ここでは、ユニークなコンセプトで発売されたものなどを載せています。
これは、SONYのカセットテープで、「Pops用」「Classic用」「Rock用」と「音楽ジャンル別カセット」として発売されたものです。
パッケージはこんな感じで、商品名を示す字体も変えています。
これが裏面。
「DPメカ」については、「印象的なパッケージ (3) 」のページで紹介しています。
それぞれで、音の傾向が異なるようですが、録音対象とする音楽ジャンルを、ここまではっきり示しているカセットテープというのは、管理人は他に記憶がありません。
テープとかカセットデッキの場合は、「再生される音が元の音と等しい」ことが理想であって、「○○用なんて、なんか変?」と、当時管理人は思っていました。
でも「理想通りのもの」というのは出来ない、あるいは出来たとしても、とてもお高いものになってしまうので、「特定の音楽ジャンルに的を絞って最適化することで、お手頃な価格に抑えたもの」ということなのでしょうかね。
「Pops / Classic / Rock」と似たようなパッケージのカセットテープがあり、それがこれ。
「Vocal 16」という商品名で、カラオケライブラリー作り / 語学レッスン / オーディション応募用、などの用途が想定されていました。
これは開封済みの「Vocal 10」です。
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これは、「LUXMAN」から発売されていたカセットテープですが、よく見ると、カセットハーフの下部に「ネジ」があります。
「アジマスのズレを補正するためのもの」とのことですが、他のメーカーには広がっていかなかったようです。
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これは、maxell の「UDI」をベースに、オートリバース機で使うのに適した設計をした「UDI - R」というもので、「- R」とは、TDKの「MA
- R」のような「Reference」の意味ではなく、「Reverse」のことなのでしょう。
ハーフ上に「For Auto Reverse Recorder」という文字が見えますが、「オートリバース」でないデッキでも使えますよ。
上の写真では、手前のハーフが透明で、奥のハーフの内側には青地に白のストライプがデザインされているので、左右リールのテープ量が確認し易くなっています。
また、ハブについては、「ダーツの的」みたいにデザインされていて、リールが廻っている方向も確認し易いかと思います。
一方で、上の写真に示す「A面」と、下の写真に示す「B面」とでは、全く外観が異なります。
これが、側面から観た様子。
誤録音防止のツメは、「A面」用、「B面」用ともに、B面側のハーフから作られています。
一般的なカセットテープだと、「A面」用のツメは「B面」のハーフから、「B面」用のツメは「A面」のハーフから作られます。
リーダーテープは一般的なカセットテープよりも短くなっています。
リーダーテープの長さは、一般的なカセットテープでは「6秒弱程度」かと思いますが、このカセットテープでは「4秒弱程度」と思われます。
「A面」→「B面」と続けて録音したときに「無音時間が短くなる」メリットがあったのかと思います。
でも、リーダーテープに関しては、更に短いものもありました。
左のテープは、AXIAの「J'z 2」というものですが、リーダーテープの長さは1.5秒くらいかと思われます。
また「音楽録音以外の用途」で紹介した、パソコン用に作られたmaxellの「CP15」「CP10」のリーダーテープはもっと短くて、カセット底部には全く現れません。
右側のリールにテープが巻き取られた状態では、左側のリールの下には「左方向を向いた緑の矢印上に白文字で「B」と書かれた表示」が現れます。
また、右側のリールの下には「右方向を向いた青い矢印上に白文字で「A」と書かれた表示」があり、「A面 /B面 どちらを使うときも、こちらの面を向けて使ってほしい」という意図が判ります。
他のカセットテープにはない特徴をいくつも持ったカセットテープですが、管理人が知る限り「UDI - R」というカセットは、このバージョンしかなかったようで、ロングラン製品にはならなかったようです。
同様のコンセプトのカセットテープは、「SANYO」からも発売されていました。
これは「グレー」なので地味ですが、Web上の情報を見る限り、これ以外にも「ピンク」と「ブルー」の色展開があり、往復で92分録音できるバージョンもあったようです。
こちらが「A面」で、
こちらが「B面」
リーダーテープをかなり短くしていて、この写真では左側のリールに全部巻き取っていますが、それでもリーダーテープがヘッド部分にまで来ません。
このため、「反転したときに音が途切れない」というメリットがあったと思われますが、「消去ヘッドを通らない部分」が出来るので、上書きした場合には、反転部分で前回の録音内容が被ってしまうのでは?と思います。
「ハイファイ録音」用途ではなかったので、「コレはコレであり」なのでしょう。