(続) 4KTV/4K放送が暗い?

 先のページで述べた、

 >>> 従来のSDR技術でも収録できた範囲 (100cd/m^2まで) は、なるべく従来TVのような明るさにしておいて、そこから先は圧縮して「飽和させないように (潰れないように) ジワジワと伸ばしていく」

 「そんなこと、実際出来るの?」という疑問もあるかもしれませんが.....

 

 

 ここでは、管理人が普段観ている液晶TV「UT47-MX770JW」で、輝度信号の振幅と、画面上の輝度の変化を確認しようとしていますが、この液晶TVには、輝度信号の波形を確認できる「コンポーネント信号」を繋げる入力端子が無いので、信号発生器とは「HDMI」で繋いでいます。

 

 この信号発生器 ( Shibasoku の TG35CX + HDMI出力ユニット付き ) ですが、管理人は「¥1,000 (送料別) 」で入手しています! \(^_^)/

 発売当時に新品購入していたら、「¥3,000,000 以上」だったと思うのですが.....

 今から10年後には、「4K/HDR対応」の信号発生器も「¥1,000 くらいで入手できるカモ」ですが、管理人には「4K/HDR」に対応したTVを評価した実務経験がないので、どこのメーカーの、どの「信号発生器」や「計測器」を入手するのが、管理人にとって適切なのか、今はちょっと判りません。
 これから「十分な時間を掛けて」調べていきたいと思っています。

 

 

 

 これが「グレースケール信号」を受信したときの輝度変化です。

 

 

 「映像モード」を「スーパー」にしたときは、中間部分の明るさを上げ「画面を明るく見せる」一方で、「60%白」あたりから上は、伸び方を緩やかにして潰さないようにし、更には「黒」を沈めるような画作りをしているようです。
 その一方で「シネマティック」では、階調を忠実に表現することを優先しているようです。

 

 「映像設定メニュー」の細かい話をすると、「映像モード:スーパー」の時は、映像設定2ページ目の「コントラスト」設定のデフォルトが「ダイナミック」になっています。

 

 これが「映像設定」の2ページ目。

 

 

 「映像モード:シネマティック」の時は、映像設定2ページ目の「コントラスト」のデフォルトが「リニア」なっていて、これが「輝度変化の特性が変わっている主要因」では?と思われます。

 

 これが「映像設定」の2ページ目。

 

 「取扱説明書」に拠りますと、「ダイナミック」は「映像の階調にメリハリを付けて、コントラスト感を向上させます。」、「リニア」は「映像の階調をできるだけ忠実に再現します。」とのこと。

 

 

 但し「シネマティック」の「標準の色温度」では「赤っぽ過ぎる」と感じる管理人は、色温度を「低」→「高」に変更して測定したのが先に示したグラフです。
 普段見るときは、更にバックライトの明るさを「-10」→「0」に上げ、その他も若干動かしています。

 

 

 それが下図の「赤線」ですが、「BVM-D24E1WJ」の特性に近づいたと思っていて、今はここで落ち着いています。

 

 

 ここに落ち着くまでには、下図のように接続して「BVM-D24E1WJ」の画と見比べながら、これにちょっとでも近づけようと、いろいろ試していたんです。

 

 「色の濃さ」「色あい」は、「肌色」で合わせていますが、「青系の色」では「随分色が違う」と感じる場面もあります。
 青単色だと「違いを感じない」のですが、中間色の表現になると、「より綺麗に、より鮮やかに見せようとする」民生用のTVと、「撮影された映像信号を、そのままの状態でチェックしたい」業務用モニターとでは違うのでしょうが、「どっちが正しい」ということではなく「用途次第」なのだと思います。

 さて、普段管理人が観ている「UT47-MX770JW」の明るさは、SDRで想定している最大輝度「100cd/m^2」には及びません。
 でも、画面の面積が「BVM-D24E1WJ」と比べ「約4倍」になっていますので、輝度が 約1/4になっていても、「画面から1mちょっと」の距離から見ている管理人にとっては、十分な明るさに感じます。
 バックライトは「+20」まで上げることも可能ですが、長時間観ていると疲れますので.....

