オーディオ機器をグレードアップするときの目標のひとつに「原音追求」というのがあると思います。
そこで「原音って聴いたことがあるんだろうか?」と考えてみると、管理人を含めて多くの方は子供の頃に音楽の授業などで何度も「生のピアノの音」を聴いているのでは?と思います。あとは百貨店やショッピングモールなどでのイベントで生演奏が聴けることがあります。(このあたりは「無料」で聴けます)
でもその音は、普段オーディオ機器で聴くものとは聴こえ方が違っているような気がしています。
その理由ですが、学校にあるピアノは「YAMAHA」や「KAWAI」で、イベントで使われるのが「スタンウェイ」とかだから.....といったことではなく、「生の音」の場合は、ピアノから前後/左右/上下の全ての方向に音が放たれていて、ピアノから直接自分の耳に届く音だけではなく、床/天井/壁などに反射して自分の耳に辿り着いた音を含めて聴いていると思われます。
どんなに優れた録音及び再生装置であっても、目の前にある2本のスピーカーからこちらに向かって放たれている音 (キャビネットを通じて周辺にも放たれてはいますが、主には正面です)
と「生の音」では、聴こえ方は異なるのではないですかね?
オーディオ機器にお金を掛けることで、レコーディングスタジオのモニタースピーカーで聴くマスター音源の音 (=レコーディングエンジニアやアーティストが意図した音) に近づけることはできても、「目の前にある楽器から聴こえているような音」や「ライブ会場で聴くような音」にはならないのでは?というのが管理人個人の見解です。
でも、離れたところから聴く「生の音」よりも、「楽器の間近に設置したマイクロホン」で捉えた音を録再した音のほうが、「鮮明な音」「ピュアな音」に聴こえるのかもしれません。
だからといって、アーティストと同じ時空間で聴く生演奏と、高価なオーディオ装置で聴く音とを比べるのは、「全く意味のないこと」ですけどね.....
あ、「オーディオ機器にお金を掛けることで、レコーディングスタジオのモニタースピーカーで聴くマスター音源の音 (=レコーディングエンジニアやアーティストが意図した音)
に近づけることはできても.....」と言いましたが、部屋の問題もあります。
機材にどれだけお金を掛けても、部屋によっては、レコーディングスタジオで聴く音とは大きく異なってしまうこともあるかもしれません。
そういう訳で管理人の場合、音質については、「スタジオの音に近いかどうか」は気にしないで、聴いていて心地よいと思うかどうかくらいでしか考えていません。
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以前、オーディオ製品のイベントで、ある企業のブースに入ったときに一瞬、「ピアノの生演奏?」と感じたことがあります。
スピーカーも「ペアで1000万円」と大変高価なものでしたが、それだけが要因ではなく、天井の高い広い部屋で、2本のスピーカーの外方向や奥行き方向にも数m確保出来ていたことで、そのように聴こえたのでは?と思っていますが、自宅でそういった環境で聞けることは永遠に無いと思っています。