これは「NAGAOKA」ブランドのカセットテープで、「ビックカメラ」や「新星堂」などで販売されています。
10min(青) / 20imn(赤) / 60min(緑) / 90min(紫) / 120min(ピンク) のバリエーションがあります。
裏面には「MADE IN JAPAN」と記載されています。
中央の窓が、昔のTDKの「D」カセットのような感じですが、「D」カセットでは文字部分が出っ張っているのに対して、こちらは凹んでいます。
その窓ですが、テイチクから発売されているミュージックテープもこれと同様の形状で、紙レーベルの形やレーベル周辺部のハーフの窪んだ形も同じ様な気がしました。これも文字部分は凹んでいます。
2つのカセットテープをを更に見比べてみると、A面から見て右側面のほぼ同じ位置に、同じ様な字体のロットNo.が「捺印」されていました。
このことから、ある程度の流通量が見込める「録音済みミュージックテープ用」として、日本国内で現在も作られているものが、ナガオカからコンシューマ用途として生テープの形で販売されているのでは?なんて想像しています。
「NAGAOKA」ブランドのテープは、見た目には「事務的」というか「簡素」というか、実に素っ気無いですが、しっかりと品質管理がされているものと思われ、なかなかの実力を持っているカモです。
もちろん、かつての「メタルテープ」のようなレベルの期待をしているわけではありませんけど.....
なお、このテープは100均には置いてありません。
ここまでに紹介した「現行のテープ」について、いずれ録音して聴いてみるつもりですが、耳の肥えていない管理人のことですから、もしかしたら「どのカセットもみんな良好な音」に聴こえてしまうかもしれません (笑)。
ここで紹介した現行品のカセットテープのハーフですが、全て4隅は「ネジ」で固定されています。
一時は無くなってしまった「ネジ」止めですが、昔のように大量には売れない状況では、このほうが安く製造できるのでしょうかね?
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更に.....
先日数量限定で復刻された、maxellの「UD」ですが、これには「原産国 日本」と記載されています。
また、このテープのハーフをよく見ると、窓の形だけでなく、紙レーベルの形やレーベル周辺部のハーフの窪んだ形が、NAGAOKAブランドのテープと似ていて、このカセットでも文字部分は凹んでいます。
ちなみに、オリジナルの「UD」は文字が出ていて、「シボ仕上げ」ではなく「テカテカ」していますので、「当時の金型を使って復刻版を作った訳ではない」と考えられます。字体も違いますよね。
また、復刻版では、A面から見て右側面のほぼ同じ位置に、やはりロットNo.が「捺印」されています。
これも、オリジナルの「UD」にはない特徴です。
一方で近年のmaxellのテープですが、日本製の頃 (手前、ハイポジ MUSIC GEAR 20min) も、海外製造 (奥、UR 90min) になってからも、ハーフの上部にロット記号が「刻印」されていて、復刻版の「UD」とは異なる方法が採られています。
ケースにも類似点がありました。色は異なるものの、同じ金型で作られたのでは?と思えます。
指を掛ける場所の切り欠きが同じ形状です。 上から復刻されたmaxellの「UD」(黒)、市販の録音済みミュージックテープ(白)、NAGAOKAのテープ(透明)です。
なお、現在100均などで売られているテープのケースや、maxellの現行品「UR」「UL」のケースには、上記写真との共通点は見られません。
リールを保持するための爪の形状と、爪周辺の円形の段差も同様で、テープを保持する為のケース周辺内側のリブの位置も同様です。
ケースの「合わせ目部分」も似ていて、黒 (maxell) と、白 (ミュージックテープ) は同じ形状です。
以下は管理人個人の現時点での勝手な想像で、この先、新しい情報を得て訂正することも考えられますが.....
maxellの復刻版「UD」について、管理人には、近年の他のmaxellブランドのテープとは異なる方法で製造されたように思え、むしろ「NAGAOKA」ブランドのテープや「録音済みミュージックテープ」との共通点が多く、これらと近い部材を使って、近い場所で製造されたように思えます。
もし、現行のカセットテープのハーフを作る金型を使って、復刻版「UD」のハーフを作れたとすれば、多額の設備投資をしなくても、限定で6万本作ることは可能だったでしょうね。
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「NAGAOKAブランド」のカセットテープは、現在はこういった外観に変更されていて、カセット本体にも色が付けられ、「事務的な印象」が若干改善されたように思います。
但し、どのタイプも同じカラーリングで、現在のバージョンに「120minタイプ」は無いようです。
手前が「新バージョン」で、テープ面の色は「ほぼ同じ」ように見えましたが.....
これが「旧タイプ」のテープ面の拡大写真。
これが「新タイプ」。
どちらも「60minタイプ」で、同じ条件で続けて撮影したのですが、「新タイプ」の方がやや色が薄く、凹凸が少なくなっているようにも見えます。
「インデックスカード」と「ラベル」を変えただけでなく、磁性体も変えている?のかもしれません。
性能向上? コストダウン? あるいは、従来の材料が入手困難になり変更になったのでしょうか?
改めてデジカメでも、テープ表面の光の反射に気をつけながら注意深く撮影すると、旧タイプ (上) に比べ、新タイプ (下) の方が「やや色が薄い」ことが捉えられました。