 

 10年以上前に作られたTV「UT47-MX770JW」でも、こういった機能が備わっているのですから、今発売されている「4K/HDR」に対応したTVに、同様の機能 (輝度信号に対する明るさの変化特性を「複数」持たせること) が備わっていない筈がない!、持たせられない筈がない!と、管理人は思っています。 

 

 

 

 繰り返しになりますが、「HDR対応TV」といっても、「1000cd/m^2」程度、あるいは「それ以下」しか出せないうちは、従来のSDR技術でも収録できた範囲 (「100cd/m^2」を想定している範囲まで) は、従来TVのような明るさにしておいて、そこから先は圧縮して「飽和させないように (潰れないように) ジワジワと伸ばしていく」ほうが良いのでは?と思いますし、そういったことは「出来るはず」「仕込んであるのでは?」と管理人は思っています。

 

 でも勉強不足の管理人が知らないだけで、「HDR」ロゴを付けるには「こうでないといけない」という何かの縛りがあるのかもしれません。

 将来、画面上で「max:2000~3000cd/m^2」くらいまで出せるようになれば、従来のSDR技術でも収録できた範囲 (100cd/m^2まで) を、200~300cd/m^2 max 程度で表示でき、そこから先も無理なく「伸ばしていけるのでは?」と思います。
 但し、消費電力を上げずに局部的に輝度を大幅UPさせるには、液晶TVなら「LEDを更に高密度に実装し、エリア制御」すれば何とかなりそうですが、「自発光」の有機ELで輝度を大幅にUPさせるのは容易ではなく、時間が掛かるのでは?と思っているので、管理人はもう暫くは「UT47-MX770JW」で我慢したいと思っています。

 

 

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 「地デジ」などの「SDR映像」を「1000cd/m^2 近い」明るさで見ていた人はどうするの?という「ツッコミ」もあるかもしれませんが、「そんなに明るい画面で観ていては、目に毒では?」と管理人は思います。

 そもそも、TVの「HDR技術の目的」というのは、 「100cd/m^2」を想定した頃には潰れていた「とびっきり明るい部分」に、階調を付けて潰れないように収録出来る「新しい映像フォーマットの提案」「表現できる幅の拡張」 と考えています。
 例えば、人物の表情に露出を合わせたとき「鼻の頭や頬、肩、二の腕などが部分的に白ツブレしている、あるいは着ている白いワンピースやシャツとか、後方に映っているカーテンや窓の外に見える景色が白ツブレしている」などといった場合に「HDR技術」は有効で、 「肌色に見えている部分が、従来より明るく見えるということではない」 と管理人は理解しています。
 人の表情など中間輝度の部分を明るくしたいのであれば、「HDR技術」といった新しい映像フォーマットを提案する必要はなく、バックライトを強化して輝度を上げれば良いだけの話なんです。

 

 

 「地デジ」などの「max:100cd/m^2」を想定した「従来のSDR映像」では、従来TV程度の明るさに制限しておけば、「4KTVが暗い」「4K映像が暗い」なんて現象は起きないように思いますが、店頭展示において「他社品より暗い」と「見劣りしてしまい、買って貰えない」ので、「地デジ」などの「従来のSDR映像」においても、他社製品に負けないように、可能な限り明るく見せる必要があるのかもしれません。
 家電量販店では、「地デジ」を映している場合も結構ありますし、一般家庭では「4K/HDR」に対応したTVを購入しても、「BS4K」を観ている時間より「地デジ」を観ている時間の方が長いように思いますしね。

 そこで、「SDR」である「BS2K」の信号を「BS4K」にコンバートしたものは「HDR」信号ではないのに、これが「HDR」信号と見なされた場合に「2K放送と比べると暗い」ということが起きているのかも?とも管理人は想像しています。

 

