印象的なパッケージ (2)

 これは、管理人がカセットテープを買い始めたときの、TDKのラインナップです。
 この中で「ED」は、管理人が家から歩いて行ける電気屋さんには置いてなくて、最近オークションで入手したものです。
 FM番組から、これらカセットにDOLBY録音したものを何本も持っていますので、管理人には今でもDOLBY付きカセットデッキが必要です。

 

 左上のものが「D」で、赤を基調としたパッケージです。
 これでラジオ番組やテレビ番組を録音して、あとで聴きなおすことが多かったですが、そういった用途だと、60分テープが使い易かったですね。

 右上のものが「AD」(Acoustic Dynamic)というカセット。
「つき抜ける高音の冴え。AD」というキャッチフレーズで、マイルス・デイビス氏を起用したFM誌の広告やCMの記憶があり、青を基調とした「初代AD」のパッケージは、とても印象に残っていて、管理人が持っている「FM fan」の1977 No.18号にも「AD」の広告が載っています。
 当時管理人はラジカセしか持っておらず、いつも一番安価なテープを買っていましたが、このテープをきっかけに「音楽用のテープ」も、時々使うようになりました。
 ラジカセで録音して「AD」の性能が発揮できていたかどうかは「?」ですけどね。

 

 

 「AD」は、登場時からキャラメルのような格子の入ったハーフ (Precision casette half) が採用され、それに合わせて「SA」「ED」といった音楽用カセットのハーフも変更されましたが、「AD」登場前の「SA / SUPER AVILIN」のハーフは「D」のハーフを黒くしたもののように見え、ハーフ中央部の窓も狭く、「Noise Reduction」の「□ IN □ OUT」表示もありませんでしたし、「Compact Cassette」のロゴの位置も変わりましたね。
 「初代AD」が登場したその時、「TDKカセットが大きく変わった?」とも思います。

 

 また、四隅及び下部中央のネジも黒くありません。
 この「ネジ」、昔は当たり前のようにありましたが、2000年頃からでしょうか、溶着するようになったようで、本サイトの「カラーバリエーション (2)」などに載せたカセットテープの写真を見るとネジがないものがあります。

 

 後のTDKのカセットでは、下の写真に示すような格子の入らない新設計のハーフになりましたが、管理人が盛んにエアチェックをしていた頃のTDKカセットは「キャラメルのような格子の入ったハーフ」でした。

 

 

 

 管理人がカセットテープを買い始めた頃、TDKは「D」「AD」「ED」「SA」の4種類のラインナップでした。録音時間も一般録音用は30min / 60min / 90min / 120min、音楽録音用は 45min (又は46min) / 60min / 90min / 120minというバリエーションしかありませんでした。

 しかしながら、メタルテープ「MA」「MA-R」が発売された後に、「SA-X」「AD-X」「AD-S」などがラインナップに追加され、CD登場後はカセットテープの録音時間も54min / 74min / 80minなどが登場、更にCrO2が「ハイポジ」と呼ばれるようになり「カジュアル」なものも現れたことによって、品種が大きく増えました。
 管理人が知る限りでは、TDKの「CDing」のように、「10 / 46 / 50 / 54 / 60 / 64 / 70 / 74 / 80 / 90 / 120 / 150 の12品種のラインナップを用意したテープもあったようです。

 

 販売店では、限られた売り場面積に何をどれだけ並べれば良いのか腐心されたのでは?と思います。

 

 

 

 これは、管理人が最初に買った「D」カセットと、「D」カセットの最終モデルとの比較。
 ローエンドのカセットテープですが、後のものは精悍な印象で高級感が出てきていますよね。
 ハーフに「キャラメルのような格子」が入っていますが、「AD」とは別設計の「Reliable Cassette Mechanism」というものだそうです。

 

 

 

 これは、「D」の高精度ハーフバージョンで「DS / DYNAMIC SPIRIT」というもの。
 「Reliable Cassette Mechanism」から「Super Reliable Cassette Mechanism」に性能UPされ、「一般録音用」ではなく「音楽用カセット」という位置づけでした。

 

 

 TDKの「D」シリーズのカセットテープの進化はここまでで、以後は「AE」(Accoustic Excellence) という名称のカセットテープに引き継がれていて、おそらくこれが「初代AE」。

 

 

 ハーフが透明になり、「Super Reliable Cassette Mechanism」が採用されているので、「D」の後継というよりは「DS」の後継という位置づけのようです。

