ユニークなコンセプト (2)

 これは富士フィルムから発売されていた「カーステレオ用」というカセットテープで、カタログに拠れば、「クルマ特有の音響特性:高音が弱められ、低音もこもりがち」を配慮し、車内温度「-40℃ ~ 110℃」に耐える設計をしたものでした。 

 

 写真手前の「GT-I」は、おそらく「初代」のものでノーマルポジション用、写真奥の「GT-II」は「AXIA」ブランドになってからのもので、ハイポジション用のものです。
 管理人が持っている「1984年5月付?」のカタログに拠れば、「GT-II」は「GT-I」よりも、46minで「¥100」、他は「¥150」高く設定されていて、「GT-II の方が上位」という位置付けだったようです。

 

 

 管理人は「GT」と聞くと真っ先に、当時実家で乗っていた「4代目スカイライン (C110系) のひとつ、直6のL20を搭載した4ドアの2000GT (「ヨンメリ」とも呼ばれるようです) 」を思い出します。
 昭和51年式を昭和57年に買ったので、たったの「35万円」だったと記憶しています。クルマは安かったのですが、燃費が7km/ℓ程度でガソリン代は高くつきました。
 下の写真は「2ドア」の「GT-R」の1/18スケールのもので、4代目スカイラインの「GT-R」の実車は、排ガス規制の影響で197台しか作られなかったとか....

 

 

 「GT-R」は197台しか作られませんでしたが、「GT-R じゃないスカイライン」は当時よく売れていて、街中でも良く見かけたものです。

 

 スカイラインと云えば「丸いテールランプ」が印象的ですが、「C110系の4ドアGT」の場合、4つのテールランプの大きさが同じだったように思います。

 

 

 後部のサーフィンラインを分断するオーバーフェンダーは「GT-R」のみの仕様。

 

 

 

 

 DOHCの「S20」を載せた「GT-R」じゃなきゃ、エンジンの「性能や音」は「イマイチ」かもしれませんが、100km/h以上出しても不安を感じず、足回りは「しっかりしていた」ように思い、さすがは「GT / Grand Touring」でしょうか?
 「GT-I」が発売されていた頃、管理人はこのカセットの音を「スカイライン2000GT」で聴いていたんです。
 でも「運転が下手くそな」60歳目前の、今の管理人にとっては、「後部がスライドドアになっていて、高齢の父親が乗り降りし易いクルマ」が最適かと思います。

 

 この頃YAMAHAから発売されていたレコードプレーヤー「GT-2000」もインパクトのある製品で、ここでのGTは「Gigantic & Tremendous」の意味。
 当時管理人は、バイトで得たお金で「YAMAHA の GT-2000 (ダイレクトドライブ) 」を購入するか、「MICRO の BL-91 (ベルトドライブ) 」+「SAEC の トーンアーム」を購入するか迷っていて、結局後者を購入しましたが、現在YAMAHAが発売している「GT-5000」はベルトドライブです。

 

 

 

 話は「カセットテープ」に戻りますが、最近、未開封品を入手しました。
 いずれも「FUJI」ブランドの頃のものですが、左上に大きく「FOR CAR STEREO」と記載されています。

 

 

 側面にも大きく「CAR」の文字が.....

 

 「GT-I」よりやや遅れて発売されたように記憶している「GT-II」では、録音時間を表す「46」が、外装フィルム上に印刷されていなのですが、「外装フィルムを共通化することで、製造コストを下げよう」という意図があったのでしょうか?

 

 

 この面にも、「GT-II」では、録音時間が記載されていません。 

 

 

 

 「印象的なパッケージ (5) 」で紹介したこのパッケージ (1970年代発売) と比べると、かなりカッコ良くなっています。
 GT - I / II の発売は1980年代で、発売時期は10年くらいしか違わないと思うのですが、その間に大きく進化したのでしょうか?

 

 

 

 裏面には「カーオーディオ用」として、どのような特徴を持っているか記載されています。
 「HD」とは「High Definition」ではなく「High Dynamic」って、あんまり聞いたことないですが、GT-IIでは「ハイダイナミック」⇒「スーパーダイナミック」に変更されています。

 

 

「HD Mechanism」とは、「ヘビーデューティ メカニズム」ということでしょうか?

 

 発売当時は、稲垣潤一氏の「夏のクラクション」がCMソングだったように記憶していますが、YouTubeなどを探しても「そう、これ、これ!」という動画が、今の処見つかりません。

 

 

 

 パッケージ上で述べている「AB面識別マーク」とは、このように持ったときに.....

 

 

 「A面」表示は、中心部がやや窪んでいて、中央に突起があり

 

 

 

 「B面」は中央部が盛り上がっていて突起がなく、これで「A面」「B面」を識別出来る仕組み。

 

 

 

 

 

 また、パッケージ上で述べている「ノンスリップエッジ」とは、左右の側面に設けられた「ギザギザ」のこと。

 

 

 

 カーステレオに装着するには、こういった向きで挿入する場合もあり、「ノンスリップエッジ」は、これに配慮したものと思われます。

 

 

 

 最近入手したカタログに拠れば、パッドには「ディアルスプリングHRパッド」と称されるものが使われていて、上が「GT-I」のパッドで、下が当時FUJIから発売されていた「FR-METAL」のパッド。

 

 クルマで走行中の、デッキの振動やヘッドのゆがみに対して、つねに均一な力で、テープをヘッドに圧着するとのこと。

 

 

 テープとリーダーテープを繋ぐスプライシングテープの「のり」に至るまで、全てのパーツに耐熱性を持たせているそうで、上が「GT-I」のスプライシングテープで、下が「FR-METAL」のスプライシングテープですが、外観では違いはよく判りません。

 

 

 表側から見ると「のり」が違うためなのか、上の「GT-I」の方が暗い色のようにも見えます。

 

 

 

 これは、「パリ - ダカール ラリー 走破記念」の「2本パック + 耐熱Pケース + キーホルダー」。

 

 

 これが裏面。「地獄で、グッドサウンド。」というのがキャッチフレーズでした。

 

 

 「昼夜の車内温度差100℃以上」って..... ラリーカーには「エアコン」なんて付いていないんでしょうか?
 管理人は、そのあたりの知識は「ゼロ」です (笑) 。

 

 

 「FUJI」がスポンサーだったので、エアコンは載せていなくても、「カーステレオは載せていた」ということ???

 

 

 

 プラケースも耐熱設計で.....

 

 

 

 「AXIA」ブランドになった「GTシリーズ」では、プラケースにも「HEAT RESISTANT」と記載されていました。

 

 

 

 中に付いていた「キーホルダー」を、実際のクルマのキーに付けてみました。

 

 

 

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 管理人が知る限り「カーオーディオ用」というカセットテープは、多くはなかったと思いますが、他社からもいくつか発売されていたようです。

 

 これは、maxellから発売されていた「METAL GPX」というもの。

 

 左上部の「JUST FOR CAR AUDIO」の記載が、クルマのシフトレバーみたいですよね。

 

 

 「振動に強く、耐熱性がある」というのが、アピールポイントです。

 

 

 これは、DENONから発売されていた「GX-II」というもの。

 

 

 こちらについても、耐熱性がアピールされています。

 

 

 

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