 

 「HDR」に対応するために、せっかく画面を明るくしたのに、「地デジは暗いまま」では勿体無い、という考え方も理解できます。
 でも、元々「100cd/m^2」を想定していた映像を、「数百cd/m^2」以上の明るさにして映そう/観ようとすること自体、「ナンセンスでは?」「明るきゃ良いってモンじゃない!」「それが、間違いの始まりでは?」「そこからボタンの掛け違いが始まったのでは?」と管理人は思っています。

 「4KTVが暗い」「4K放送が暗い」の解決策ですが、最大輝度を向上させようとすれば、液晶TVであればバックライトを更に高密度に実装する必要があり、それには電源回路の強化も要し、消費電力も発熱も増えますから、これは「設計し直し」です。
 しかしながら「輝度信号の振幅」対「輝度」の特性を変更するのは、ソフトウェアをUpdateすることで対応出来、それは「放送波ダウンロード」でも可能ではないかと思います。

 

 でも、そもそも、よ~~く考えれてみれば、「2K放送などのSDRでも、可能な限り明るくして見たい」というのと、「HDRなんだから、SDRより明るいはず」というのは「技術的に両立しない話」で、「騙された! 」と云うのとは、ちょっと違うように思います。

 メーカーや販売店が「そういった点を、一般消費者に判り易く説明していたか」は、疑問ですけどね。

 

 

 

 また、様々なAV機器を取り上げる雑誌では、AV機器メーカーの広告も掲載しながら、AV機器メーカーからデモ機を借りてレビュー記事を書いているのでしょうから、「購入を躊躇させるような記事を掲載したら、スポンサーであるAV機器メーカーが離れてしまう」のだろうと推測します。

 「HDR」を観る方法が「ULTRA HD Blu-ray」しかないような頃は、「HDR技術」や「AV機器」に詳しい「マニア」の方々が、部屋を暗くして映画などを観ながら「暗部のディテールが全然違う!」って思ったり、眩しいくらいの光に感動していたのかもしれません。

 でも、放送波に使われるようになると、「HDR技術」や「AV機器」に詳しくない一般の方が、リビングで観るようになりますから、「HDR」映像を見たときに、ダイナミックレンジが格段に広がっていることよりも、「これ、暗くね?」の方が気になってしまう場合もあるのでしょうか?

 販売店にあった「一番高いオーディオアンプ」を「A級動作」だったとは知らず購入し、「今まで使っていたアンプより、音が小さい」とクレームを付けているような構図?.....

 

 「2KなどのSDR映像でも、可能な限り明るくして見たい」と望まず、「SDR」であろうが「HDR」であろうが、画面の中で「100cd/m^2」を想定した部分の明るさは「○○○cd/m^2 で表示する」、「○○○cd/m^2 以上の明るさはSDR映像では出さない」と各々のTVで決めておけば、「4KTVが暗い」「4K放送が暗い」「HDRなのに暗い」といった「へんてこりん」な現象は解決出来、「HDR」が「SDR」に対して「上位互換性」が保てるように思います。

 別の言い方をすると、最大輝度が「1000cd/m^2」を大きく上回るようになっても、「2K放送などのSDRでも、可能な限り明るく見せる」ことを続けている限り、「4KTVが暗い、4K放送が暗い、HDRが暗い」といった問題は解決しないように管理人は思います。

 但し、前述したように、店頭展示において他社品より暗いと「見劣りして他社にお客さんを奪われる」という懸念もあって、営業部門から「地デジ」などの「従来のSDR映像」においても、「他社製品に負けないように、可能な限り明るく見せるようにしてくれ!」という要求があるのかもしれません。(管理人の妄想ですよ。)

 でもそんなこと、長年「TVの画質」を作り込んできた「ベテランエンジニア」の方々が、「判っていない筈が無い」「想定外の筈がない」と思っていますし、放送局で使うような「4K/HDR対応カメラ」なども開発している「Pa社」「So社」が、4K放送開始前に「気が付いていない」筈がありません。
 「明るきゃ良いってモンじゃない!」ことを判っている「目の肥えたユーザー」に応えられるような画質設定も「映像設定メニュー」の中に、「勿論、ちゃんと仕込んであるんでしょ?」と思っているのですが.....