 

 「AE」が登場する前までの、TDKのノーマルポジションのカセットテープは、D (Dynamic) / SD (Super Dynamic) / AD (Acoustic Dynamic) / ED (Extra Dynamic) / OD (Optimum Dynamic) / DS (Dynamic Spirit) といった名称で、「なんとかD / なんとか Dynamic」で、一部のカタログでは「ダイナミックシリーズ」という言葉も使われていました。
 「AE」登場後は、AE (Acoustic Excellence) /AD (Acoustic Dynamic) / AR (Acoustic Response) といった「Aなんとか / Acoustic なんとか」という名称に変わったようでが、これは「アコースティックシリーズ」ということなのでしょうか?
 「AD」だけはそのままの名称で、ロングセラーになったと思います。

 

 

 そして、おそらくこれが、「2代目AE」。

 

 

 

 これは、TDKのテープそのものを撮ってみたものですが、左から管理人が始めて買った「D」、最終バージョンの「D」、初代「AE」、2代目「AE」。

 左から管理人が始めて買った「D」と、最終バージョンの「D」では、カセットハーフは大きく変わりましたが、テープの色 ( ≒ 塗布されている磁性体の色?) は、ほぼ同じ色に見えますね (でも、ちょっと赤っぽくなった?) 。
 「AE」になってちょっと「焦げ茶色」っぽくなっているように見えます。

 

 

 ここから磁性体も「ピュア・グレインドフェリック」に変わったので、「AE」という新しいシリーズになったのでしょうか?

 

 

 「DS」の時は、磁性体に何を使っているかは、特にアピールはしていませんでした。

 

 

 

 これも、TDKのテープそのものを撮ってみたものですが、一番上が管理人が始めて買った「D」、その下が最終バージョンの「D」。
 その下が「AD」と「SA-X」ですが、グレードが上がるに連れて、黒っぽくなっていったように記憶しています。

 

 

 

 これは、一番上の写真で紹介したラインナップよりも一世代前のもので、管理人がカセットテープを使い始める前に発売されていたものですから、もちろん最近オークションで入手したもの。
 「★」の数がグレードを表していますが、クロームテープの「KR」は別格で「☆」ですね。
 TDKのカタログに拠れば、「★」は「ダイナミックシリーズ」、「☆」は「ブリリアントシリーズ」とのこと。
 この頃は「音楽用カセット」でも、まだ「Precision cassette half」ではなかったですね。

 

 

 次世代では「SD」→「AD」で「明るい青」になり、更に「銀」が加わることで、「シブイ印象」から「明るい印象」に変わったように思います。

 

 この頃は「ED」が、TDKカセットの最高グレードの「金」で、「ED」は「SA」よりも高価だったのですが、「ED」の後継の「OD」が発売され、「メタルテープ」が発売される頃には、価格的に「OD」<「SA」になっていました。
 「ノーマルテープを極めて最高性能を出す」から「メタルテープで最高性能を出す」に移行したのですかね。

 

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

 

これは、「 i f 」というものですが、カセットテープ2本がひとつのケースに入っています。

 

 

 このように開けることが出来ます。

 

 

 これがテープ。
 ハーフの形状は、「カラーバリエーション (1) 」で紹介した「CUE」と同じみたいですが、「CUE」は「ハイポジション」だったのに対し、こちらは「ノーマルポジション」でした。

 

 

 

 一般的なプラケースに使われるようなインデックスカードが使えませんので、ケース内部にこのようなインデックスカードが封入されています。

 

 

 更に、底面にシールを貼るようになっています。
 ここにアーティスト名やアルバム名を書いて、上のインデックスカードに曲目を書くのでしょうね。
 この面を下にしてもシールが擦れないように、四隅には突起が設けられています。

 

 

 このプラケースが「実用的」だったかどうかは微妙ですが、ケースに印字されている「IF MY DREAM COMES TRUE I'LL NEVER BE LONELY AGAIN. YOU WILL COME BACK TO ME.」からすると、若い男女間で手渡されることなどを想定していたのかしらん?
 いい感じの男女間なら良いのですが、場合によっては「ドン引き」されることもあったかもしれません。

 これも「印象的なパッケージ」のひとつだったかと思います。

 

 

 

前ページへ <   > 次ページへ

「カセットテープ トップページ」へ