音楽録音以外の用途

 ここでは、音楽録音以外の用途向けに発売されたものなどを載せています。

 

 これは、オーディオ用ではなく、パソコン用。

 

 このテープには「PERSONAL COMPUTER CASETTE」と記載されていますが、NECがPC-8001を発売した頃は、「パソコン」ではなく「マイコン」と呼ばれることもありました。(「マイクロ コンピューター」とか「マイ コンピューター」 の略)

 当時のパソコンでは、「フロッピーディスクドライブ」は標準装備ではなく別売品で、まだ8インチのフロッピーディスクしかありませんでした。(「8インチ」と聞いてもピンと来ない方もいらっしゃると思いますが、A4の短辺くらいの長さです)
 ディスクもドライブも大きく、「業務用の大変高価なもの」といった感じで、庶民には高嶺の花でしたから、こういったテープを使ってBASICや機械語で作ったプログラムを専用のレコーダーで保存していました。
 「ピーー キュル キュル キュル .....」といった、電話回線に繋ぐモデムやFAXを送るときのような音がしていたように記憶していて、当時は「フロッピーだと、読み書きがメチャクチャ速いらしいよ」と言われていました (笑).....

 音声用テープと比べて特性がどう違うのかは良くわかりませんが、「記録時間が短い」「リーダーテープが短く、頭から記録可能」という特徴を持っているようです。
 レコーダーについては専用のインターフェースを持ったものが必要でしたが、テープは一般的なものでも使えたように記憶しています。

 その後、5.25インチや3.5インチのフロッピーディスクが登場し、一般家庭にまで普及していきましたが、管理人が初めてフロッピーディスクを入手した頃は、ワープロ専用機で作った文書を保存するだけでしたから、1年間に作った文書がフロッピ-1枚に余裕で保存できました。
 その後デジカメが登場し、ワープロ文書に写真を貼り付けるようになってからは、フロッピーディスクでは容量が足りなくなり、最近では殆ど使われなくなりましたね。
 管理人は、3.5インチのフロッピーディスクと同じ大きさで100MByte収まる「ZIPディスク」を、計測器で取ったデータをPCに取り込む手段として、まだ現役で使っています。

 

 

 

 

 これはデータ記録用につくられたものですが、上で紹介した「パソコンで作ったプログラムを保存するような用途」とはちょっと異なり、データレコーダーで波形を記録する時に使うカセットテープです。

 

 「データレコーダー」では4ch同時に記録しますので、データレコーダー用に作られたテープには「A面」「B面」といった表記はありません。

 

 裏面はこんな感じで、ハーフ中央の「窓」はありません。 

 

 

 ハーフ上部の「長手方向の中心から、ややズレたところ」に「切り欠き」あり、おそらく表裏逆向きに取り付けたときに、レコーダー側に用意されたピンが、この「切り欠き」に入り込むことによって、記録ができないような仕掛けかと思います。
 誤消去を防止するための「移動可能な蓋」も、片側にしか付いていません。

 

 昔、学校で「TEAC」のデータレコーダーを使っていたことがあります。
 機種名までは覚えていませんが、据え置き型で、上面と前面に操作部とメーターがあり、背面か側面にBNC端子があったように記憶しています。「C-3」と似たようなアイボリーを基調にした配色でしたね。
 波形を「1CH」~「3CH」まで同時記録出来るようになっていて、「4CH」目は、MIC録音になっていました。
 なんで「MIC録音」が必要かというと、実験した日時や条件をコメントとして入れたり、波形を記録しながら「マイクロ波照射します、3、2,1、オン!」とか、逆に「マイクロ波切ります、3、2、1、オフ!」とかコメント音声を入れておいて、条件の変化に応じて波形が変化しているかどうかを、後で調べるわけです。
 せっかく波形が録れていても、タイミング良くコメント音声を入れておかないと、どこでどのように条件を変化させているのか、わからなくなってしまいますからね。

 でも、学校にあったデータレコーダーを使う限りは、通常のカセットでも記録は出来ていて、上の写真のような「データ記録用の専用のカセットテープがある」とは、当時は知りませんでした。
 ということは、誤って「データレコーダー専用テープの裏面」をセットしたときだけ、デッキに設けられた機械的なセンサーが、カセットのハーフに設けられている凹部に入り込み、録音出来ないような仕掛けだったのでは?と推測しています。

 

 

 

 これは「エンドレスカセット」と呼ばれるもの。

 

 写真のものは録音時間はわずかに3分ですが、3分といってもテープ長は 4.75cm / 秒 × 60秒 × 3分 = 855cm あって、内部で迷路のようにしても、855cmを確保するのはちょっとムリそうです。
 よくご覧になると判ると思いますが、左側にはハブがなく、キャプスタン軸の入る穴がありません。
 そのため「クローズドループ・デュアルキャプスタン」のデッキには使えませんが、一般的なデッキにおいて、裏表間違えてセットしようとしたときに、キャプスタン軸の入る穴がないので「セット出来ない」ようになっているのですね。
 また、「始め」や「終わり」がないので、中央部の窓がありません。
 通常のカセットテープの「中央部の窓」に当たる部分に「黒ずんだ」箇所があり、これは右側のハブの最内周部からテープを引き出して左側に送ってループにしている部分が見えているものと思われますが、そのため「巻き戻し」は出来ませんし、裏面は使えません。  

 

 

裏面は、こんな感じです。

 

 

「A面」「B面」といった表記はなく、誤消去防止の「穴」と「ツメ」 も、片方にしかありません。

 

 当時は、選挙演説とかスーパーの宣伝とかに使われていたと考えますが、いかにもアナログ的な手法だったと思います。
 「クリーニングカセット」や「パソコン用カセット」は、いくつかのメーカから発売されていたように思いますが、「エンドレスカセット」というのは、多くのノウハウが必要だったのか、需要が多くなかったのか、TDKしか発売していなかったように記憶していて、「ヤフオク」で探しても他社製の出品はないようです。
 最内周部から引き出すには、一般的なテープよりも「滑りやすく、丈夫なテープ」を開発する必要があったのだと推測します。

 

 

 こうして見ると、その後に登場した「ミニディスク」や「CD-R」といった録音メディアに比べ、カセットテープには色々とユニークなものがあったように思え、これは「LP」と「CD」を比較した場合と似ています。

 

 

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