 せめて「SDRを映しているときの画質設定」と「HDRを映しているときの画質設定」が別々に設定できるようなオプションが用意され、「SDR」を映しているときの最大輝度を「100~200cd/m^2 程度」に設定すれば、「4K放送が暗い」「HDRなのに暗い」といった問題は解決できそうですけどね。
 そうすれば「2KなどのSDR映像で、可能な限り明るくしたい」場合にも、「HDR に切り替えたときに暗く感じる現象を軽減したい」場合にも、各々対応できます。
 前述したように管理人は、元々「100cd/m^2」を想定していた映像を「数百cd/m^2」以上の明るさにして映そう/観ようとすること自体、「目に毒」「明るきゃ良いってモンじゃない!」「ブルーライト、大量に浴びちゃうよ!」と思っていますから。

 

 あと、「HDRのこと (1) 」のページでも述べましたが、最近のTVの画面は「グレア」が殆どですよね。
 この写真では、画面上に映り込むような位置に意図的に「白い湯沸しポット」を置いて撮影していますが、通常の視聴状態だと画面に自分が映り込んでしまうと思います。
 観る角度によっては、照明や窓の映り込みが目立つ場合もあるでしょうから、それに負けないように画面の明るさを上げる必要が出てくるのかもしれません。

 

 液晶TVが出始めた頃の「ノングレア」だと、映りこみは目立ち難くなりますが、「ちょっと眠い画」になってしまいます。
 フォーカス感を悪化させずに「反射を大きく低減出来る」ような表面処理技術 (Anti Reflection Coating) が、更に向上していくことも望まれるのではないでしょうかね?

 

 なお「ノングレア」でも、設置条件によっては映り込みが目立ってしまう場合があります。
 管理人が常用している「UT47-MX770JW」の場合、東向きの設置になっていて、東側に窓があるので、「ノングレア」でも厳しいです。

 

 

 そこで、窓に厚手のカーテンを設けることで窓の映り込みを低減させています。
 (上の写真と「同じ絞り値」「同じシャッタースピード」で撮影しています。)

 

 部屋はやや暗くなってしまいますが、こうしないと朝のTV番組なんて見れたものじゃありません。

 こういった対策も功を奏して、最大輝度が「100cd/m^2」に満たない設定でも、十分な明るさに感じているのだろうと思います。

 

 「4KTVが暗い、4K放送が暗い、HDRが暗い」といった問題ですが、管理人が中古の「4K/HDR対応機器」を入手する頃には、何らかの形で解決/収束しているものと考えていて、暫くは「高みの見物」です (笑) 。

 

 

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 「スタジオ内での撮影」や「納得するまで撮り直しの出来る映画撮影」では、光のコントロールは容易でしょうが、日中の屋外で行われるスポーツや音楽イベントなどの撮影では、光のコントロールにも限界があって、青空が真っ白になってしまったり、登場人物が暗くなってしまうこともあろうかと思います。
 そういったときに「HDR」という技術は、メリットがあるかと思います。

 撮影時には「HDR」技術を駆使して潰れないように収録し、ソフトに落とし込んだり放送波にする際に「適切な処理をして、従来方式の中に収まるようにしてもらえるほうが有り難い」と、管理人は思いますけどね。

 「数多くの楽器で構成された曲」をレコーディングするとき、各パ-トを「24bit 収録」し、楽器毎に「エフェクター」を掛けたり「音量バランス」や「左右間の定位」などを調整するときに「24bit 処理」しておけば、「量子化ノイズ」を少なく出来、最終的に出来上がったものを「16bit マスタリング」しても、「量子化ノイズ」を抑えられる、のと似ているような.....

 

 

 

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