありませんが、効果はいずれ頭打ちになってきますよね?
ケーブルについては、「このあたりまでは、効果が判り易い」「ここから先は、効果を感じるかは微妙」という領域があるのだと管理人は思います。
JBLのスピーカーのカタログを見たところ、ペアで¥1,600,000 (税別) のスピーカーが載っている一方で、一緒に掲載されていたスピーカーケーブルの価格は、最も高価なものでも、¥1,800/m
(税別) でした。
もしJBL社が「高価なスピーカーケーブルを使わないと、自社スピーカーの性能が発揮されない」と考えているとすれば、高価なケーブルを開発あるいは紹介するのではと思いますが、そういったことがされていないところを見ると、「自社の¥1,800/m
のスピーカーケーブルで、十分に性能は発揮されますよ」と暗に言っているのではないか?と思います。
また、「高価なケーブル」を販売しているのは、「オーディオ機器を開発していないメーカー」が多いように思います。
管理人が使っているスピーカーケーブルも、そんなに高いものではありませんし、ピンケーブルについても、管理人の使っているプリアンプ「HCA-8000」の入力端子が少ない為、ピンケーブルを差し替えることが多く、その際「間違えないように」という目的で、「外観の異なるいくつかのケーブル」を使っています。
但し、オーディオ用 / ビデオ用 / RF用では、それぞれ対象とする周波数帯域が異なりますので、そこは区別して使っています。
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以前、とあるオーディオ店で、電源ケーブルについてその効果を体験できるイベントがありました。
他にお客さんがいなかったので店員さんに頼んで聴かせてもらいました (一応、一品は購入しています、でないと頼みにくいですよね)。
視聴部屋の中で手を叩いてみると「ちょっと響く」くらいで、管理人にとって「丁度いい」くらいの感じでした。
視聴に使ったソフトはSACDで、お店の人に拠れば「情報量が多いので....」とのことでした。
さて、本題の電源ケーブルによる違いですが、ケーブルを交換し演奏を再開した直後には、「違いがあるような気もする」ものの、「標準添付の電源ケーブルの音」も、しばらく聴いていると慣れてきて、全然問題ない音に管理人には聴こえました。判る人には、ちゃんと違いが判るんでしょうけどね.....
お店の方からは「そこは是非、いい音に慣れて頂いて.....」と云われましたけど、「管理人の耳が肥えていなくて、ごめんなさい」です。(T_T)
「ケーブルの影響よりも部屋の影響のほうが大きい」と思っている管理人は、そういった質問をお店の人にしてみましたが、「そこは難しいので、まずはケーブルから」といった説明を受けました。
「部屋について」のページで述べたように、「ライブ過ぎる部屋」や「デッド過ぎる部屋」を、ケーブルで補正できるとは管理人には思えませんけどね。
管理人が若い頃は、お店の店員さんが年上で経験豊富だったので、「ホントだぁ、なるほどね~~」と、教えてもらうことも多かったのですが、今となっては、店員さんが若僧に見えてしまって、「な~に言ってんだろぅ」な~~んて思っちゃいます。
ケーブル類は、(1) 故障することが殆どなく、アフターサービスを要することが稀、(2) 「切り売り」や「パウチのようなパッケージ」だと、返品されることが少ない、(3) 高価なものなら、売上高に大きく貢献する一方、在庫するのにもあまり場所を取らない、といった理由で「販売する側にとっては、好まれる商品、売りたい商品なのでは?」と、ひねくれた性格の管理人は思っています。
高性能な機器を揃えている方にとっては、ケーブルを替えることによる違いなんて「容易に判ること」なのかもしれませんけどね.....