ここでは、海外向けに作られた?と思われるカセットテープを紹介します。
これは、TDKから発売されていた「D」というカセットテープで、1970~80年代にカセットテープを使っていた方なら、「ベーシックなカセット」としてお馴染みかと思うのですが.....
管理人が知る限り、「D」という名称で「透明ハーフ」のものは、記憶にありません。
海外仕様のようですね。
英語とドイツ語とフランス語でしょうか?
右下部を見ると「1985年に日本国内で製造」されたもののようです。
「New D」ということですが、特性を見ると、日本国内向けの「DS (Dynamic Spirits) 」から「AE (Acoustic Excellence) 」に変わったときに似ているような気がします。
日本国内向けでは「AE」からアピールされるようになった「ピュア・グレインドフェリック / pure grained ferric 」という磁性体を、この輸出用と思われる「D」でもアピールしています。
ハーフに貼られているラベルのデザインは「DS」のものと似ていますが、ハーフの色は「AE」に似ているように思います。
日本国内向けで永らく続いた「D」から「AE」に名称変更した以降も、海外向けには「D」という名称で発売していたものがあったようです。
カセットテープなら、日本国内向けに発売しているものを外国語表記にするだけで「海外で販売することは可能」だったような気がしますが、仕向地に合った商品展開をしていたようですね。
日本国内では「カセットテープのリーディングカンパニーのひとつだった」と思われるTDKですが、欧米には競合メーカーが多く、せっかく浸透しつつある「D」という名前を変えないほうが良いという判断だったのでしょうか?
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これも、TDKから発売された「D」の、海外バージョン。
テープは日本製で、組み立ては米国のようです。
先に紹介した「D」カセットと比べると、「ちょっと薄型」になっていますから、日本国内向け「AE」の3代目発売以降 (4代目からスリムケースになったようです) に発売されたものかと想像します。
手前にある、スリムケースに入った海外向けの「D」の厚みは約15.5mm、奥にある従来ケースに入った海外向けの「D」の厚みは約17mmです。
これがケースですが、管理人が持っている日本国内向けのスリムケースになった「AE」(3バージョン持っています) を見る限り、このようなケースはありません。
これが、管理人が持っている日本国内向けの「AE」のケースですが、他の「AE」のスリムケースも同様です。
手前にある、スリムケースに入った日本国内向け「AE」の厚みは約14mm、奥にあるスリムケースに入った海外向けの「D」の厚みは約15.5mmです。
ということは、テープは日本製でも、ハーフやケース、パッケージについては、製造地毎に企画/設計されていたのでしょうかね?
この頃の「AE」になると.....
「日本国内向けカセットテープ」でも、「テープは日本製、組立はタイランド」で、日本で作ったテープをタイに送って、タイで組み立てた完成品を日本に運ぶのが、最もコストが安かったようです。
組み立てに必要な人件費の差が輸送費よりも大きかったのでしょうかね?
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これはオークションに出品されていた「SONY」のカセットテープで、「EF」とは「EXCELLENT FIDELITY (卓越した高忠実度?) 」のことのようですが、管理人はこの配色は見た記憶がありません。
Web上で最初に見たときは「クリーニングテープ?」「業務用途?」とも思いましたが、背面には日本語表記が無いので、「海外向け?」かと思われます。書かれているのは「英語」と「フランス語」でしょうか?
右下に「Made in Japan」と記載されていますから、当時は日本で生産して輸出していたのですね。
これがカセットテープ本体。
これと似ている気がしますね。
テープの色も似ているような気がします。
でもプラケースは「CHF」のものとは異なり、日本国内で「CHF」の後に発売された「ローエンドの HF」のケースと似ています。
「EF」のインデックスカードも、「HF」のものに似ていますし.....
プラケース上の「SONY」の刻印も、「EF」(中央) のものは、「HF」(右) のものに似ています。
未開封のパッケージを比べても、「CHF」のパッケージよりは、後のパッケージに似ています。
パッケージの裏面も同様です。
「EF」のカセットテープ本体は「CHF」と似ていて、「CHF」の輸出バージョンなのでは?と思うのですが、パッケージ / インデックスカード
/ プラケースは後に発売されたものと似ていて、日本国内での「CHF」発売から「HF」発売までの間に、海外向けに発売されたものではないか?と思います。
これも、「日本国内向けに発売していたものを、外国語表記にするだけで輸出していたわけではない」ということですかね?
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これは、maxellの「国内向け」と「海外向け」の例
裏面がかなり違いますが、カセット本体は「ほぼ同じモノ?」のように見えます。
これらは管理人が持っている、数少ない「海外向けと思われる、日本国内メーカーのカセットテープ」ですが、日本国内向けに販売しているカセットを「品名はそのままで、外国語表記して」販売する場合と、「独自の品名」で販売する場合があったようです。