これは、管理人がカセットテープを買い始めた頃の maxell のカセットテープですが、当時中学生だった管理人が歩いていける範囲には売っていなくて、最近オークションで入手したものです。
黒 (あるいは赤) と背景色の比が水平方向に少しずつ変化していく縦縞のパターンですが、なにか名前があるのかどうか、あるいは何を表しているのか、管理人には判りません。
(もしかしたら、「音」は空気中を疎密波で縦波として伝わっていきますから、それを表しているのですかね?)
これらのカセットテープが販売されていた頃、「日立マクセル」とは知らず、てっきり「BASF」「AGFA」といった「海外メーカーのカセットテープ」とばっか思っていました (笑) 。
今見ても「1970年代の日本製品」とは思えないくらい、「かっけー」じゃないですか?
「1970年代から使われているロゴ」ですが、今見ても「古さを感じないロゴのひとつ」かと思います。
「音にうるさいマニア向け」といった印象で、女性が好んで購入するような外見ではないように思いますが、オーディオもラジカセも、この頃の購入層は、男性が主流だったのですかね。
別のページに載せたように、後にはmaxellからもカジュアルな製品が発売されています。
オープンリールテープでも同様のデザインが使われていましたが、これは「ST / Standard」というグレード。
1975年10月に発行された「マクセル・オープンリールテープ」のカタログでは、「UDバックコートシリ-ズ」「UDシリーズ」「LNシリーズ」「STシリーズ」が紹介されていて、「UD-XL」というグレードは未だ無く、「UD」というグレードがハイエンドだったようです。
「LN / Low Noise」がベーシックなテープかと思っていたのですが、その下に「ST / Standard」が存在していた頃もあったのですね。
「35-45」というのは、テープ厚が35μm、19cm/sで往復45min (正確には48min) 録音可能という意味ですが、「往復で45min」を表す「45」を橙色にしているのは、カセットテープと共通しています。
ちなみに「往復で90min」は青でした。
カセットテープだと「30min」が黄、「60min」が赤、120minが緑でしたが、1975年10月に発行された「マクセル・オープンリールテープ」のカタログを見る限り、オープンリールでも同様だったようです。
カセットテープには無かった「180min」タイプは紫でした。
これは、かつて「maxell」から発売されていた「5インチのオープンリールテープ」ですが、ロゴが今のものとは大きく異なりますが、maxellのWebサイトに拠れば、1970年から今のロゴになったようです。
このテープにも、右下に「Standard」という表記が確認できます。
「127mm」とは、リールの直径のことですが、「5インチ」ということです。
カセットテープが広く使われるようになる前は、音楽録音以外の用途でも「オープンリールテープ」を使っていたと思われますので、「ST / Standard」というグレードもあったのでしょうね。
カセットテープの高性能化が進むと、オープンリールテープは「カセットテープを超える高性能」か「カセットテープを超える長時間録音」といった用途に限られたと思われます。
1991年6月発行の「コンシューマー総合カタログ」では、オープンリールテープは「XL II / EE Position」「XL I / Normal
(LH) Position」「UD / Normal (LH) Position」の3品種に絞られ、「UD」がローエンドの品種になっています。
またカセットテープについては8ページに渡って紹介されているのに対し、オープンリールテープの紹介は1ページに留まっています。
またこのカタログには「10号リール」「7号リール」「5号リール」を使ったオープンリールテープが掲載されていますが、カセットテープが広く普及する前には「5号リール」よりも、もっと小さいリールもあったようです。
ところで、オープンリールテープの場合、使い方によって録音可能な時間が変わりますので、カセットテープのように「C-xx」といった表記が出来ません。
maxellの製品で「35-45」とは、「テープ厚35μm」、「19cm/sで往復約45min (正確には48min) 録音可」という意味かと思いますが、どのメーカもそういった表記なのか?というとそうではなく、例えば下の写真に示すSONYのものだと、「DUAD-11-1100-BL」といった表記で、「DUAD」は「DUAL
LAYER」、「11」はリール径(10.5inch)、1100はテープ長(1100m)、「BL」は「バックコート」を指すものと思われます。
これはDENONのオープンリールテープですが、「DX1101B」という名称は、テープ長が「1100m」であることに由来しているのでは?と思います。
録音可能時間の判りにくいオープンリールテープですが、豊富な知識を持った「上級者向け」の製品なので、問題はなかったのでしょうね。
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さて、これはmaxellから「耐衝撃性、防振性に優れたカセット」として発売されていたものですが、ちょっとユニークなパッケージです。
一見、緩衝材で包まれていて、その上に紙のラベルが貼られている様に見えますが、これらはすべて外装フィルムに印刷されたもので、横から見ると平らです。
手に取ってみれば、平らであることは容易に判りますので、「緩衝材が入っている」と思って買った方はいないと思いますが、「衝撃に強い」というアピールなのでしょうね。
でも開封すると、開封前のユニークな雰囲気は残りませんね。
「ハイポジ」の「ゴールド」に対して、「シルバー」の「ノーマルポジション」もありましたが、こちらは「1本」しか持っていないので、開封できません (笑) 。